おおとりりゅうじ『胎内温度』
胡乱なことばかり垂れ流す当ブログですが、リンクして下さっているサイト様が新たにいくつか増えたようで大変嬉しいです。目下ちょっと多忙なものでレスポンス出来ていませんが、週末ぐらいまでにお礼とご挨拶に参ります。無精ゆえの無礼働きですが、平にご容赦願います。
さて今回は、おおとりりゅうじ先生の『胎内温度』(ヒット出版社)のへたレビューです。
活き活きと描かれるヒロイン達が繰り広げる、勢いの良いコメディとエロシーンが大変魅力的な作品集です。結構お勧めですよ!
収録作は、家出してきた鬼娘のパンツを拾ったことで始まるドタバタエロコメの「オニのパンツは・・・」全4話(←参照 ヒロインのライカさん 第2話より)、他短編3作となっています。1作当りのページ数は20〜34P、平均28P弱で量的に充実。登場人物達のドタバタ振りを追いかけるのが楽しく、個人的に満足感は高かったです。
何やら陵辱エロを想起させる表紙絵で、実際「オニのパンツは・・・」第3話のように陵辱系統もありますが、基本は明るく楽しいシナリオ・享楽的なHのエロコメ作品です。
「オニのパンツ・・・」シリーズは、電撃を発するオニ娘と同棲ラブコメ→色々なキャラが絡んで事件が起きちゃうぞ(はあと、とまんま「うる星やつら」のパロディでありエロ漫画テンプレートを思い切り踏襲しています。
しかし、荒削りながらも気持ちのよいシナリオの疾走感と一クセある魅力的なヒロイン達が、テンプレに付きまとう凡庸な印象をきれいに払拭しています。
ライカさんも、その姉(出だし狡猾キャラと見せかけて実はお間抜け娘さん)も愛していますが、個人的なお気に入りは主人公の同級生小港さん(←参照 「オニのパンツは・・・」第3話より)。おどおどと気弱な性格ながら、Hなことを妄想してみたりライバルのライカとは怒涛の口論を展開したりと実に愛くるしいキャラクターでした。シナリオ分量の割りにヒロイン数が多すぎてキャラごとの掘り下げが足りなかったり、1話での阿呆ぶりがいっそ清清しかった主人公の存在感がティンコ以外どんどん希薄になったことなど短所も散見されますが、本作の魅力を大きく減じるようなものではありません。
お気楽系姉弟相姦で「その流れでセックスに持っていったか」と笑い半分関心半分な短編「近しき仲にも・・」や、酔ったアルバイト巫女さんズに(性的な意味で)襲われちゃう短編「神様アリガトォ!」も作風は同様です。
フェイバリットは、「ツンデレとヤンデレとマッドサイエンティストと痴女キャラを足して4で割ってドジっ娘成分足しました」みたいな何ともユニークなキャラの西園寺さん(←参照)が登場の短編「リング」。この娘もクルクルと変化する多彩な表情が大変素晴らしい。ただし、上記中編作にしろ各短編にしろ、コミカル要素優先で恋愛感情の描写は希薄なので純愛H好きは注意されたし。
割合古臭いごっちゃりした画風をベースに、萌えっぽさやキャッチさーを取り込んだ親しみやすい絵柄であり、単行本を通して安定しています。表紙・裏表紙の絵よりも若干濃い目でうるさい絵柄ですが、表紙で判断して問題は少ないでしょう。
適度にむっちりと描かれたボン・キュッ・ボンなナイスバディのヒロイン陣が、これまた淫らに描き込まれた女性器に剛直を受け入れるエロシーンは、非常にダイナミックであり実用性は十二分に高く感じました。ただ、量的なボリューム感にはやや乏しいかもしれません。
ヒロインが体いっぱいに性の快楽を受け止めて存分に乱れる性行為にしろ、悪漢ども(←参照 今時いない類の不良たち(笑) 「オニのパンツは・・・」第3話より)の下卑た言葉とヒロインの苦痛の呻きが彩る陵辱行為(少ないですが)にしろ、性器と性器、体と体がぶつかり合う激しさは十分に表現できていました。特に、射精時のテンションの高さ、勢いのよさは魅力的で、読み手側の射精の爽快感を高めてくれます、いや個人的経験の感想ですがね(爆
題材にしている作品(「うる星やつら」)や絵柄に原因があると思うのですが、勢い重視の作劇にも関わらず、何処か懐かしさすらある落ち着いたセンスが感じられます。
最初から最後まで明るく楽しく、キャラは魅力的に、そして勿論エロスもたっぷりとエロコメの王道を行く作品といっても過言ではないでしょう。
師走の翁先生や流一本先生、高岡基文先生の如く(個人的には霧恵マサノブ先生も並べたいが…)コミック阿吽の屋台骨を支える看板作家になること間違いなしの作家さんでしょう。
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