ポン貴花田『ぴたごらすびっち』
いやー、まりたんドリルの購入特典「ののしりCD」が大変良かったです。野中藍さんによるノリノリの罵りボイスは最早麻薬の域に達していました。もう、ありすタンの方が主人公でいいんじゃないでしょうかね(マテ
正式な発売日が結局よく分からなかったものの(ワニマガジン社公式HPによれば既に発売中とのこと)、ついに入手しましたポン貴花田先生の初成人マーク付き単行本『ぴたごらすびっち』(ワニマガジン社)のレビューです。
個人的には、落ち着きの無いギャグ成分が強すぎてなんともチグハグな印象を受けてしまいました。
収録作は、ご近所のお姉さんと付き合い始めたイガグリ坊主の男性がお姉さんを玩具の如く扱うコミカル中編「隣人」シリーズ全4話+後日談のおまけカラー作品1話、および短編9作となっています。
1話当りのページ数はカラー作品を除いても8〜16Pと少なく、ボリューム感にはかなり欠けます。
「隣人さん」シリーズや短編「こだね100%」など、(一応)カップルさんの話でもラブい雰囲気はお馬鹿なギャグやエロ欲求に塗り潰されて非常に希薄です(←参照 「海辺の隣人」より)。左のコマに登場の変態イガグリ野郎は、器量性格ともによしでH好きな奈々姉をスワッピングさせたり、野外調教させたりとやりたい放題。正直、イガグリ野郎にちょっと殺意が芽生えました。
後述するダークな要素のある作品を除けばコミカルな作風が徹底されているので、後味の悪さや陰湿な印象が少ないのは救いです。
欲望丸出し・思いやりゼロの野郎どもはともかくとして、女性キャラの魅力的な描き方は流石です。エロイ行為を頬を染めて恥ずかしがりながらも(←参照 短編「クロッキーグロッキー」より)、いざことに及べば汗に体を濡らしながらばっちり感じちゃう様は大層実用的です。おとなしめの正統派ヒロインや、ツンデレ気味な彼女さん、素直クールな眼鏡さん、はたまた性の快楽に捕らわれた人妻など様々なキャラクターをそれぞれに魅力的に描く手腕は高く評価したいです。
ちょいとコミカルでハートウォーミングなラブコメこそポン貴花田先生の真骨頂と信奉していたので、2作(「孵化」「性母」)ほど含まれているちょいとダークでインモラルな短編の暗めの雰囲気が存外によく、新たな発見をしました。
病で子供を産めない体の人妻さん(←参照)が村の男たちの”共有物”にされる短編「性母」は短いながら、設定のシナリオラインへの上手な盛り込み方や話の締め方の巧さが光る1作です。グダグダ感のある悪ノリ満載のギャグ系作品よりよっぽど面白く、今単行本で逆に一服の清涼剤になっていました。
少女漫画風の可愛らしさのある顔とボン・キュッ・ボンのナイスバディをお持ちのヒロイン陣が登場のエロシーンの訴求力は相変わらず高いです(←参照 「日本猫耳化計画」より)。全体的にオーソドックスながら、適度にむっちりとした肢体の体温が伝わってくるかのようなエロの空気感は何だかんだでよいです。また、毎度お馴染みの股間の効果音も健在。
とまぁ、エロシーンだけ抜き出すと高評価ですが、分量的に満足がいかない上に、折角の良い雰囲気がどうしようもないギャグ要素に邪魔をされているのが残念です。
”あの”ポン貴花田先生の成人マーク付き初作品ということでかなり期待していたのですが、『ラブごめ!』や『家政婦と暮らす100の方法』(共に双葉社)での落ち着きのあるコミカルさと暖かい雰囲気、ヒロインのキャラクター、そして白ボカシに全く負けないエロがバランス良く整えられた作風が好きな人には勧め難い作品集になっています。
期待していただけに寂しい思いがありますが、ラブコメH系作品ならヤスイリオスケ先生やけものの☆先生の新刊の方が面白いというのが僕の率直な印象です。
ただ、これは僕のごく個人的な感想ですので、「ハイテンションなギャグ好き!パロディも面白いよ!あと十分エロイじゃん!」と感じる人も結構な割合でいる作品であることは特記しておきます。
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