けものの☆『Groove Tube』
野中藍さんが出演する「ののしりCD」が欲しいため珍しくとらのあなに寄って「まりたん集中ドリル」を購入。内容はいつも通りですが、裏表紙が「空母艦攻隊」「飛燕独立戦闘隊」の滝沢聖峰先生で吃驚。以前の小林源文御大といい、何とも恐れ多い人選です。
本日はポップな色調の表紙が印象的な、けものの☆先生の『Groove Tube』(茜新社)のへたレビューです。
魅力的なキャラクター性を持つヒロイン陣、軽快でいて心地よいコミカルさ、そして実用性バッチリのラブラブエッチのバランスの良さが光る秀作です。
収録作は、兄を好きでたまらない妹(←参照)があの手この手で兄と結ばれることを目論むラブコメ中編「ぐる〜みんぐっ!!」全6話+短編3作。1作当りのページ数は16〜22Pで、20P代が中心です。各短編ではキャラクターの魅力とエロスに、中編各話ではテンポの良いコメディとエロスに重点が置かれています。
ページ数はあまり多くはなくとも総合的な完成度の高さがあり、短めの短編も含めて読み応えはあります。
「ぐる〜みんぐっ!!」に登場の妹さんは上のコマにて獣耳・尻尾付きで描かれていますが、これはあくまで猫っぽい女の子というイメージです。
兄に猫撫で声で擦り寄るシーンでは猫にように見え、可愛いながらも効果覿面な作戦で兄貴を騙すシーンでは狐のように見えるなど妹さんのキャラクターを魅力的に引き出すいいアクセントになっています。
短編においても、ヒロイン陣の可愛らしさをコミカルに、同時にしっかりと描けています。
喜怒哀楽にクルクルと表情が変化する「ぐる〜みんぐっ!!」の妹さんとは正反対に、感情を表情や言葉で巧く出せないけど人一倍甘えたがりな長身美少女が登場する「副音声。」(←参照)はキャラクター面で会心の出来。作中では天真爛漫な弟君との対比が実に活きています。コミカルメインのシナリオであり、ドラマ性は期待しないのが吉です。ただ、「ぐる〜みんぐっ!」において、真面目な兄貴を翻弄し何とか恋人になろうとしていた妹さんが兄貴の告白に嬉し涙を流すシーンや物語の幸福そうなラストシーンはコミカルな作風で通したシナリオを綺麗にまとめており大変好感が持てます。
台詞の応酬やキャラクターの表情変化、オーバーな演出といった正統派のギャグ漫画で用いられる手法で笑いを取れているのが個人的には好ましいです。加えて、アニメ・漫画関連の小ネタを嫌味にならない程度に混入させてコミカルさを底上げしています。
短編はほとんどシナリオは無いですが、数ページの非エロシーンで読み手の心をぐっと掴む登場人物達の魅力の方を是非楽しんで下さい。
キャラクターの性格付けだけでなく、むっちりとしたボディをお持ちの人妻さん、手ごろなサイズの胸をお持ちのソバカス少女、スレンダーながら巨乳さんな長身美少女など体型の描き分けも非常にしっかりしていてそれぞれが魅力的です。
ふるふると揺れる柔らかそうなおっぱいや、ぴっちりとしたジーンズ越しに描かれるボリューム感満点のお尻(←参照 短編「ムチとは罪」)など基本のエロ要素をしっかり確保しています。また、修正のほとんど無い女性器はしっかり描き込みながら過剰な生々しさを排した(性的な意味で)実に美味しそうな描写をしており売りの一つであることは確かです。
そういった体のパーツの描写も良いですが、一つの体位を様々な視点から描き分けてみたり、めまぐるしく変化していく互いの体の位置関係をしっかり描いたりと、セックス時の体の動きや絡み合いを丁寧にかつダイナミックに描けています。
ほにょ口やら舌を突き出した大開きな口で性感を享受するヒロインの表情は、ややオーバーながらも(←参照 「ぐる〜みんぐっ!!」より)実用性の高い濃厚和姦の締めとしては適当と言えるでしょう。実用性のあるラブコメエロ作品としてはかなり高い完成度を誇る単行本です。キャラクターの立て方やコミカルギャグの使いまわし方が大変巧く、このまま一般誌に即戦力としてスカウトされてしまうのではないかと勝手に心配してしまうくらいです。
いや、エロ漫画も描き続けてくれれば一般での活躍も勿論大歓迎なんですが…。
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