ピクピクン『膣内でオシッコ』
今週はエロ漫画の新刊発売数がエライことになっており歓喜の悲鳴。何せ、25日発売の作品に限っても7冊の購入が既に確定してますので。今年は本当に豊作年ですなぁ。
今回はピクピクン先生の『膣内でオシッコ』(松文館)のご紹介です。ふざけたタイトルと相反する芸術的な美しさのある表紙に惹かれて購入しました。
お馬鹿な能天気コメディと悲劇的な盲愛を描くシリアス作品が、共に繊細で緻密なタッチを持つ美しい絵柄で描かれる不思議な作品集です。
収録作は全て短編で8作。1作あたりのページ数は16〜24Pですが、ほとんどの作品は20P代です。平均的なページ数ですが、コメディにしろシリアスにしろきっちり”読ませる”作品にする漫画としての構成力は高いです。
なお、実写エロ本の素人ハメ取り企画を絵でやったような「SUMERAGI」は漫画とは言い難いので評価出来ず。この作品だけ何故か絵柄も全然違います。
魅力の一つは何といっても絵としての巧さ。特に、シリアス系の作品で見られる耽美主義的な美しさのあるコマ(←参照)は登場人物達の心情を映し出すかのようで心を震わされます。左のコマは「album 「music」No.13」において、兄を偏愛する妹が「肉体関係を断ち、普通の兄妹として共に生きよう」と提言する兄を拒むシーンです。たった一人の肉親となった兄に拒絶された悲しみと寂しさ、そして歪んだやり方で兄を独占する決意と狂気が感じ取れるコマだと感じられました。
愛深き故のあまりに悲しいラストのコマと併せて、この短編の秀逸さを大きく高めています。
絵柄は苅野ハスミ先生に代表されるようなレディコミ系(←参照 裏表紙より)。超スレンダーな体幹描写、皮膚に浮き上がる骨格や筋肉の独特のエロス、蠱惑的に潤んだ瞳など好き嫌いが結構分かれる描写が目立ちます。初出の掲載誌や時期が載っていないため、よく分からないのですが、絵柄の変化はそれなりにあります。短編「シッコでビンビンしっこしこ☆」(書いてて頭痛くなるタイトルですなぁ)では、基本路線はキープしつつ平均的なエロ漫画の画風に接近しています。
エロシーンにおいては結構激しい行為が描かれ、その絵柄とのギャップもあって実用性は意外に高いと感じました。絵柄(特に異様に細い体)が許容できないと実用度は急落なので留意が必要です。
なお、断面図を高率で挿入してきますが、完全に”内臓”の描写になっておりもはやエロイとかエロくないとかのレベルを超越しています(汗。
また、絵としての煽情性は高いですが、どちらかというと「”静”の美しさ」に重きがあり、ダイナミックな体の動きにはやや向いてない印象があります。
基本的にミドル〜ハイティーンの少女達の透明感・繊細さと逆に男性陣の描写はかなり濃い目(←参照 「橙の西日と蒼い影」より)。個人的には宇宙を股にかけ狩った女性でハーレムを作るケツアゴマッチョなおっさんが大変お気に入りです。己の性欲のままに女性を収集し、ランク分けする傲岸不遜な人物はこれくらい濃く描いて貰った方がいいですね。
沈鬱なシリアス話も好きですが、愛すべき馬鹿さ加減が光るコミカルも実に楽しくて大笑いさせてもらいました。
”おまる”でしか用が足せない男性が最新型おまるを注文したら美少女型おまる(←参照)だったよ!という何ともぶっ飛んだスタートを見せた「愛しのオマル☆」がとてもお気に入り。おっぱいは給水タンク、上のお口はビデ、ハイソックスな便座カバー(以下略といった馬鹿馬鹿しい説明をばら撒きつつ、健気なオマルちゃんがご主人様の性処理に邁進するエロシーンは笑えるし抜けるという異色なものです。こんあオマルなら欲しいですよ。
ちょいとスプラッターな描写やグロ関係、鬱なシナリオを含みますので、その辺りを許容できない方は回避推奨。
ユニークな作風と美しい絵柄を楽しみたい方は是非挑戦してみて下さい。
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