佐波サトル『ずっとつながったまま』
広江礼威先生の『BLACK LAGOON』第9巻(小学館)を読みました。実際に今巻は既巻よりもページ数が多いのですが、シリアスで大変ヘビィな読書感となっていましたなぁ。“敵”であるキャクストン少佐が、これまた“正義”と信念の人である分、何とも救えないお話です。しかし、また、ロックの立ち位置が揺らいでますなぁ。いっそ、極悪人になれれば幸せなのかもしれませんがね。
さて本日は、佐波サトル先生の『ずっとつながったまま』(一水社)のへたレビューです。前単行本『ツはツンデレのツ』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
ちょっぴり変わった性格のヒロイン達との汁ダクエッチが楽しめる作品集となっています。
収録作は、大財閥のお嬢様とお互いに一目惚れした少年に授けられた大悦楽ライフを描く連作「とりぷりゃ」「とりぷりゃ×2」(←参照 少年への愛情故に美女をあてがうお嬢様 連作前編「とりぷりゃ」より)、および短編9作。1作当りのページ数は「とりぷりゃ」(18P)を除いて全て16Pと、個々の作品のボリューム感は控えめ。分量的にはエロ重視でシナリオは補助的な構築が為されていますが、話に広がりを持たせる上手さがあり、それなりにシナリオ的な味わい深さもある印象です。
【シナリオ分量少なめながら味のある作劇】
ページ数の都合もあってか、シナリオパートに分量を割けておらず、比較的サクサクとエロシーンへと進行するため、ストーリー重視派には魅力が不足しているのは確か。
上述の連作「とりぷりゃ」のように棚ボタ式にエロ的大幸運に恵まれたり、短編「フタになれ」では姉に虐げられる妹に何の脈絡もなくチ○コが生えて、その肉棒で姉貴を制服したりと、セックスシーンへの導入部を早く切り上げるためになかなか無茶な要素まで話に突っ込んでくる思い切りの良さは個人的には○。
今単行本は、ラブラブモノがメインであった前単行本の路線も引き継ぎつつ、息子の彼女をネチネチとした性技で開発して寝取る親父を描く短編「プロポーズ」や夫への罪悪感を持ちながら義弟に性感調教されて寝取られる人妻を描く短編「長い夏休み」など、ダーク路線の寝取り/寝取られ作品も混在しています。
前者では行為中にヒロインに息子へ電話させて結婚の約束をさせたり、後者では夫婦の寝室でセックスをして屈従をさせたりと、寝取られモノとしての踏み込みは強めであり、本数的には少ないながら存在感を放っています。
勿論、恋愛モノにおける多幸感・充足感の演出の良さも健在であり、エロ漫画的ご都合主義に突っ走っている様で、特異な環境下で育ったせいで他人に愛情を求めることを知らないお嬢様を少年の真っ直ぐな恋心が自然なカタチへと変容させていく連作「とりぷりゃ」は意外にも誠実なラブストーリーとしての良さがあります(←参照 連作後編「とりぷりゃ×2」より)。終盤にややなし崩し的な展開になったのが残念ですが、お気楽なハーレムエロとハートウォームな恋愛ストーリーを齟齬なく組み合わせている点が高評価であり、この作劇の安定感は他の作品でも遺憾なく発揮されています。
【素朴な漫画絵柄で描かれる巨乳ヒロインズ】
登場するヒロイン達は、ミドル〜ハイティーン級の美少女達をメインとしつつ、上述の寝取られ若妻さんの様に20代前半〜半ば程度と思しき美女さん達がちょこちょこ加わる布陣となっています。
スレンダー傾向の強い娘さんから適度に全身もっちり系のお姉さんまで体型描写はややバラつきがありますが、皆さん柔らかい巨乳を装備(←参照 だらしない従姉のお姉さん 短編「泊っていってね」より)。エロシチュエーション・エロ作画的に巨乳を強調することはあまりなく、その描き方もいたってベーシックですが、その温かくて柔らかそうな質感は地味に魅力的です。王道から結構捻った設計のツンデレキャラを描くのが上手い作家さんであり、酔った時に押し倒されて調教されちゃったと記憶のない少年に(おそらくは偽装の)熱烈ラブ&エロアタック(でも態度はツンツン)をしかける短編「朝。目覚めると」の朋ちゃんはこの作家さんのキャラ造形の持ち味良く出ています。
大人しく優しい性格の下に性への興味と主人公の恋心を秘めていた短編「知りたい同士」や独特の恋愛観を持っている連作の沙姫お嬢様など、思春期の少年にとって“理解が困難な異性像”をヒロインのキャラクターに含めていることが、恋愛系作品における恋の成就の幸福を高めているのも素晴らしい特長。
表紙絵に関しては一向に絵柄が安定せず、かつ中身の絵柄との違和感が今単行本でも拭えませんが、収録作の絵柄はほぼ安定しています。多少デッサンの安定感が欠ける印象もありますが、実用的読書を妨げる程の乱れではありません。
なお、全ヒロインが股間に適度な茂みを生やしていますので、その辺りを気にする方はご嗜好とご相談されたし。個人的には(特に人妻系において)実にウェルカムですが。
【たっぷりの淫液に塗れる美少女・美女達】
ページ数こそ少ないものの、設定の工夫と思い切りの良い導入によって、実用的読書のお伴を果たせるだけの濡れ場の尺は何とか確保しています。
この作家さんの特徴は何と言ってもエロ作画における豊潤な液汁描写であり、顔を濡らす涙や口からダラダラとこぼれる涎、ピストン運動に合わせて性器結合部から噴出する大量の愛液などによって女体を濡らしていく様が大層煽情的(←参照 短編「知りたい同士」より)。濡れ場の演出に関しては、この大量の液汁描写と適度に転化した粘液質な擬音に強く依存するスタイルであり、エロ台詞の量を控えることで登場人物達に閉じた熱狂的な空間を演出することに成功している感があります。
お嬢様+侍従の美女達とのハーレムエッチ(何と最高7P!)が楽しめる連作「とりぷりゃ」や天然おっとりお姉ちゃんとツンデレ妹による主人公取り合い3Pエッチな短編「さんかく」など、多人数エッチが多めなのはエロの豪華感を高めていますし、何より高い技量を要求される複数人の絡みをしっかり描き切れているのが◎。
フェラで1発+膣内でも1発、または抜かずの2連射中出しという多回戦仕様を取っていることも多く、大量の白濁液を中出しした後、ち○こを引き抜いて既に濡れまくった肢体に精液を重ねがけするフィニッシュは強力な抜き所になっています。
余談に近いですが、「先にイかせたら○○してあげる」という約束で、セックスにおける快楽の綱引きを一種の勝負として演出してエロの緊張感を生み出していますが、偶然の産物なのかこの要素を絡めた作品が多数同時収録されてしまっていて、流石に何回も続くとやや興醒め。
とまれ、汁ダクセックスが好きな同士諸兄は是非チェックして頂きたい作品ですよ。
個人的には、ここ最近は美少女ヒロインがメインで登場しなかった美人人妻が拝めて嬉しかったですな。いや、この先生が描くツンデレガール達も大好きですけど。
エロ的にも大満足な上にお嬢様と主人公の幸せを願いたくなる連作「とりぷりゃ」が一番のお気に入りです。
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