深田拓士『完熟人妻日記』
新参・零細なレビューブログな当サイトですが、今回初めて同じ先生の新しい作品を紹介します。何か、レビューサイトっぽくてカッコイイ気がします(謎
というわけで、深田拓士先生の『完熟人妻日記』(コアマガジン)のレビューです。なお、前回のレビューはこちらです。
結論から言えば、絵柄・キャラ造形・シナリオ展開の全てがまさに”人妻モノの王道”と言ってよいものになっています。
短編11作が収録されており、内10作はタイトルに偽り無く人妻・未亡人が登場します。
深田先生の作品ではお馴染みの、奥底に性欲の疼きを抱えながら貞淑を装う塾女さんが、悪漢に身を汚され快楽の虜にというベタベタな展開が臆面も無く展開されます。
シナリオ展開や男女の台詞の応酬は敢えて官能小説的なフォーマットを踏襲したもの(←参照)であり、定番を貫き通す潔さには感服です。ベテランの先生だけあって絵柄はかなり安定していますが、かなり古い作品が2作(「危ないLOVE LESSON」「HARATTAMA!−祓ったま−」)が含まれています。
基本は同じながら荒さが目立つため、人によってはマイナス評価かもしれません。個人的には90年代エロ漫画のノスタルジックな画風と現在と全く異なるあっけらかんとした明るさのある作風が新鮮でしたので、深田先生のファンにはむしろプラス評価になる可能性があることは特記しておきます。
相変わらず表紙のカラー絵が雑な印象があって損をしていると思うのですが、中身の白黒絵では淫靡さをしっかりと表現しながら劇画系と一線を隔すキャッチーさも存在する絵柄は作風に完全にマッチしています。
内に欲望が滾る蟲惑的な瞳、少し垂れ気味な巨乳、肉付きの良い腰周り(←参照)は塾女モノとして完璧なキャラクター描写です。ちょっとくたびれた感のある表情や肢体が実にいい味を出しています。黒ベタなどを多用とした暗めの背景、陰影の強調など重く暗い雰囲気を作り出す作画も熟練の技の賜物です。
むっちむちな人妻の体を存分に蹂躙するエロシーンの実用度は文句なしに高いです。陵辱行為に怯えた表情でお定まりの台詞(誉め言葉です)で抵抗しながら、性の快楽に耽溺してゆく流れはややワンパターンながらどの作品でも大層抜けます。
初出の雑誌の関連で修正がキツメの白ボカシだったりする短編(「塾妻」)もありますが、この先生のエロシーンの良さはむっちりとした肢体(特にお尻)のエロスと凛としていた表情が快感に咽び泣くものへと変化していく様子にあるため、性器描写があろうとなかろうと大して関係ないというのが個人的な感想です。
また、人妻なら地味目の衣装とエプロンの組合せや年相応の外出用衣装、新婚さんなら当然ウエディングドレス、未亡人なら喪服(←参照、喪服大好きです)とギミックもしっかり定番を押えています。人妻モノの作品では雰囲気作りには必須なアイテムとも言えますので、好きな人には煩悩を大いに燃え上げさせてくれるでしょう。
お話的には敢えてベタな展開をニヤニヤしながら楽しむこと以外にあまり見るべきところは無いです。劇終はダークな印象が強いもの(「the down」など)から、気持ちよいならそれでよい的なお気楽なもの(「Welcome to人妻ソープ」など)まで幅広いですが、あまり気にするようなことではないでしょう。
前回のレビューも同様のことを書きましたが、全編に渡って漲る愛すべき”おっさん臭さ”を楽しめるかが鍵です。
コンビニ誌のお気楽ラブコメHがちょいと物足りなくなってきた貴殿には、おっさんエロ漫画入門として実にお勧めな1作です。
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