操昌輝『妄想リップ』
久しぶりに全休な一日。午後は花見にでに行ってきます。桜、木瓜、石楠花、躑躅、木蓮、丁子桜、海棠、花桃、樹の花咲き乱れるいい季節ですね。今日は操昌輝先生の初単行本『妄想リップ』(クロエ出版)のへたレビューです。後述するように、ちょっとお勧めしにくい物件なんですけどね…。
短編12作が収録されており、内4作はメッセサンオーやとらのあなから出ている同人誌(アニパロではなくオリジナル作品)の再録です。
ちょっと同人関係は詳しくないので、どんな作品集に載っていたかとか出版時期とかは僕はさっぱり分かりません。
絵柄から判断すると最近描かれた作品の様です。
多分一番大事な情報と思われますが、初出が2001年から2006年までと幅広く、2004年までの古めの絵柄(←参照、初出2002年の「ちょっとまってお姉ちゃん!?」)の作品が7作と半数以上です。過去の絵柄が(荒削りな面はあるにせよ)決して悪い出来ではありませんが、2008年に描かれた表紙絵との違いはかなり大きく、表紙だけで判断するとかなりガッカリということになるので要注意です。
個人的には最近の絵柄(ぼっしい先生とらっこ先生を足して割った感じかな?)が好きなのでちょっと残念でした。
作風は全体的にお気楽&コミカルなものであり、シナリオや心理描写を大胆にぶん投げてひたすらエロに走ります。野外リンカーン調教な「公園の雫」や転校生がクラス全員にリンカーンされる「淫乱教室」など、文面だけ見れば明らかにダークな陵辱モノもあっけらかんとした雰囲気に包まれており背徳感や暗さはほとんど無いです。
カラーの短編「鶫〜つぐみ〜」は完全に陵辱系で映える暗い色使いでの作品(こちらも輪姦)ですが、陰惨さはゼロであり、何か逆に狂気の臭いがします。まぁ、それはちょっと考えすぎかもしれませんが。
カラー作品での色使いも以前と現在で大きく変化しており(デジタルへの移行のためか?)、近作のカラー作品「Blind spot」はより明るくスタイリッシュな色使いになっています。
古めな作品群では、お姉ちゃんが弟に迫る「ちょっとまってお姉ちゃん!?」を除けば、お気楽インスタント陵辱という類の作品が多く、男性側が行為の主導権を握る作品が多いです。エロイコスプレ衣装を買った弱みにつけこまれて生意気なエロガキ弟君に奉仕を強要されちゃう「じきたちお」は年上が年下に翻弄されちゃう話が好きな人にはかなり訴求力高そうな作品です。
これが近作では逆に年上女性がショタっ子を性的な意味で可愛がる作品(「姉と海」「Maid's plot」)が多くなっています。
以前も現在も、いやらしいオミャンコを女性が自ら開いておねだりし、後はガンガンピストン運動というシンプルな構成です。卑語満載の台詞回しと嬌声、汁気を想像させる擬音の多用でしっかり脇を固めており、物足りなさは残るものの実用度は十分及第点に届いています。
ただ、台詞による煽り・説明的描写は近作「搾乳探偵日記」や「姉と海」でかなりエスカレートしており、ページが台詞で埋め尽くされるまでに至りました(←参照)。量的な問題に加え、結構字が小さいこともあって読みづらく、エロの盛り上げとしては逆効果になっているように僕は感じました。編集さんは何やってんだと思ったら、初出は同人誌らしく、エロ同人って良くも悪くもフリーダムなんだなぁと勉強になりました。
加えて、マイナス要因のもう一つは、近作のボリューム感が弱いこと。最近の絵柄で描かれた5作中、「うさうさRevolution」「姉と海」は本番行為無しです。というかほぼ手コキのみ(泣。
また、「Blind spot」はカラー作品ゆえに4Pしかありません。
お気に入りは、財閥のおぼっちゃんを腹黒メイドが筆下ろしでたらしこむ近作の「Maid's plot」(←参照)。温度と湿り気が伝わってくるかの様な秀逸な媚肉の描写、テンション高い台詞回し、腹黒メイドさんのキャラ立ちの良さなど、操昌先生の実力が遺憾なく発揮された作品です。
総評としては、絵柄にしても作風にしても徐々にではなく一気に変化している感じであり、その分違いが大きく感じられてしまうのはマイナス要因です。どちらか一方だけで固めていれば評価は低くならなかったと思うのですが。
抜き物件を探していて絵柄の変化を許容できる方や操昌先生のファンで次単行本が待ちきれない方は購入して問題ないですが、それ以外の方には強くは勧められません。
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