紫色雁行『乙女の花園 潜入大作戦』
月曜に仕事が始まったと思ったら、もう仕事がヘブン状態ならぬヘル状態ですよ!まぁ、今週は新刊もあまり出ないようなので、仕事と更新を両立できるかなと。更新遅くなったりお休みになったりするかもしれませんがご勘弁を。
さて本日は、紫色雁行先生の『乙女の花園 潜入大作戦』(松文館)の遅延へたレビューです。積みレビューのまま年を越してしまいました。よくないことです。
バラエティ豊かなヒロイン達と様々な作風とが沢山詰まった華やかで楽しい作品集ですよ。
収録作は全て短編で10作。1作当りのページ数は短編「錬金術師のアトリエ」(20P)を除いて全て16Pとあまりボリュームはないタイプ。
後述するように作風は変化に富んでいますが、全体的に良くも悪くも軽快な雰囲気に包まれており、エロシーンも含めてサクサクと読み進められる印象です。
【バリエーション豊富なスタイルで魅せる短編集】
表の帯に“女装して潜入調査!?”とあり、女装ショタっ子大好きな貴兄貴女は惹かれるものがあるかもしれませんが、そのタイプの作品は冒頭のタイトル短編作「乙女の花園 潜入大作戦」のみであることには注意が必要(←参照 可愛いけど男の子です 短編「乙女の花園 潜入大作戦」より)。収録作の作風はバラエティ豊かであり、単に数作列挙するだけでも、少年に召喚されたツンデレ悪魔っ娘が(性的な意味で)大活躍なエロコメ系短編「彼は悪魔の御主人様」、脱法ドラッグを製造している化学部の男子生徒達が秘密を知ってしまった新聞部の女の子をクスリを使って快楽調教な凌辱系短編「虜」、孤児院の経営のためスラム街で年端もいかない少年たちに体を売るシスターの堕落と迎える悲しい結末を淡々と描くシリアス系短編「聖母降臨」と、本当に様々。
錬金術師が登場するファンタジー世界が舞台の短編「錬金術師のアトリエ」があったり、エロもラブ&エッチなタイプからちょっぴりハードな凌辱系まであったりと、作風の幅は広いですが、大まかに言えばショタ男子×成人女性か成人男性×ロリっ娘の組み合わせのコミカル系快楽優先タイプが主と言えるでしょう。そのため、単行本通しての雰囲気は明るい印象があります。
管理人はエロ漫画に関してかなり雑食なのでこの様に色々と詰まっている単行本は結構好きなのですが、特定のジャンルが好きだ!という方にはマイナス要因でもあることにはご注意を。
【オチの面白さが良いアクセント】
ページ数が少ないこともあってシナリオの展開というのはほとんど無く、開始数ページにて作品の状況説明とエロシチュの方向性の決定をした後、そのままエロへと分かり易く導入されていきます。
伏線展開やストーリーの重厚さを求める方には不向きな軽いシナリオではあるのですが、面白いのは多くの作品において話のオチで楽しさや朗らかさを演出して読後の印象を良くしている点。
豊満バディの団地妻さんと少年のイケナイHを描いた短編「団地妻のイタズラ」やロリーな少女が醜悪な中年男性達に集団凌辱される短編「Edenの人形屋」のまさかの逆転オチは結構楽しませて貰いました。また、短編「乙女の花園 潜入大作戦」を筆頭に意外性は無いけれどもほんわかした話の閉め方も気持ち良いです。
なお、個人的にシナリオ的に最愛なのは淫らな快楽の泥沼に静かに沈んでいったシスターを描く短編「聖母降臨」。戦火の中孤児院のためにその身を汚し、少年たちとの倒錯の快楽に沈まざるを得なかったシスターに、戦争という間違う事なき人災が“天罰”として降りかかるという極めてアイロニカルなラスト1Pのセンスが冴えていました(←参照 地を睥睨するは人 短編「聖母降臨」より)。【ロリから熟女まで幅広いヒロイン陣】
作風同様にヒロイン陣もバラエティに富んでおり、一人年齢不詳な悪魔っ娘さんがいますが、小○生なロリータさんからセレブ妻や団地妻(推定30歳前後)まで年齢的にもかなり広め。
ボディデザインに関してもツルペタ〜膨らみかけでお股は綺麗にツルツル&スージーな前者からボリューミィな巨乳とお尻およびさわさわとした茂みが広がるお股の持ち主の後者まで幅があります。勿論その中間に当たるハイティーンクラスの美少女達もいるのですが、どれか特定のキャラ設定にコダワリがあると厳しいのは確か。ロリから人妻まで魅力的なら何でも来い!という雑食な同志諸兄にはむしろプッシュしたいですよ。
ショタ男子×成人女性または成人男性×ロリっ娘の組み合わせにおいては、年下側を設定の整合性を無視してでもより小さく幼く見える様に敢えて演出している感があり(←参照 バイトをする年齢の少年には見えない 短編「モンスターマダム」より)、華奢な少女の体を味わう倒錯性や年上女性の豊満な女体に包まれる安堵感を強く感じさせます。短編「Edenの人形屋」のおっさん達にかつての絵柄の余韻を残していますが、丸みの強い線を多用する萌え絵系絵柄へのスイッチングに完全に成功しており、単行本通して絵柄は安定。表紙・裏表紙の絵柄で判断して頂いて全く問題ありません。
【安定した技量で魅せる多回戦エッチ】
シナリオ軽めでサクサクエロシーンへと流れ込むこともあって少ないページ数ながらエロの分量はしっかり確保されています。
どうしても男性側が早漏気味に見えてしまう弱点はあるものの、お口や胸で一発出した後、前穴挿入でさらにもう一発、もうひと押しとばかりに最後はアナルファックでラスト1発を決めたりと多回戦をきっちりこなす力量は流石。
また、決して多彩さや派手さは無いのですが、眉をちょっとしかめ頬を赤く染めた表情が持つ穏やかな官能性はエロ的にかなりの強みです(←参照 ロリでも熟女でも等しく似合う表情 短編「団地妻のイタズラ」より)。小ゴマは所々で使うだけで中〜大ゴマ主体のコマ展開で魅せるエロ作画も安定しており、柔らかそうな女体と上述の上気した表情が魅力の痴態でテンポよく煽情性を構築していきます。
複数人プレイが結構あることや多回戦中心であることもあって、外出しぶっかけやアナル中出し締めというケースも多く、タメにタメてラストはがっつり前穴中出しがいいという貴兄にはお勧めしがたいのは確か。ただ、射精形態に幅こそあれ大ゴマ〜1Pフルで描くフィニッシュシーンはヒロインの表情もあって非常に良い抜き所であるのも事実です。
なお、残念なことが色々あった松文館なので黒棒連発な性器修正はかなりキツメ。他に上半身と下半身のバランスがちょっと怪しいデッサンは(特にロリっ娘で顕著)改善の余地アリな気もします。
個人的にはいい意味でごった煮感のある作品だなぁという感想であり、次はどんなだろうとワクワクしながら読み進めることが出来ました。
勿論、特定のジャンルにこだわった単行本を出して頂いても嬉しいですが、これはこれでむしろ楽しさが増していると思うのですよ。雑食で明朗な抜き物件をお探しな貴兄にお勧め!
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