ぼっしい『お嬢様はHがお好き』
あちこちでエロ漫画の年間ベストが紹介されていて、当ブログは完全に出遅れているなぁという感じです。エロ漫画専門レビューサイトとしては正直凹みます。といっても、年内に発売される作品のレビューを出来るだけ書き切ってからベスト選出をしますので、もう少しお待ち下さいな。御免なさい。
さて本日は、ぼっしい先生の2冊目『お嬢様はHがお好き』(ワニマガジン社)のへたレビューです。初回限定版は単行本が特別小冊子とセットになったBOX仕様となります。ワニマガジン様は商売上手ですなぁ(他意は無いです)。
タイトル中編「お嬢様はHがお好き」を筆頭に、ツンデレ系を中心とした魅力的なキャラ設計をされたヒロイン陣との汁気に満ちたエロシーンをたっぷり楽しめるラブコメ作品集ですよ。
収録作は、お嬢様姉妹とそれぞれの彼氏との2組のカップルが織りなすエロエロな日常と彼氏自慢エロ合戦とを描くタイトル中編「お嬢様はHがお好き」シリーズ全5作(←参照 何だかんだでラブラブカップル 最終話「お嬢様達はHがお好き」より)、愛妻家だけど変態趣味な旦那に振り回される美人妻とそんな旦那様に思いを寄せる寡黙なメイドさんとを描く連作「これが私の旦那さま」「これが私の旦那さま〜尽忠鳴奴物語〜」、他短編4作。なお、短編「抜忍」は前単行本『水着彼女』(ワニマガジン社)に収録された短編「堕忍」のヒロイン空ちゃんの妹・凛ちゃんがエロ的な意味でも大活躍な後日談となっています。
1作・話当りのページ数は6〜24P(平均15P弱)と少なめ。「水着症候群」のようなフルカラー短編を数作含んでいるため仕方ない面があるとは言え、個々の作品のボリューム感はやや弱め。ただ、ページ数の大半をエロシーンに割いていますので、そちらの満足感は確保されています。
【ヒロインのキャラ立て最優先な作劇】
シナリオは明るく楽しいラブコメの王道を基礎としつつも、ヒロインの快活な魅力を演出することに終始しており話としての重みは皆無なタイプ。
短編「アンビリ・ガール」の超負けず嫌いなスポーツ娘や(←参照)中編「お嬢様はHがお好き」シリーズの我儘だけど根は素直なお嬢様姉妹、短編「恋病ハ気カラ」の有能で厳しい性格のキャリアウーマン(でも処女)という管理人垂涎のキャラ設計の上代さんなど、どのヒロインも可愛らしく描けているのが大きな魅力。はっきり言って作劇面は初単行本であった前単行本からほとんど進歩しておらず、エロシーンへの導入プロセスにやや整合性を欠いていたり、魅惑のエロシーンの後の劇終があまりに淡白であったりと、作品を包む雰囲気が良い分余計に話の喰い足りなさが残っています。
勿論、上述の様に親しみ易いキャラ造形をされたヒロイン陣の活き活きとした様子そのものが十分楽しいので作風に悪い印象は全くないのは確かです。
ただ、ラブコメ・エロコメとしての完成度を高める上で、エロを盛り上げつつシナリオにも魅力を付与する努力が今後必要になってくるかなぁと感じます。
余談ですが、中編「お嬢様はHがお好き」シリーズで自虐的なネタにされるほど男性キャラには存在感がなく、むしろヒロイン達の我儘だったりツンデレだったりなキャラとしての魅力を引き出すためのコマに過ぎませんので恋愛描写重視のラブコメを期待するのは回避推奨。
【華やかなコスプレ要素とエロエロ女体】
ヒロイン陣は一部年齢不詳さんもおりながら(「これが私の旦那さま」の奥さんは見た目若いが一体何歳なのか?)、概ねハイティーン〜20代後半の年齢層。ちょっぴりツンツンした性格のヒロインが多いのも特徴です。
絵柄・キャラデザに関しては各種エロ漫画絵柄のいいトコ取りをしているタイプであり、クセの無い訴求層広めの絵柄でこれまた手堅いボン・キュッ・ボンのナイスエロバディを描きつつも、そこにお肉のむっちり感や各種汁気のウェット感、引きしまった筋肉や骨格の存在感などを適度に絡めて画にしっかりとした存在感を出す手腕は見事。特にカラー作品で冴え渡る最先端の端正なデジタル作画手法を存分に活かしつつ、描線やトーンワークにいい意味での荒さ・雑味があるのは快楽天らしいなぁと。
エロエロかたびらとか(←参照 伝説のバカエロ衣装再び 短編「抜忍」より)や肌にピッチリと張り付くスポーツウェアとか(短編 「アンビリ・ガール」)、清楚なウェデングドレス(「これが私の旦那さま」)とか、相変わらずコスチューム要素を幅広く添加してきており個人的にはかなり嬉しいところ。とは言え、エロシーンではほぼ全裸になることが多く、あまりコスチュームにエロ的な存在感が乏しいのは寂しいかなとも思います。なお、何故か競泳水着をまとう女医さんと看護婦さんズにエッチな介護をしてもらう(主にぼっしぃ先生の)妄想大炸裂な短編「水着症候群」など濡れた質感描写が他を圧倒する水着関係は今回は控えめ。
その水着不足(新語)を補うため、初回限定版の特別小冊子では単行本収録の「お嬢様はお風呂がお好き」と「高熱彼氏」とのヒロイン水着着用バージョンが収録されております。デジタル作画の利便性を活かしてヒロインに水着を着せた以外は作画・作劇は全く同じなので、水着スキー以外にはやや魅力薄なおまけかなぁと思います。いや、僕は大変好きですけど。
【高質な作画と安定のエロ展開でボリューム感を醸成】
そもそも各作品のページ数があまり多くないので、たっぷりのエロシーンを求めるのは避けるべきですが、質は間違なく高水準であり抜き物件としては十二分に優秀。
分量が少なめながらほとんどの作品で多回戦をしっかりと消化しており、まずはねっとりとしたフェラや豊満おっぱい大活躍なパイズリなどで顔や胸の谷間を白濁液でたっぷりと染め上げて強烈なジャブを一撃(←参照 パイズリ終了後 短編「恋病ハ気カラ」より)。続いて、前戯にて既に淫蜜が漏れ出ている処女おみゃんこに力強く描かれたち○こを挿入すれば、男の姿をほぼ消すエロゲー手法で感じまくっているヒロインの淫靡な表情とマッス豊かな乳尻太股とに読み手をしっかり集中させてどぷどぷと中出しなフィニッシュへ持って行く一連のシークエンスという真っ向勝負の力強いストレートパンチを放ち、実用的な意味でとにかく使えます。
男性の体の動きが見えない分セックスのダイナミズムの演出とラブ濃度の煮詰め方には不足はありますが、行為中にヒロインがポロッと口にする素直な恋愛台詞が雰囲気をグッと高めているのも事実であり、実に巧いところ。
性器描写の水準は決して低くありませんが、カラーでの上手さに比べると白黒絵での淫靡さはやや抑え気味。加えて消しが結構キツイのは残念です。
個人的には、ぴっちりタンクトップとスパッツがとにかくエロ演出で光りまくっていた短編 「アンビリ・ガール」とヒロインの設定がツボに入りまくった短編「恋病ハ気カラ」がフェイバリットで雑誌掲載当時から大層使わせて貰っています。
水着要素が少ないということを除けばヒロインの魅力的なキャラ立てといい高質なエロスといい、前単行本で一気に獲得した多くのファンを十分満足させることのできる快作と思います。
これで、シナリオの展開力とコメディとしての演出力が高まれば読めて使えるラブコメの金字塔を確実に建立する作家様だと思っています。自信を持ってお勧め!
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