MAC-V『感じて欲しいの』
世の中的にはやはりボジョレー・ヌーボー大人気といった感じですなぁ。いや、あれはあれで美味しいとは思いますが、同じ値段でもっと赤ワインらしい赤ワイン買えるじゃん?とか思ってしまいます。まぁ、基本的にビールと焼酎しか飲まない人間なんで、ワインの細かい味の判別はさっぱりですが(苦笑。
さて本日は、MAC-V先生の『感じて欲しいの』(コアマガジン)のへたレビューです。中身も同様ですが、汁気たっぷりのエロチックな表紙絵ですなぁ。
抜き物件としての評価も勿論高いのですが、少年少女たちの若さが気持ちよく迸るRock'n Rollな中編作が個人的には大好きです。
収録作は、学校の施設を何故かやたらとゴージャスに改造する悪戯の犯人を突き止めるため、探偵志望な変わり者の男の子と自称正義の味方なコスプレ女生徒(←参照 痛タタタ 「せーぎのミカタ」第1話より)が活躍したりしなかったりの中編「せーぎのミカタ」全5話+同中編に登場する官倒団達の出会いを描く描き下ろしの前日談(8P)、および短編5作。1話・作当りのページ数は16〜20Pでほとんどの作品は18P。正直もうちょっとボリュームが欲しい感はありますが、派手さには欠けながらも組み立ての巧さが光るシナリオが軽快かつ味わい深い読書感を生み出している印象です。
基本的にはハッピーな快楽優先系の作品がメインの今単行本ですが、巻末作の短編「メガブルレイプ」のみは良い感じに頭悪そうな(誉めてます)タイトルながら、全く容赦のないガチの陵辱劇なので苦手な方は要注意。暴力描写や苦痛のあまり吐瀉する悲惨なヒロインの姿が描かれてもOKな方には、切れ味の鋭いかなり使える陵辱エロです。
また、桜桃書房(現在男性向けはオークス様に)のアンソロ本を初出とするこの短編のみ、初出が2003年と結構前のため作風に加えて絵柄も他の作品とは異なっている印象です。ただ、作画の質が高いのはほとんど変っていないとは思います。
今単行本でメインとなるエロコメ作品群は、ミドル〜ハイティーンクラスの美少女達が快活に性の快楽を追い求める様子を明るく描いています。ギャグ漫画チックに多彩な変化をする登場人物達の表情が作品の明るい雰囲気を強固にしています。
ヒロイン達のエロへの積極性がエロシーンでは華になっており、適量の卑語・猥語を口に出すことで自分自身を蕩ける様な陶酔に導くエロの流れは、読み手すらその快楽の空間に引き込むかのような妖しさに満ちています。
ヒロインさん達の惚けた表情や力が抜けたクタッとした女体の煽情性や、それらに降りかかる粘液感の素晴らしい各種体液の表現(←参照 「せーぎのミカタ」第3話より)もエロ空間の魅力をしっかりと高めています。なお、男女共にメガネ着用率がかなり高く、ヒロイン陣は短編「リアルな天国」のヒロインさんを除けば全員メガネを着用(伊達メガネも一人いますが)でメガネっ娘激ラブな貴兄には嬉しいところでしょう。
ロリ系に強い作家様ということもあって、上記の短編「メガブルレイプ」のヒロイン以外はほんのり膨らみ〜並乳クラスで、胸も含めて全体的にほっそりとした印象の強いボディデザインです。性格付け的には明朗なタイプの娘さん達が多いですが、ちょっぴり儚げな感のある肢体がエロの淫蕩さをさらに高めている感があります。
なお、おっぱいが服からまろび出ることがほとんど無く、ほとんど脱げない上半身の着衣からその下にある柔らかい膨らみの存在を想起させる画が多いのは(←参照 「せーぎのミカタ」第3話より)、独特のエロスがあって個人的には好きです。頻繁に小ゴマを使うエロシーンのページ構成はややゴチャゴチャしている感はありますが、それ故に視覚的なゴージャス感があり、汁気タップリの局所描写やメリハリのしっかりしたアングル変化でしっかりとエロシーンを見せます。
抜き物件としては非常に頼もしい作品集と言えるでしょう。
とは言え、今単行本は単に快楽至上主義の抜き物件という枠に収まるものではありません。
短編「リアルな天国」および中編「せーぎのミカタ」において、登場人物達は社会やそこに巣食う“悪者”への不満や批判を語ります(←参照 「せーぎのミカタ」第4話より)。中編「リアルな天国」では不真面目なサラリーマンながら“大人”である男性が、“悪者”への怒りと“悪者”が放置される社会環境に対する悔しさに心を痛める少女を優しく救い出す話ですが、中編「せーぎのミカタ」は不正や悪事に対し自ら行動を起こして対峙しようとする少年少女達を描いています。
ちょっと偏屈で探偵として振舞う男の子、正義の執行者を自称してコスプレまでしちゃう女の子、高い理想を持ちながらやってることは下らない悪戯というおチビ娘の率いる官倒団の面々など、彼らの行動は、先生自ら後書きに書かれているように若さゆえの“痛い”ものです。
この中編作は、彼らのちょっとズレた奮闘を楽しく明るく描きながらも、その“正義”の自己満足性を賛美するものでは決してありません。中編作のラストで描かれた“大人”になった登場人物達が示すように、むしろその幼い“正義”を大切に抱きながらも、そこを出発点として自分自身の“正義”を貫ける大人へと成長していくことこそを祝福する作品であるように僕は感じます。
子供の頃夢見た“正義の味方”には大人になってもなれませんでしたが、真っ直ぐで揺るがない“正義の見方”を手に入れられたのは、子供の頃のその“イタイ正義”があったからこそなのではないでしょうか。
少年少女の頃の、世間的に見れば馬鹿げているかもしれない熱い想いの余韻をまだ胸に残している貴兄貴女に、最高のロックンロールを届けてくれるエロ漫画であり“成人向け”漫画だと僕は信じています。
Let's Rock, Baby, for these f○cking awesome Boys & Girls!!
カッコ付けた後に、死ぬ程蛇足で恥ずかしいのですが、目付き悪い娘属性の管理人としては、おチビな暴君で官倒団のリーダー・華田礼子ちゃんが超々お気に入りです。
この娘メインでスピンオフとか是非やっていただきたいですなぁ。
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