子門竜士郎『スカートの中の欲望』
日曜は久々にゆっくりと出来る日だったので酒を飲みつつ溜めていたクラナドアフターストーリーをここ3話分一気に観ました。第3話の芽衣ちゃんのお兄ちゃん云々のシーンは身悶えしながら5回くらい見直しましたが、何か?
さて本日は、子門竜士郎先生の初単行本(注)『スカートの中の欲望』(富士美出版)のへたレビューです。子門先生が今月のペンクラ山賊版で僕の大好きな尾野けぬじ先生(原作)と組んで作品を発表されていて吃驚しました。
恋のトキメキ空間の演出にはやや不足もありますが、柔らか巨乳を標準装備の美少女達と繰り広げるエロシーンがとっても魅力的な作品集です。
収録作は、無口でクール優等生な女生徒(←参照 「彼女のまなびや」第1話より)と罪悪感を抱きながら彼女と交わる男性塾講師、二人の関係を憎々しく思う女生徒の双子の妹の関係を描く中編「彼女のまなびや」全3話+描き下ろしのその後掌編(6P)、女装が心の慰めの名家の少年当主とメイドとして送り込まれた伯爵の娘、および屋敷のメイド長のほんわか三角関係を描く「リオのメイド日記」全3話、これまた男性教師と女生徒二人の能天気三角関係がメインな「名門痴女学園」シリーズ全3作、および短編1作。富士美出版様ではいつものことですが、1作・話当りのページ数は全て16Pであまりボリューム感はありません。エロシーンの分量はしっかり確保している感はありますが、このページ数の少なさが後述の作劇面での物足りなさにつながっている感はあります。
作風に関しては、コメディによる修飾で誤魔化すことをほとんどしない、雰囲気のあるラブストーリーがメイン。ヒロイン達が自分自身の幸福を目指して奮闘する様そのものはとってもラブリーで活き活きとしています。
とは言え、ストーリー構成に関してはかなり難があり、興味深い設定やおそらく結構練られているであろうプロットを活かし切れていない感はちょっと強くはあります。
自身も受験期に女性塾教師との性的関係に溺れ受験に失敗した男性講師(←参照 「彼女のまなびや」第3話より)が、その過ちを自身の生徒にも与えてしまうことへの躊躇いと女生徒の想いを受け止めたいという思いとの板挟みになる筋書きの中編「彼女のまなびや」は非常に面白い舞台設定と男性講師、女生徒、その妹の三者三様の思惑の複雑な交差という魅力的な人物関係を持っています。しかしながら、16P×3話という中編の構成において、この入り組んだ感情のぶつかり合いを解きほぐして一つのドラマに昇華させるにはページ数と展開力が不足している感があります。最終話にて、重い葛藤の末に暴走をしてしまう男性講師の行為はやや説得力に欠けており、ラストに関しても「むしろその後どうなるかが見たいのだ」と思ってしまう締め方の弱さを個人的には感じてしまいます。
この傾向は他の中編2作と短編「ぴあの姫」でも共通しており、おそらく子門先生がしっかりと考えておられるだろう舞台背景や人物間の感情のやり取りが説明不足の故にうまく伝わらず、シナリオ展開に悪い意味でやや唐突な印象を付加してしまっている感はあります。
ただ、中編「リオのメイド日記」、「名門痴女学園」シリーズ、短編「クールじゃいられないっ」などはシリアス要素の少ない、楽しいラブコメですので、快活でかつほんわかした空気がシナリオの整合性をあまり気にさせてくれないのは確かです。
設定の盛り込みとシナリオ展開が向上すればヒロインがもっともっと輝いてくるとは思いますが、上記の作品群では幸せそうなラブラブ雰囲気はちゃんと出ていると思いますよ。
後書きにて参考にしている漫画家の一人としてMARUTA先生を挙げていますが、成程、スタンダードなエロ漫画絵柄に独特の暗さ・重さを纏わせて陰と陽の生命感を感じさせる絵柄は確かに影響を感じさせます。
ただし、適度に荒い線の不安定感がユニークな魅力を形成するMARUTA先生の画風に対し、描線の安定感はむしろ子門先生の方が強く、より多くの方に受けいられる絵柄だと個人的には感じます。むしろこっちの方が僕は好きかもしれません。
作画が抜けているコマがほとんど無く、丁寧に描き込んでいる印象があるのも好印象。
そんな絵柄で描かれるヒロイン達はハイティーン美少女を中心として数名の女性教師で脇を固める、これまた幅広い層に魅力な布陣。
全ヒロイン、どうにも布地面積の少ない衣装を適度にふっくらとした肢体に纏っており(←参照 何というけしからん服! 短編「ぴあの姫」より)、その服から転び出るボリュームたっぷりのおっぱいとおしりは非常に強力なセックスアピールになっています。その柔らかそうな尻肉や双球に指やチ○コが食い込んでいく様は(性的な意味で)大変美味しいと感じます。
エロシーンはシナリオからの導入にやや難があってドラマ内での役割をあまり担えていない感はありますが、質・量ともに十分な水準にあります。
短編作は1on1なエッチですが、特に中編作は3P(男1対女2)が中心であり(←参照 シリーズ第1話「名門痴女幼稚園だよっ」より)、「彼女のまなびや」のレズシーンも含め健康的な色香に溢れる美少女達の肢体がページを埋める様は非常に華やかです。作家様の技量によってはページ構成や構図が甘くなる複数人プレイを安定感のあるコマ展開・構図でしっかりと見せ、乳・尻・太もも&結合部を満遍なく配置する各ページは抜き的には大変効果的。
逆を言えば、ヒロイン達の柔らかボディに男性は覆い隠されており、逞しく描かれる男性器意外にさしたる活躍はありませんが、野郎は別にどうでも・・と思う方と男女双方の体のぶつかり合いが見たいという方で評価が割れるかもしれません。
あまり過剰なリアル感や淫靡さはないですが、局所描写もしっかりしています。断面図・透過図の質も低くないですが、これらはむしろ無い方が魅力的に見えるような絵柄・エロ展開かなと個人的には思います。
フィニッシュは基本中出しですが、膣外へと噴出する白濁液の質感がちょっと水っぽく、エロの表現としては弱めかなとは思います。
とまぁ、初単行本らしい硬さというか不足感はあるのですが、抜き物件としてはしっかりまとめている印象があり、個人的には絵柄が好きなこともあって決して評価は低くありません。
出来ることならば、次の単行本ではページ数的にもう少し余裕のある構成でストーリーをじっくり描いて頂ければ間違いなくデフォルト買いの作家様になることでしょう。
シナリオ面で非凡な才を持つ尾野けぬじ先生とのタッグは、子門先生にとっても大きな勉強になると思います。微力ながら応援しておりますので、大いに活躍されることを期待しています。
(注)アリス缶詰師匠からご指摘を頂きましたが、子門竜士郎先生は元司出版で活躍されたスギサンダー先生の変名とのこと。というわけで実は正確には3冊目ですが、このPNでは初単行本ということでご理解下さい。
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