北河トウタ『あれふぇち』
空いている時間を見付けてポチポチと「世界樹の迷宮2」を進めています(現在17階)が、前作よりキャラの可愛らしさがグッと高まって愛着と妄想がストップ高。管理人はパラディン、ブシドー、ガンナー、メディック、バードの物理攻撃主体パーティー。勿論全員おにゃのこです(笑。
さて本日は、北河トウタ先生の『あれふぇち』(ワニマガジン社)のへたレビューです。お色気ムンムンの表紙絵ですが、裏表紙の方が中身の絵柄とより近いので本屋さんでの判断の足しにして下さい。
若い男女の微笑ましい恋模様とピュアな恋心故に溢れる変態チックな性欲を楽しく優しく描き出す作品集です。
収録作は、互いに経験豊富と思い込み、相手に釣り合おうとエッチの特訓に励む処女・童貞のカップルさん(←参照 「あれふぇち らすと」より)、および恋愛感情が交差する主人公の男性、初恋の相手の叔母とその娘さんの3人組の恋とエッチのステップアップを描く「あれふぇち」全12話、「あれふぇち」に脇役として登場するアベックも出演するカラー掌編「いろふぇち」3本、異性を性的に興奮させるフェロモンを出してしまう体質の兄と妹のそれぞれのパートナー獲得劇な連作「フェロモン」全2話、および短編「こまらせたいの」1作。短編や連作の各話は16〜18P、「あれふぇち」シリーズについては4〜8Pのショート作中心でボリューム感とは程遠い構成。エロやシナリオをがっつり楽しむのは不可能ですが、エロ漫画としての楽しさやドリーミーな読み心地はしっかりと味わえます。
「あれふぇち」シリーズの童貞&処女カップルさんのお話を除けば、ヒロイン側のエロエロなアプローチに男性側が色々な意味で辛抱堪らなくなりエッチに雪崩式に突入、最後はふんわりとラブラブ演出で優しく包み込んでハッピーエンドという、分かり易いラブコメ・エロコメが基本。
未経験のままエッチの勉強を重ねるうちに変な嗜好が身に付いちゃった「あれふぇち」の処女さんや短編「こまらせたいの」に登場する、意中の男性の困った顔を見たいがためにセクシュアルなイタズラをしかけてくるOLさん(←参照 回りからは隠しつつもポロリ)など、ちょっぴり変態さんなヒロイン(というか一名痴女さんがいますが)が登場します。ただし、淫蕩に耽る妖艶な美女が描かれるわけではなく、どの作品でも男性を好きと思う気持ちの強さが彼女達の性欲を勢い良く常識をブッチぎったものとして描かれています。全作品が楽しく読めるエロ漫画として作られており、全般的にはお気楽タイプでシリアス成分の薄いシナリオであるのは確かです。
とは言え、「あれふぇち」シリーズではもどかしいまでにセックスに至らぬエロエピソードを積み重ねてきた二人が、最終話で互いに童貞&処女であることを打ち明け、恋の熱量に包まれて心も体もつながるシーンは十分力強く描けていて恋愛ドラマとしてしっかり締めた感があります。
「あれふぇち」最終話では、それまで短いページ数にエロを詰め込んだ構成ゆえに登場機会の少なかったヒロインさんの喜怒哀楽の表情を素敵に描けているのも好印象(←参照 焼きもちな表情 「あれふぇち らすと」より)。各短編のハッピーエンドにおけるヒロインズの幸せそうな微笑みもとってもチャーミングです。なお、「あれふぇち」シリーズのもう一つのシナリオの軸である、主人公・叔母・姪っ子の穏やかな三角関係は、単調な両手に花エンドに持ち込まず、姪っ子ちゃんの年齢(推定中○生)に似合わぬしっかりとした決意を実に心憎い構図で表現したラスト1コマに唸らされました。ただ、同じシリーズに含まれながら上述のカップルさんのお話とこの叔母・娘とのエロエロ三角関係のお話は全く絡まず、後者が前者の流れを途絶させる構成になっているのはあまり良い印象がありません。
別のシリーズとして描けばよかったのではないでしょうか?
また、モノローグも含めて台詞のセンスもよく、「僕は童貞です」の泥臭くも真っ直ぐな男性の告白に「私の処女をもらってください」と女性が返す「あれふぇち」最終話のネームセンスは秀逸。
加えて、「こうなったらヤケSEXよ!」「子宮で占ってるンッだもんっ」といった阿呆なフレーズによるコミカルな演出も光ります。どちらにしても台詞・モノローグ単体が浮くこと無く、そのシーンシーンの絵としっかりと噛み合っているのが何より好印象です。
ベテランの域に入る先生ですのでエロシーンの質は十分に高いですが、掌編〜短編中心の構成故に今単行本はエロの量的な満足感が高いとは言い難いです。
大学生〜20代半ばクラスが中心のヒロインズはむっちり巨乳と意外に肉付きのよいお尻をお持ちのナイスバディであり、エッチの気持ち良さに言語能力がいい感じで蕩けたハートマーク付きの台詞を散らしながら進行する抽挿シーン(←参照 連作「フェロモン」前編より)は決して実用性は低くありません。とは言え、特に「あれふぇち」シリーズは性器結合としてのセックスに重きを置かないエロシーンの展開であり、初体験カップルの話は最終話までスンパンズンパンは無しなので、男女の体が激しくぶつかり合う肉弾戦を期待するのは得策ではない印象です。
「あれふぇち」シリーズは「おお、終に初体験に踏み切るのか!?」と思わせておいて「あぁぁ、やっぱ未遂かぁ」というもどかしさや、エッチに踏み切らないからこそキスや炬燵の中でのいじり合いといった行為で互いの絶頂へ導くエロの演出の巧さこそが醍醐味なのですが、万人向けの抜きツールとは言い難いのは確かです。
外出しやゴム装着があるのも人によってはマイナス要因。管理人は作品として成り立っていれば射精の中外・ゴムの有無は全く気にしませんけど。
所々で挿入してくる艶めかしい唇の表現や各種液汁やヒロインの肌から漂ってくるかのような熱気の演出は素晴らしいですが、絵柄の傾向もあって猥雑感よりも清潔感を感じさせるエロ描写になっています。
特濃のエロシーンを期待するのは避けるべきで、如何にもコンビニ誌掲載作らしいエロ漫画初心者ウェルカムなタイプのエロ漫画といった印象です。
でも、この上質のあんこを使った和菓子の如き、適度な甘さとふんわりとした口当たりはエロ漫画読みなら一層楽しめると個人的には思います。
ともあれ、「あれふぇち」の処女・童貞カップルさんのお話がシナリオもエロも大変魅力的だったので個人的には満足の1作。
ちゃんと抜けましたが、ガッツリ実用的読書を楽しみたい貴兄は他を当られたし。楽しいエロ漫画を味わいたい貴兄は是非購読してみて下さい。
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