ののるみあ『よい娘のおもちゃ箱』
帰宅途中に急に思い出して、閉店間際の本屋に駆け込みサナギさんの最終6巻を購入。危うく買うのを忘れるところでした。時間がなくてまだ読めていませんが週末にゆっくり読みたい所です。休めればね…。
さて本日は、ののるみあ先生の初単行本『よい娘のおもちゃ箱』(コアマガジン)のへたレビューです。“武若丸”という別名義で女性向けも描かれている作家様です。
リリカルに描かれる耽美な雰囲気の中、愛らしく描かれたヒロイン(と男の子)の痴態を味わいたい貴兄貴女にお勧めです。
収録作は、プライドの高いお嬢様が年下のショタっ子執事に(性的な意味で)下剋上されてしまう連作「私の執事様」「私のメイド様」(←参照 丁寧な言葉と微笑みの下にSっ気を隠す金髪ショタ(ジュルリ 「私の執事様」より)、および短編9作+おまけの4コマ(7P)。1作当りのページ数は8〜20P(平均17P弱)とボリューム感はやや弱め。とは言え緻密に構成されたビジュアルとモノローグ・台詞による感情の描出が作り出す雰囲気のよさは素晴らしく、作品全体にある華やかさをじっくりと楽しめます。
タイトル通りに二人に閉ざされた世界の中、相互依存的な近親相姦を重ねながら壊れていく兄妹をゴシカルに描いた短編「CLOSE」を除けば、コアマガ系らしい明るく楽しい作風がメインです。
シナリオ展開や想いの熱量において作品間で差こそあれ、カップルさんもしくはその一歩手前の男女が、互いの好意の発露として体を重ねていく話がメインであり、少女漫画チックに素敵な恋愛感情の表現が諸所に配置されています(←参照 管理人萌え死 短編「drops」より)。男女のごく当り前の日々から、二人の恋心と本当に些細なきっかけとでエッチに発展する流れであり、恋路の障害を想いのエネルギーで突破したり、ロリ(短編「drops」や「お嫁さんごっこ」)や近親相姦(短編「にぃにが一番!」)に付随するシリアス要素に踏み込んだりするドラマを期待するのは避けるべきという印象。
シナリオは、時に可愛らしく時に妖艶なヒロインさん達、およびクールな美男子やキュートな男の子達を魅力的にキャラ立てすることに徹しているという印象です。
後述するように男性向けエロ漫画として抜き的にもしっかり機能していますが、その耽美な作風とクールなキャラメイキングは女性読者層へのアピール力も強いかなと思います。
ヒロイン陣は、兄を性的にも支配下に置く小悪魔妹キャラ(←参照 勿論足コキあり! 短編「にぃにが一番!」より)、可愛らしさと純真さのみで構成されたかのようなロリっ娘、上述の負けず嫌いなお嬢様、気弱な男の子を素敵に翻弄する女性教師(短編「うら」)などなど実に様々。作風に合わせて殊更に特殊な要素や感情を備えない、悪く言えば凡庸なキャラ造形ですが、ヒロイン達の情動は年齢・設定に依らずピュアな恋心に下支えられた伸びやかさがあり陳腐な印象は決してありません。恋やエッチに照れたり戸惑ったり、時には積極的に男子を籠絡したりする様子は個々にしっかりと魅力的です。所々で挿入させる漫画チックに崩した表情も可愛くて○。
ただし、キャラ立ての重点は男性側にもしっかりと置かれており、美男子はクールにショタ男子はキュートに描かれています。存在感があるという以上に、性的な魅力を備えるキャラクターとして描かれますので、「野郎の悶え顔なんぞ見たくない」「ナヨナヨした男の子はちょっと・・」などといった貴兄は回避推奨。
個人的には、妖しいエロスを香らせる女教師が男の子の細い顎をくっと持ち上げてキスをする短編「うら」の一コマなんぞキャーキャー言いながら読んでましたが。
短編「drops」や「お嫁さんごっこ」のロリ娘(小○生クラス)さん2名は当然ぺったんこですが、その他のヒロインはゴムマリの如き大きめおっぱいを標準装備。重力に屈しない若々しいハリと柔らかさを兼ねそえた魅惑の双球ですが、存在感はともかくエロ行為にあまり絡まないのは残念です。でも淡い色の乳首はとっても美味しそうで眼福。
細い線を高密度に而して緻密に描き込む絵柄が醸し出す華やかさはエロシーンでもしっかりと活きており、ヒロイン陣とショタっ子陣の性感に乱れる表情をエロティックに演出しています。
また、男性を挑発する淫靡な表情もよく(←参照 短編「にぃにが一番!」より)、いくつかの短編で存在する女性側が男性を責めて悶えさせるシーンの妖しいエロスを高めていました。一コマ一コマの耽美なエロスでエロシーンの扇情性を構成していくタイプであり、ガンガンと体と性器を交える肉弾戦の激しさとは無縁の構成なのでその辺りはご嗜好とよく相談をされたし。全体のページ数が少なめであることもあり、エロシーンのボリューム感はそこまで強くないことにも注意が必要です。
なお、上でも書きましたが、キスシーンが大変上手いのは流石女性向けも描かれる女流作家という印象で、絡み合う舌も名残惜しげに糸を引く涎もしっとりとしたエロスに満ちて表現されています。
性器のアップや結合描写は高い水準にありますが、液汁描写はイマイチ物足りず、中出しフィニッシュでのなんか薄そうである意味現実的な量の白濁液は射精カタルシスを満たすにはやや弱めかなぁと思います。まぁ作風に合わせてのことと思いますが。
エロ的には短編「にぃにが一番!」と連作「私の執事様」「私のメイド様」が個人的なお気に入りで、勿論しっかり使わせて頂きました。
男性の僕から見た“女性向き”という評価が果たして的を射ているのかは自信がありませんが、そのような雰囲気がしっかりとある作品だとご理解頂けると助かります。
個人的には結構お勧めですよ!
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