LINDA『W−PAI−』
僕はエロ漫画のエロの部分も漫画の部分も大好きで、読んだ作品の出来るだけ多くの要素をレビューに含めたいと思ってます。でも、「これはエロい!」だけで十分なのでは?と思う作品もあったりします。今回のはそんなタイプの作品でした。
というわけで本日は、LINDA先生の『W−PAI−』(富士美出版)の遅延へたレビューです。なお、来週に本作と対になる『W−HIP−』が同じく富士美出版さんから出る予定です。
性感に身悶えする、色香に満ちた女性の肢体を官能的な筆致で描き出す画力の巧さを存分に味わえる作品集です。
収録作は、女性を憎悪し人妻を毒牙にかけていく男の復讐めいた性交と男の姉が与える一抹の救済を描く中編「deep」全3話(←参照 第2話より)、および短編15作とカラーイラスト集。フルカラーのショート作が多く収録されていることもあって1作・1話当りのページ数は5〜16Pとかなり少ないです。特に5P作品が大半のフルカラー短編は1〜数コマで状況説明を済ませたと、あとはがっつりエロシーンのみという完璧なエロ直球勝負なタイプなので漫画としての読み応えを期待するのは不可。
イラスト集も含めればカラーページが80Pと全ページの3分の1以上を占めており、かなりお得な印象があります。
フルカラー短編の味付けに関しては、ちょっぴりラブかったり、快楽至上主義的だったり、はたまた背徳的なエロスだったりと様々なのですが、僅か4〜5Pでお話を作るのは流石にベテランの先生であっても不可能であり、エロ漫画というより二次元エログラビアといった呈です。
しかし、白黒パートを含む16P程度の分量を持つ短編群では堅実なプロットの構成力を示しています。
母子相姦を描きながら子という鎹を通じて家族愛・夫婦愛を描く構成の妙が素晴らしい短編「イヴ」(←参照 イブの夜に亡き父の幽霊が)、教師としての責任感から精神が張り詰めていた女教師がきもだめしのコース下見で素の自分を打ち明けられるようになる優しい展開の短編「きもだめし」、ヤリコンに参加し嫌がっているように見えて実は一番乱交を楽しんでいるヒロインが面白い短編「ヤリコン24時」など、シナリオそのものの質ではなく漫画としての構成や作品に込められた以外に普遍的なテーマを楽しむタイプかなと個人的には感じました。一部のフルカラー短編も含め、話の締め方が非常に上手く、「deep」最終話における男の悪態と一粒の涙の同居や「きもだめし」ラストページの精神の縛鎖から解き放たれた女性教師の微笑みなどは素晴らしいの一言。
ただ、「deep」が最も顕著だったのですが、性行為に至る行動・思考の根拠の説明が足りておらず、興味深く構成されているシナリオラインとエロシーンがやや乖離してしまっている印象があります。
官能絵師の呼称は伊達ではなく、エロスが凝縮されたかのようなカラー絵の扇情性は非常に強いです。
汗と皮脂に妖しく照かる柔肌の官能、眼尻に浮かぶ涙や口から漏れ出る涎などの汁気の生々しさなどは一級品(←参照 短編「カーセックス注意報」より)。ただし、シズル感を重視するあまりに絵柄の素朴な親しみ易さは少ないタイプであるため、やや人工的で無機質な印象を受ける可能性も人によってはあると思いますので留意されたし。
表紙・裏表紙の絵が気に入れば全く問題は無いですよ。
各短編のページ数が多くないため、個々のエロシーンの量的な満足感はどうしても不足気味なのが残念。
とは言えグラマラスな女体が性の快楽に身悶えする痴態を、局所のアップ描写と体全体の引きの描写のバランスの良い配合および上手いコマ展開を以てして、激しくそしてエロチックに描き出しています。
タイトルに“ぱい”とあるように、掴む指がずぶずぶと埋まっていく実に柔らかそうな巨乳が(←参照 短編「きもだめし」より)、男の体やベットに挟まれて潰れたり、激しいピストン運動によって揺れ動いたりする様はエロ的に実に美味しいです。これまた淫靡に描かれる女性器描写も光っており、さらに消しがかなり弱いのが大きくプラスになっています。
液汁描写の水準の高さの割に白濁液の大量放出や膣外への溢れ出しなどが描かれることはほとんど無く、中出し(とちょっとの外出し)の爽快さ・派手さにはやや欠けている印象。個人的には肌と汁の組み合わせこそこの先生の真骨頂と思っていますので、もっと外出しが多くてもいいかなと思います。
gosplan大兄(酒とエロ漫画の日々。様)の言葉を借りれば、“最もレビュウの俎上に上げにくいタイプ”に類するのですが、実に上等の抜き物件であるのは間違いありません。
現在のエロ漫画界隈で絵のエロさでトップ集団にあるのは間違いない先生の作品をぜひご賞味あれ。
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