けんたろう『なつ・なでしこ』
黒田硫黄先生の『あたらしい朝』1巻(講談社)を読みました。あぁ、もう、この先生の描く絵はことごとくカッコ良すぎます。ページをめくる度にワクワク感が止まりません。
さて本日は、けんたろう先生の『なつ・なでしこ』(メディアックス)のへたレビューです。夏らしい爽やかな表紙絵ですね。
スタイリッシュに描かれる美女・美少女さん達とのエッチを軽快に楽しめる短編集となっています。
収録作は全て短編で9作。1作当りのページ数は短編「Incest Taboo」(12P)を除いて全て20Pです。
ページ数的には標準クラスですが、ドラマ成分僅少・エロ濃度薄めで読み応えは乏しい印象です。
作風的にはエロコメ・ラブコメが基本となっていますが、幽霊少女の一途な思いが通じる温かいラブコメディ「彼女の彼の彼女」、男のエッチな妄想大爆走な快楽系エロコメ「あひる食堂」、優秀そうなルックスとドジっ娘な内面のギャップに悩む女性の小さな成長劇「ぎゃっぷ」など作品の味付けは様々。
個人的には色々な味がコミカルさで調和を取った良い意味でのごった煮と捉えていますが、既往の作品群における中〜長編でのドタバタドラマを期待している方には、悪い意味で寄せ集め的なごった煮と映る可能性があるので注意されたし。
登場するキャラクターが動き回る様を楽しむというよりは、例えば短編「二人の夏期講習」に登場の穂波ちゃん(←参照 海で男を悩殺せんとビキニチャレンジ)の無邪気な性と恋への憧れといったような、さらりと描き出されながら印象的なヒロインの心情を楽しむタイプの作品群。コメディに関しても大げさなギャグやハイテンションな台詞回しで大笑いを取るタイプではなく、読み手の予想を巧く誘導して予想されたオチにドンピシャに落とし込む構成のよさにニヤリとさせられるタイプという印象です。
じんわりと温かいハッピーエンドか、半分呆れて半分ニンマリな楽しいラストのどちらかなので読後感は多くの人にとって心地よいと思われます。
短編「あひる食堂」(←参照 ちなみに特別親子丼は三万円です)のあまりに分かり易いがそれ故に「あぁ、やっぱりな!」と笑みがこぼれるオチと(性的な意味で)スペシャルな親娘丼が抜き的にも美味しく頂けるエロシーンが個人的なお気に入り。短編「アイランド・チェリー」の思春期真っ盛りのバカ男子を胸の内でそっと応援して受け止めるセレブお嬢様もとっても素敵です。ただ、良い意味で地味に話を回転させるこれらの短編作も悪くなかったですが、個性豊かなキャラクターがハイテンションに動き回るアクション系の中〜長編が読みたかったなぁと個人的には思います。
背景・衣装を含めて丁寧に描き込み、女性の華やかさを存分に引き出すスタイリッシュな絵柄は非常に魅力的。変な話、同じ日に新刊が発売された(出自を同じくする)大道いむた先生と好対照な絵柄ですなぁ。
ヒロインはハイティーン〜成人女性でスレンダーな体幹にたゆんと柔らかそうな並〜巨クラスのおっぱい(←参照 短編「アイランド・チェリー」より)を装備されたナイスバディさん中心。お目を小さめに描くこともあって萌え濃度は低いですが、純粋に綺麗な絵柄だと個人的には思います。エロへの導入部で魅せる、ヒロインの艶っぽい表情のエロスや男性も含めてオーバーなくらいに活き活きとした表情変化も魅力的。
この端正な絵柄は最大の武器ながら人によっては弱点でもあり、そこそこ激しいセックスを描いていても何処か上品な印象になるのが抜き的な評価を分けてしまいそうです。
エッチなおにゃのこが導入部ではキュート&ラブリーに、エロシーンでは吹っ切れたようにドロドロなエロエロにという流れを期待するのはNG。健康的で美しい肉体の交わりが趣を感じさせる上品さで描かれる痴態を楽しみたいならプラス評価でしょう。
消しの濃さが作品内でも幅があるのはどうかと思いますが、絵柄にマッチした臭味の少ない性器表現です。ただ、ぱっくり開いたオミャンコの中の表現がブラックホールみたいになっているのはちょっと萎えるので勘弁してほしい所。
フェラシーンは相応にエロチックですがそこで射精しないエロシーンの1発オンリーな構成がちょっと個人的には不満です。
管理人は気になりませんが、外出しラストが数回あることや射精カタルシス的には物足りないレズもの(←参照 短編「二人の夏期講習」より)が1作あることにも注意が必要。どちらかというとコメディの流れとか、ヒロイン達の意外に奥深い感情とか、ちょっぴり作品に込められた人間愛とかを作り上げるためにエロが必要とされる類の作品が多く、がっつり抜きたい貴兄には少し物足りないかもしれません。
絵柄が好みで、無理矢理な大仰しさから解放された地味ながら伸びやかなエロ漫画を楽しみ貴兄にはお勧めと思います。
……管理人は結構好きなのですが、この作品への愛情が伝わっていなかったらホント御免なさい。まぁ、いつものコトなんですけど、今回のは自分で書いてて凹みました…
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