伊佐美ノゾミ『ちんかも!』
『シグルイ』11巻(山口貴由/秋田書店)を読みました。まさか、この漫画でツンデレふたなり美少女が登場しようとは(曲解。実に引き込まれる妖しい魅力に満ちた作品ですが、そろそろ御前試合の決着を拝みたいのもまた事実。
さて本日は、伊佐美ノゾミ先生の『ちんかも!』(ヒット出版社)のへたレビューです。
漫画的な面白みは少ないものの、エッチ大好きなロリっ娘さん達の果敢なラブアタックを楽しめる作品集となっています。
収録作は全て短編で9作。表帯の訴求文に“少女12人”とありますが、これは短編「恥験」でヒロイン4名が登場するため。
1作当りのページ数は16〜26P(平均22P弱)と標準的ですが、作画・作劇共に力強さをあまり感じさせず読み応えはちょっと乏しい印象です。
作風に関しては、半数程度が成人男性と少女の年の差ラブ話(短編「2P」のみ少年少女のラブアフェア)、のこり半分の短編は時にダークな要素もある快楽耽溺系の作品です。
前者のタイプでは、少女側の「大好き!だからエッチしたい!」というおませな感情や無邪気な性欲が、多少類型的とは言え、前面に出せれており、ヒロイン達の積極的な言動には惹かれるものがあります(←参照 短編「2P」より)。後者のタイプに関しても、ヒロイン達が大人達によって快楽の牢獄に閉じ込められる短編「恥験」を除けば、エロにしても話の流れにしても全体的な支配権を持っているのはヒロイン側という印象。
短編「変態さん」が代表的でしたが、少女の人格を否定するような言葉を浴びせる激しい拘束エッチが描かれても、実はヒロインの掌の上で踊らされているという展開が語る様に、すべての短編で主人公はあくまで少女達で男性達は彼女たちの魅力を引き立てる舞台装置でしかありません。
ただ、どうにもお話としては面白みに欠ける印象が個人的には強かったです。ベタなヒロインのキャラ造形から広がっている部分はあるのですが、そのオリジナリティーをシナリオに活かせていないのか?と考えています。
ヒロインの性格付けは従順な娘から可愛らしい淫乱さん、勝気な元気少女まで結構バリエーションはあります。
年齢的にはローティーン中心(推定)で、帯に発育途中とあるようにお胸はツルペタ〜微乳まで広がりがありますのでヒンヌー原理主義者の貴兄は少し注意されたし。
ランドセルといったロリータの記号的な味付けは乏しいですが、成人男性との対比による小ささの強調とツルツルプニプニなスージーさんの描写があるため、ロリ色はそれなりに強め。
メイド服(←参照 正確にはウェイトレスの制服ですが 短編「喫茶店CaitSith」より)といった狙ったコスチュームもありますが、割合普段着(子供服)を着たままエッチに臨むケースが多く、少女性愛という禁忌の非日常性と衣装の日常性のギャップが生み出す背徳感はちょっとした良い味付けになっていました。多少安定性が増したかなと思わなくもないものの、作画力に関しては前単行本『少女の胸がふくらむ時』(ヒット出版社)から大きな進歩が認められないと個人的には思いました。
特に男性の描き方が非常に拙く(←参照 短編「私のお兄ちゃん」より)、いくら作中でティンコ以外に存在感が薄いとは言え、甘酸っぱい恋愛話にしてもインモラルな快楽譚にしても作品の魅力を削ってしまっている感があります。女の子達が表情変化も含めて活き活きとしている分、余計に男性のキャラがつまらなく見えてしまっているのは残念です。
割合サクサクとエロシーンへと導入されるため、分量的には十分確保されていると思います。
舌や手で丁寧に少女の肢体のあちこちを味わった後、ヒロインが自ら開く小さな花弁にティンコを挿入。抽挿を繰り返すうちに、淫蜜が卑猥な音を立て漏れ出すのはベタとは言え十分にエロチックです。
快楽に染まる嬌声と多少盲目的にも聞こえる愛の言葉を積み重ねて迎えるフィニッシュは最奥にがっつり中出しという安定設計で絵柄さえ合えば十分使える作品ではあります。
物凄くグッとくる煽情性を誇るコマもあれば(←参照 所謂“おねだり”の台詞もグー 短編「春に桜」より)、いまいち中途半端な構図のコマもあったりとエロ漫画としてのページ構成力には相変わらず不足がある印象。短編「女神降臨」において視点を引いた絵を見開きページで描いたのは、それまでの展開からして非常に上手いと思ったので、このセンスがあるなら今後もっと上手になると期待してはいるのですが。
大きな欠点こそ無いものの、4冊目にして伊佐美先生としてのオリジナリティーが大きく育ってきていないのは残念。というか、同様の感想を前単行本でも思った記憶があり、思い切った進歩とか変化を見せて頂きたいのが率直な感想です。
ふくらみかけの美少女達に翻弄されたい貴兄にはお勧めできますが、そういった方以外には強いアピールポイントがちょっと無いかなと思います。
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