楓牙『男の子女の子』
先週の狂乱家族日記とストライク・ウィッチーズは共に(お風呂的な意味で)サービス満点の回で管理人は狂喜乱舞。何を差し置いても、フランチェスカ(俺の嫁)のシャワーシーンが!シャワーシーンが!(大事なことなので2回言いました。
さて本日は、大分遅くなってしまいましたが、楓牙先生の『男の子女の子』(ティーアイネット)のへたレビューです。
少年少女の等身大の恋愛感情をじっくりとそして素朴に描いた優しいラブストーリーが味わえる作品です。
収録作は、ちょっと不思議ちゃんであり兄の彼女でもあった少女と交流を重ねるにつれ自分の中に芽生えた感情を持て余す少年を描く中編「Girl Friend」全3話(←参照 第1話より)、および互いに素直になれない少年と少女の小〜中学生にかけての淡いラブストーリーを描く3連作「Wink」「Wish」「Will」を収録。1話当りのページ数は24〜42P(平均36P)とティーアイネット系らしい大ボリューム。単行本を通してじっくりとシナリオを味わえるタイプの作品です。
3連作と中編「Girl Friend」はクロスオーバーしており、両作品の主人公の男子2名は友人という設定。また、作品で描かれる世界観は楓牙先生の他の単行本と共通していますが、ストーリーのつながりはほとんどないので今単行本から読んでも全く問題ありません。
作風的には、ラブ話のベースに笑えるコミカル要素を足したりゴリゴリの濃厚エッチを絡める作品が全盛期の昨今において、そういった派手な要素を欠く珍しいほど素朴でかつよい意味で青いラブストーリーが描かれます。
年相応に確立されている彼女たちなりの恋愛感情やそれに由来する行動に対し、異性に対する性欲や恋愛感情の確立が遅い少年達は得体のしれない感情に戸惑い、一歩引いてしまいます(←参照 少女が重ねた手を放してという意の少年のセリフ 「Wink」より)。そのすれ違いは、良くも悪くも非常にもどかしく、意思疎通の齟齬が生み出す男女両者の悲しみはじわりと読み手の心を刺激します。
少女マンガ系の「好き合っているはずなのになかなかスムーズ結ばれない」という描写が好きな方にはプラス評価、竹を割ったような快活で展開に勢いのあるラブストーリーをお求めの方にはマイナス評価となると思います。管理人はどっちも好きで良かったですが。
ただし、じっくりとページをかけて現実的故に地味な心理描写や二人の間の出来事を積み重ねていくことで、少しひねくれてはいますが大変気持ちの良いラストの説得力・読後の余韻の良さを高めています。
シリーズ3連作の間に中編「Girl Friend」3話を挿入するという構成になっていますが、これが3連作のシナリオ展開にちゃんと意味を持っているのは面白い所。
作品に登場するのはローティーンの少年少女で、その情動や興味といった精神的なものも体格や性器といった肉体的なものも年相応に描かれています。
作風には非常にマッチしていますが、分かり易い萌え要素とかエロ要素とかのない地味な漫画チック絵柄。
また、表情変化をかなり抑えており、感情の豊かさを思い切った描写では表現できていません。ただ、少しずつ変化する表情は、やはり徐々に変化する繊細な少年少女の心の動きを伝えていることは読めば分かると個人的には思います(←参照 いいシーンですなぁ 「Will」より)。全体的にページのコマ構成に魅力が乏しく、例えば日常性を持たせるために挿入する背景のコマや感情と関連させる細かい所作を描くコマを織り交ぜる手法自体は決して悪くないのですが、全体的に見た目の印象が硬い感じがしました。「Wish」の冒頭見開き2Pとかのコマ構成は構図的にも背景の丁寧な描き方も含めて素晴らしかったのですが。
ティーアイネットにしては珍しく、多いページ数のかなりの部分を等身大のドラマの描出に割いているためエロのボリューム感は強くはないです。
フィニッシュシーンすらエロ漫画的に派手な表現はほとんど無く(←参照 「Wish」より)、性行為は一種淡々と行われます。それ故に、制御の利かない性欲、行為への戸惑い、そして小さな恋心などそこに込められた様々な感情が画面から浮き上がっては来るのですが、がっつり抜きたいという貴兄にはかなり不服であろうとは思います。ちなみに多回戦の率が多く、中出しと外出しを両方実行してくれるのは個人的にはよいサービスですが、オーラスが外出しというケースも多く、ナカダシャーな貴兄にはこれまた不満かもしれません。
個人的には、抜き用のエロ本としてより、セックス描写が絶対に必要なエロ“漫画”として楽しめる方にお勧めしたい作品です。
また、少年時代の異性への判然としないもやもや感とかそれが解消される驚きや喜びを再び味わってみたい貴兄にもお勧めと思いますよ。
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