NO.ゴメス『ブルマー戦士ジャスティスブレイブ』
自分の鉢植え達は青々と茂っていて花の一つもありませんが、近所のお庭にある百日紅の大樹が見事に満開。青空と蝉時雨に映える夏らしい華やかさがある花ですなぁ。
さて本日は、NO.ゴメス先生の初単行本『ブルマー戦士ジャスティスブレイブ』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。
作劇とエロシチュエーションに物足りなさを感じますが、キルタイムらしいファンタジーエロが楽しめる作品集です。
収録作は、街の平和を守る正義のヒロインがその正体を不良たちに掴まれてエロい事を強要される中編タイトル作「ブルマー戦士ジャスティスブレイブ」全3話(←参照 第1話より)+おまけ漫画(2P)、および短編4作。1話・作当りのページ数は10〜28P(平均20P)と標準的。ただ、各作品においてシナリオとエロの力強さが欠けることに加え、収録本数の少なさのために単行本通しての満足感はやや不足という印象です。
シナリオに関しては、クールビューティーな女性賞金稼ぎや女剣士、キュートな変身美少女などが悪役に敗れ、性的な調教によって屈服させられてしまうという、キルタイム系作品では極々標準的なタイプ。
ラブアフェアのラの字も存在せず、中編作を除けばラストもヒロインが快楽の果てに精神崩壊という凌辱系の作品なので、恋愛スキーな貴兄は回避推奨です。ただ、凌辱系としての陰惨さや攻撃性はマイルドなので凌辱・鬼畜系が全く駄目という人以外には受け入れやすいと思われます。
広がりや深みがほぼ無いストーリー展開にはやや辟易ですが、この手の作品で割合ないがしろにされがちな戦闘少女達のバトルシーンをスピード感と適度なバイオレンスを以てしっかり描けているのは◎です(←参照 短編「凶弾」より)。ヒロインの気高さや強さがそういったシーンで表現されているからこそ、その強さ・美しさを壊したいという読み手の嗜虐欲を刺激してくれます。
しかし、そういったヒロインを屈従させる凌辱シーンの迫力やシチュエーションとしての扇情性は不足気味。基本的にかなり“マッハ堕ち”であり、容赦ない責めに必死に抵抗する美少女の心を徐々に徐々に崩していくという様子を期待するのもNGです。
ヒロインの立場の浮揚と急落という構成を明確にするには、もっと思い切って攻撃的で無残な凌辱劇とそれに精一杯抗うヒロイン達を描いて頂きたい所。
触手(←参照 なお、孕ませオチです 短編「凶弾」より)や輪姦、ふたなりレズ責めなど定番のマニアック要素を各種取り揃えているのは良いと思いますが、逆を言えばコレといった要素・シチュエーションに対する作家様のコダワリや思い入れがあまり感じられないのが残念です。強いて言えばおしっこ関係の描写・責めが豊富な気もしますが、特段熱意が感じ取れるわけではありません。あまり踏み込み過ぎても訴求層を狭めてしまいそうですが。
生まれて初めて書いた作品という最古作の短編「Devil Down」は(初めてにしては十分水準高いですが)描線が荒く絵柄に安定感を欠きましたが、近作の中編「ブルマー戦士ジャスティスブレイブ」を読む限り着実に作画が進歩してきている印象です。
描線が細くゴチャゴチャしていた絵柄がくっきりはっきりとしたラインで描く典型的なアニメ/エロゲー絵柄になっています。
中編「ブルマー戦士〜」が悪い意味で代表的でしたが、設定やヒロインのキャラクターがエロシチュエーションに巧く絡んでいません。
変身中はブルマが脱げないという面白設定が1〜2話では悪い方向に働き、十分な水準にある性器描写が激減という残念な展開。最終話でも何かよく分からん扱いです(←参照 伸びるブルマでオナニーという発想をどう見るべきか 「ブルマー戦士ジャスティスブレイブ」最終話より)。ただ、何のかんので「ブルマー戦士〜」の最終話はそれまでの微妙過ぎるエロ展開を払拭するかのような勢いがあって実用性は十分ありましたよ。
中途半端な液汁描写や垂れ流し気味の台詞回しの緩急の付け方は今後の課題という印象です。
せっかく割合自由度の高いキルタイム系アンソロで描いているのに、小さく収まろうとしてしまうのは勿体ないです。
まだ若い先生の様ですし、絵柄も安定してきているので、これからは先生なりのオリジナリティーを出そうとする意欲を見せて欲しいですし、それが出来る先生だと期待しております。
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