鬼窪浩久『白濁の闇』
最近週刊チャンピオンで連載が始まった釣り屋ナガレ(竹下けんじろう先生)がなかなか面白いです。釣りや調理に関してもしっかり調べているのがよく分かりますし。あと、性的な意味でけしからんシーンが多すぎです。けしからんのでもっとやって下さい。
さて本日は、大ベテラン鬼窪浩久先生の『白濁の闇』(エンジェル出版)のへたレビューです。時にはガチの陵辱劇が読みたくなるものなのです。
かつての劇画の潮流を受け継ぐスタイルで、バイオレンスの域に達する苛烈な陵辱劇が描かれる作品集です。
収録作は全て短編で9作。1作当りのページ数は20〜24P(平均21P弱)と標準的な分量です。
内容も絵柄もかなりアクの強いタイプなので読み心地はとてもヘビィですが、そこを楽しむのが陵辱モノの真価の一つかなと個人的には思います。
快楽優先主義的な色彩が強く攻撃性はやや控えめな短編「断たれた音」のような作品もありますが、その他の作品はヒロインに対する救済をほとんど許さない陰惨な凌辱劇が展開されます。
序盤〜中盤にかけてヒロインが男性を詰りながら責める作品がありますが(←参照 短編「囚われ」より)、これすらその後の立ち位置の逆転への布石に過ぎず、優位に立っていたはずの少女が逆に徹底的に嬲られる災悪の破壊力を高めています。心情描写を女性側のみに絞り、凌辱者である男性側の心理描写が皆無に近いことには賛否があるとは思いますが、それ故男性キャラの暴力装置としての役割がより浮き彫りにされ、作風にはよりマッチしていると思います。
また、凌辱する/されるの関係性を家族関係(特に姉と弟、または兄と妹)に絡めて描くことが多く、狂乱じみた性感という名の暴力が“家族”という信頼関係をドス黒く塗り潰していく終盤の展開は本作の目玉の一つ。
純愛スキーは勿論のこと、サクサク凌辱→ラストは明るくどんでん返し(はあと、といったライト凌辱をお求めの方も避けた方が無難でしょう。でも、ガチの鬼畜を愛好する貴兄にはむしろ好打球。
個人的には、失職したために支配欲を失った男性を奮い立たせるためにヒロインが敢えて男性を侮辱し、その獣性を呼び戻させる表題作の短編「白濁の闇」(←参照)が最愛。男女の支配/被支配の立場を数回反転させるベテランらしい老練なシナリオ展開、ヒロインのふとした表情で心情を語らせるコマ、そして少女の秘めたる被虐欲の業の深さを巧みに描出した手腕は流石の一言です。
何の罪もないのに兄妹愛をブチ壊される被害者が出るものの、マッチョなスポーツ少女と天然系少女との珍妙なコンビが最初から最後まで女々しい男性を支配した短編「Law-Life」の(今単行本内で見れば)変化球ぶりも面白かったですよ。
絵柄的にはデジタルツールの導入などもあり、多少現代チックにはなっていますが萌えとか繊細な色気とは無縁の劇画系タッチ(←参照 短編「白濁の闇」より)。短編「鎖の園」のみ慣れないデジタル作画に手間取ったのかやや絵柄がブレていますが、ベテラン故に基本的に絵柄の変遷は認められず表紙絵での判断で問題はありません。成人女性もエロに絡めてはきますが、どちらかというと補助要員的な感が強く、メインはミドル〜ハイティーンの少女が多い印象です。
あまり、極端に性的アピールを高めたキャラクターは存在せず、並〜巨乳で体型や性器の描写はリアル系です。
無慈悲な凌辱が与える痛覚とそれに由来する恐怖感、そして未知の快楽に理性と人の尊厳を踏みにじられるヒロイン達の表情の迫力は鬼窪先生のお家芸(←参照 短編「沈黙の代償」より)。目を反転させ、涙、涎、鼻水をだらしなく垂れ流す顔と獣じみた呻き声のコンビネーションが生み出す快楽の地獄絵図を(分別を持って楽しめる方のみ)大いに楽しんで下さい。
二穴刺しやリンカーンなぞ当たり前で、異物挿入やボテ腹ファックまで繰り出すエロシーンの異常な空気は魅力で、拘束用のギミックやチェーンピアスなどの支配を想起させるギミックの使い方もグー。控えめですが出血の描写があるなど痛々しいシーンもあるので凌辱・鬼畜エロ初心者にはあまりお勧め出来ない要因でもあります。
やや読むのが煩わしくなってしまっていますが、女性および人間としての尊厳を踏みにじりまくる男性側の台詞の攻撃性もエロシーンの倒錯性を高めています。
当然ラストはアニャルかオミャンコに容赦なく中出しで、ありえないアクメ顔をヒロインが無様に晒すこれまたカオティックなシーンとなっております。
万人受けどころか凌辱好きな方でも受け入れにくい要素が作画・作劇共に多いのは事実ではありますが、長く描き続けた先生だからこそ、その激烈な凌辱劇を作品として仕立て上げられているのもまた事実です。
「我こそは三次元での平和を愛する二次元ガチ凌辱愛好者だ!」という求道の士には是非チャレンジして頂きたい作品だと思います。
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