TANA『キミの瞳に欲情してる』
自己管理能力がない故に相変わらず時間が足りない日々ですが、今日だからこそ、こうの史代先生の『夕凪の街 桜の国』(双葉社)を読み直しました。絶望と希望が詰まった作品だなぁと読み返す度に思います。
さて本日は、TANA先生の初単行本『キミの瞳に欲情してる』(茜新社)のへたレビューです。なお、タイトルは“欲情”と書いて“コイ”と読みます。
全てがグチャグチャに乱れ、たっぷりの白濁液に塗れるエロシーンのテンションの高さとラブラブ日常シーンの落差が面白い作品集です。
収録作は、清楚そうな外面の内に滾る性欲を秘める美人生徒会長と彼女に想いを寄せるチビ男子の特濃H&青春ラブストーリーな表題作「キミの瞳に欲情してる」全4話(←参照 結ばれる二人 第1話より)+描き下ろしカラー短編第0話(4P)、および短編4作+イラスト付きエロ小説1作。これにアンリアル等に描いた美麗なカラーイラストを集めたカラーイラスト集(12P)も付いておりサービス満点。
フルカラー短編を除き、1作当りのページ数は16〜40P(平均24P弱)と、「キミの瞳に欲情してる」最終話の40P大ボリュームを除けば標準的なボリューム感です。エロの読み応えに限ればかなりヘビィですよ。
作風的には好き合う男女の甘いラブ話であって、殊更にシリアスさを煽りたてることもなく、時々コミカルさも認められる明るいタイプのものです。
古めの短編「ふうふのヒケツ」「ごほうびください」においても、大量の液汁をページ一面に降り注がせる激しく濃いエロシーンとカップルさん達のラブラブぶりを素敵に描くという構成は一貫しています。
表題作「キミの瞳に欲情してる」はその両者のギャップがもっとも色濃く出ている作品です。
ヒロインと主人公君が互いに互いを対象とした狂気じみた妄想は、彼らが秘めたリビドーの猛々しさ・ピュアな異常性を強烈に魅せつけます(←参照 ヒロイン自身の妄想 「キミの瞳に欲情してる」最終話より)。精液便所として全校生徒から嬲り/嬲られる妄想、男の精を貪るヒロインの妄想を、実は互いに抱いていたことを打ち明け合い、それ故に許容し合える喜びが互いの心を結ぶシナリオの流れは、ベタとはいえ過激な妄想との急激な落差のためにある程度力強さを獲得しています。
肉体的および精神的な恥部をたがいに受け止めた二人のセックスは後述するように性の狂宴の有様を呈しますが、純然たる倒錯的快楽の塊だった妄想と異なり、心と体が結ばれる多幸感に満ちています。
前述の様に、他の短編も同様の作風ですが、唯一初出がコミックアンリアルの短編「世界にない場所」は今単行本においては異質の1作。
異形の怪物に拉致されたお姫様が触手による凌辱の果てにフタナリ化+淫欲の虜に堕落と、恋愛要素なんぞコレぽっちもない触手調教劇です(←参照 短編「世界にない場所」より)。キルタイムの単行本に掲載されていれば極々普通の触手モノなのですが、今単行本の表紙や他の収録作に惹かれて購入した方は引いてしまうかもしれませんのでご注意を。
最古作の短編「らぶ・フレグランス」こそ、太く荒い描線が悪い意味でゴチャゴチャしていましたが、近作では繊細な細いラインをタイトに描き込みながら洗練さを失わない描画が典型的なアニメ/エロゲー絵柄と融合しています。なお、カラー絵の上手さは一見の価値アリ。
基本たっぷりおっぱいを標準装備のスレンダー美女さん達が見せる喜怒哀楽の表情変化も大変素敵です。
そのような絵による表現の巧さがあるのに、心情描写を台詞に頼り過ぎ、リズム感の弱い長台詞がずるずる続く台詞回しのセンスの乏しいは改善の余地アリかというのが個人的な印象です。
繰り返しになりますが、ナイスバディのヒロインと繰り広げる責めたり責められたりなエロシーンは濃い口でかつボリューム感もたっぷり。
何発も放出される大量の白濁液がヒロインの体や各穴に放出される様はとても過激でエロチック。
白痴じみた嬌声と卑語が主体のハイテンションな台詞の吹き出しが各コマを埋める構成も、激しい行為の倒錯性を存分に引き出しており高評価です。
ヒロインが男を責める時の挑発的な瞳や、性感に惚けきっただらしのない表情も(←参照 「キミの瞳に欲情してる」第3話より)なかなかそそります。過剰とも言える液汁描写と併せて、この辺りはゲストページに寄稿されているエレクトさわる先生の影響を感じさせます。エロシーン中盤ではぶっかけもありますが、ラストは大量のこくまろチンポみるくを前に後ろに勢いよく注入しますので中出し原理主義の貴兄も一安心。
エロシーンと恋愛描写の作風の大きなギャップは今単行本の魅力の要であるのは間違いないですが、人によってはチグハグな印象を受ける可能性もあることには留意が必要です。
個人的には変態性欲にどっぷりハマってしまった旦那大好き若奥様がキュートな短編「ふうふのヒケツ」が一番のお気に入りです。
コメント
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匿名の方、初めまして。
丁寧で分かり易いご指摘ありがとうございます。
僕もエレクトさわる先生もTANA先生も大好きなのですが、同人誌関係は全く明るくないものでそのような背景があったとは全然知りませんでした。
推測とは言え、適当なことを書いてしまって本当に面目ありません。
当ブログを楽しんで頂けているというコメントが何よりも救いでしたが、今後もしっかり勉強してより良いレビューが書けるよう努力したいと思っています。
思ってるだけで進歩がないのが悲しい所なのですが・・・
ともかう、重ねてご指摘に御礼申し上げます。
丁寧で分かり易いご指摘ありがとうございます。
僕もエレクトさわる先生もTANA先生も大好きなのですが、同人誌関係は全く明るくないものでそのような背景があったとは全然知りませんでした。
推測とは言え、適当なことを書いてしまって本当に面目ありません。
当ブログを楽しんで頂けているというコメントが何よりも救いでしたが、今後もしっかり勉強してより良いレビューが書けるよう努力したいと思っています。
思ってるだけで進歩がないのが悲しい所なのですが・・・
ともかう、重ねてご指摘に御礼申し上げます。
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私はエレさわ先生とTANA先生は同人作品から好きだったのですが、調べましたところエレさわ先生は2002年から、TANA先生が我流痴帯として活動し始めたのは2001年からのようでほぼ同時期かと思います。同人作品から画風は変わっていないようですし、お互いに単行本の巻末に寄稿しているので同人時代からのご友人なのではないでしょうか。
これは私の予想に過ぎませんし、調べも間違いであるかもしれませんが、一応知っておきたかったので。
それと私はこのサイトを楽しませていただいておりますし、コレも間違いの指摘というより、もしへどばんさんがご興味あればお二人の同人作品をお調べになってくれたら嬉しいかと。
最後に、私はエレさわ先生もTANA先生も大好きです!
長文失礼いたしましたm(_ _)m