天誅丸『夜艶淫女 SplitGirl』
『百舌谷さん逆襲する』のおでこ委員長こと、千鶴ちゃんは反則的に可愛いですなぁ。まぁ、彼女が読み手にとって都合のいいツンデレ故なのかもしれませんが。
本日は、天誅丸先生の『夜艶淫女 SplitGirl』(富士美出版)のへたレビューです。今作が続きものへの初チャレンジだそうです。
残念ながら作劇・作画共に力不足ではあるものの、爆乳ヒロインとのエッチの単体だけとれば悪くはないという感じです。
収録作は、隣室に越してきたヒロインまひるちゃん(←参照 第1話より)に告白されるのも彼女には主人公を嫌うもう一つの人格(よみちゃん)があり、おまけに別のガールフレンドも現れて〜な長編「SplitGirl」全11話+番外編。第10話(20P)を除き、各話は全て16Pでそれぞれのボリューム感は弱いですが、全体を通せば十分な分量。
ただ、やや冗長な印象があるのと、話が細切れになっている印象が強いのがネックになっています。
話作り的には、オーソドックスながら力強いストーリーラインであり、ヒロインが過去の不幸を乗り越えて前向きに前向きに生きようとする様はなかなか魅力的。
二重人格を含め全ての困難の元凶となった兄の歪んだ愛情を振り切って、ヒロインが己の生への決意を口にするシーンはパワフルで実に心地よいです(←参照 「SplitGirl」第10話より)。しかしながら、序盤こそ主人公に真逆の言葉を投げかける二つの人格を持つヒロインというキャラ造形、およびライバルヒロインの登場によって物語に読み手を引きつけましたが、中盤〜終盤のシナリオ展開はかなり面白みに欠けていました。
中盤の間延びした印象に加え、ヒロインを含めて各キャラクターの掘り下げが不足していることもあり、終盤でのドラマの盛り上がりが弱まってしまったのは残念。
物語のバックグラウンドにある過去の登場人物達の関係(←参照 主人公とヒロインの出会い 「SplitGirl」第4話より)をよりシナリオに絡めれば物語に厚みがでて結構面白くなりそうなんですが。大人しい性格ながら芯の強さがあるまひるの人格と、強気な態度と強い疎外感を抱えるよみの人格が好対照だったヒロインのキャラ付けは悪くなかったですが、主人公がティンコ以外に存在感がほとんどない類のキャラクターなのが残念。
また、時々思い切って絵柄を崩したり、頬をぷっくり膨らませたりする表情は可愛らしいですが、全体的に心の移ろいを表情で映し出す手腕には欠けているかなぁと感じました。
ただ、嫉妬の裏返しでよみちゃんが主人公の友人たちと明るく大乱交な第7話(←参照 この後違う液体まみれになります(笑))や夢の中でまひるちゃん&サブヒロインと楽しく3Pな第4話のエロシーンなどは、シナリオの本筋から浮いてしまってはいますが、実用的には結構魅力アリ。細い体幹に特大サイズの爆乳が装備された肢体は見た目の迫力優先でデッサン的に不安が残りますが、エロシーンでのアピール力は十分にあります。
現在のエロ漫画業界においては平均以下の水準と言える性器描写の弱さや、体の動き・絡み合いに激しさや艶めかしさが欠けているなどエロシーン全体の魅力に不足は感じます。
連続フィルムのように同じサイズのコマを用いて注挿の動きを再現しようとする手法を多用しますが、現在の作画力・シーン構成力では効果的に使えていません。
爆乳さんと明るめの和姦(強要系もありますが)をどうしても楽しみたいんのだ!という貴兄は購入して損は全然しませんが、他にもっと上手い作家様は沢山いらっしゃるのも事実です。
同じ160P前後の長編を描くにあたって、16P×10話と24P×7話ではドラマの盛り上がりやエロのボリューム感は大きく異なります。個人的な好みとしては、後者の方が好きなわけなんですが…。
今単行本では、キャラクターやシナリオの骨子、猥雑感のあるエロ絵全てが決して悪くなかったのですが、作品としての細切れ感にかなりスポイルされてしまったかなぁという印象です。
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