内々けやき『乳よ母よ妹よ!!』
早売りで篠房六郎先生の『百舌谷さん逆上する』1巻(講談社)をゲットしましたが、相変わらず篠房先生の鬼才っぷりを魅せ付けられました。未だ『ナツノクモ』(小学館)は描ききって欲しかったなぁと嘆いております。
さて本日は、内々けやき先生の『乳よ母よ妹よ!!』(富士美出版)のへたレビューです。最近良作ラッシュですが、この作品も今年度屈指の名作と感じます。
年齢や性別を問わずとても魅力的に描かれる登場人物たちと、これまた素敵に描かれる彼ら彼女らの純粋でエッチな恋模様が存分に堪能できる作品集でした。
収録作は、ピアノ奏者としての進路について父親と衝突し家出した女生徒(←参照 第1話より)と同級生の青年とのピュアでハートウォームな肉体関係を描いた中編「君が僕を知っている」全3話、および短編7作となっています。1作当りのページ数は中編各話が20P、各短編が16Pと標準〜少なめ。しかしながら、表現力豊かな作画とネームセンスが構築する小規模ながらも実に密なドラマの味わいは1級品で読み応えは十二分にあります。
なお、タイトルは仮面ライダーV3との語呂合わせであり、妹は一人たりとも登場しませんのでそこだけはご注意。
単行本を通して、シナリオ展開にもキャラ造形にも華やかさや特殊性はなく、かなり地味でかつ素直な印象が強いです。
しかし、キャラクターやそのドラマが派手さや分かり易い萌え要素を欠いているが故に、等身大に描かれた男女の喜怒哀楽の感情も、真っ直ぐな恋心も、嫌みの欠片もない性欲も全てダイレクトに伝わってきます。
適度にディフォルメ要素を絡めつつも芯のしっかりした絵柄を崩さずに、眼鼻口を含めた顔全体で心の動きや圧倒的な性感を表現する技術力、およびリズミカルな人物同士の会話と万感の思いを乗せたショートフレーズを場面に応じて使い分けるネームセンスの良さが作品をグッと魅力的に仕上げています。
その技巧が最も光り輝いているのが、力強く感動的でさえある告白シーン(←参照 なんて素敵なシーンでしょう 短編「ボーイ・ミーツ・ガール」より)。ここにピンと来たら、是非に購入をお勧めしますよ!また、この告白シーンに限らず、無邪気な少年、お馬鹿な青年、そして明日への希望を絶えず抱き愚直に生きる青年など多種多様の男性を確固とした個性を持つ存在として描けているのが個人的には高評価です。
各短編のほとんどはギャグ落ちであり、落ち着きのあるコミカルさと素敵な恋愛ミニドラマが合わさった作風との齟齬はありませんが、「無理やりギャグ落ちにせんでも…」とはちょっと思いました。
作品としての余韻のよさを取るか、コミカルな締めによる軽妙な読後感を取るかで評価が分かれそうですが、現時点ではどちらにもチャレンジして欲しい先生です。
ただ、完全にノックアウトされたのが中編「君が僕を知っている」のラストです。この中編には劇的なシナリオ展開も濃密な心理描写もありません。普通の男女が普通に経験する様な青春の悩みや葛藤、そしてありふれた恋愛や希望が描かれます。
だからこそ、そんな男女が等身大の恋心がもたらす活力で等身大の困難を力強く乗り越えて行く様が、僕はただただ愛おしくて堪らないのです。
その青春物語のラストは素直で、爽やかでそしてとても力強く、素晴らしい余韻を残してくれました(←参照 「君が僕を知っている」第3話より)。もう、僕はうれし涙で号泣ですよ。ヒロイン陣はハイティーン少女からママンまで幅広め。適度にお嬢様とかメガネっ娘とかおっとりママンとか適度なエロ漫画的味付けはされていますが、上述のとおり割合に地味なヒロインさんが多いです、でもそこがいいんですよー。
体型的には、むっちりまではいかないものの、しっかりとした骨格・筋肉に適量の脂肪が添加された大人のボディ。よってロリ娘さんを期待する貴兄は回避推奨です。
並乳〜巨乳のヒロインのおぱーいのボリューム感が非常に魅力的ですが、ページ数の制限もあり、適度に激しく揺れる以外はあまりエロに直接貢献していないのはかなり残念です。
性器や舌の局所描写の水準も高く、リアル寄り(陰毛描写アリ)ながら過剰な生々しさのないエロ漫画的なバランス感覚のよさが感じられます。
性行為の情緒や男女の体温をしっかり描く故に独特の落ち着きがあり、体全体の激しい動きをダイナミックに描く部分(←参照 短編「ボーイ・ミーツ・ガール」より)との緩急の対比が非常によく、そして思いが伝わるからこそ激しい行為のシーンで存分に抜けます。安易な大ゴマ連発や性器どアップに頼らないエロシーンの展開力も素晴らしいです。
外出しがあったりちゃんとゴムを付けていたりと生中出し原理主義者の貴兄にはお勧めできない要素があることと、射精の爽快感が作品間で大分違うのでフィニッシュシーンの魅力の安定性がもう少し欲しい所です。
エロ漫画としてのセンスの良さが非常に魅力な作品集であり、管理人はかなりお勧めです。
短編でもう少しページ数を確保し、ドラマ展開を磨けばさらに化ける可能性が濃厚な作家様だと思います。僕はこの作品に出合えて本当に幸せです。
6/25付記:タイトル元ネタを某ガンダムと誤記していたのを仮面ライダーV3に修正
コメント
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ishi40様、初めまして。
おっしゃる通り、元ネタは仮面ライダーV3の歌の歌詞と思われます。
何でガンダムと間違えてしまったのか皆目分かりませんが、穴があったら入りたい程恥ずかしいです。
ご指摘感謝です。あと、仮面ライダーファンの方でしたら本当に申し訳ありませんでした。
謹んで訂正させて頂きます。
また、レビュアーとして、本筋とは関係ないといえ、裏付けなく適当なことを書いてしまったことを深くお詫び申し上げます。すいませんでした。
おっしゃる通り、元ネタは仮面ライダーV3の歌の歌詞と思われます。
何でガンダムと間違えてしまったのか皆目分かりませんが、穴があったら入りたい程恥ずかしいです。
ご指摘感謝です。あと、仮面ライダーファンの方でしたら本当に申し訳ありませんでした。
謹んで訂正させて頂きます。
また、レビュアーとして、本筋とは関係ないといえ、裏付けなく適当なことを書いてしまったことを深くお詫び申し上げます。すいませんでした。
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ああ、そんなに恐縮なさらなくても。
こちらこそ愛想無しのコメントで失礼しました。
ここのレビューは毎回楽しませてもらっていますので今後も頑張ってください。
こちらこそ愛想無しのコメントで失礼しました。
ここのレビューは毎回楽しませてもらっていますので今後も頑張ってください。
No title
温かいお言葉痛み入ります。
基本的に抜作な人間なもので、ミスが多くて反省しきりです。
これからもよろしくお付き合い下さい。
基本的に抜作な人間なもので、ミスが多くて反省しきりです。
これからもよろしくお付き合い下さい。
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「仮面ライダーV3」だと思います。