かがみふみを『おんなのこ ふたたび』
紫陽花と薔薇の季節になりました。雨に濡れながらも生命力に満ちた色彩を見せてくれる花々ですなぁ。共に様々な品種がある花なので公園で品種名を覚えたりするのは楽しいです。
本日は、かがみふみを先生の『おんなのこ ふたたび』(宙出版)のへたレビュー。絶版状態の『おんなのこ』(平和出版)の復刊+3本収録の形式となっています。
互いに好き合う男性と可愛らしい少女の姿に心が温まる作品でした。
収録作は、男性とわかばちゃんのイチャイチャラブ話「わかば」2話(←参照 恋人の心臓の音について ああもう! 第1話より)、男性とユカちゃんのイチャイチャラブ話「Song」2話、他短編9作となっています。1作当りのページ数は4〜16Pで、ほとんどの短編は16P作品です。優しく温かい幸せ空間に没入できますが、各話の読み応えは軽いのは事実です。
シリアスな要素を含む短編もありますが(後述)、可愛らしく描かれたローティーンと思しき少女と男性がイチャイチャする平凡な日々と、その延長線上にある愛の交わりが描かれます。
描かれるのはあくまで二人の幸福な日常であり、シナリオとしての盛り上がりはありません。しかし、それゆえに劇終の後も彼ら彼女らの幸せが末永く続いていくことを想起させ、微笑ましい二人の姿が一層魅力的に見えてきます。
共に相手を思い合い、共に気持ちよくなろうとするセックスで結ばれる二人の姿からは、優しい”性と生の讃歌”が聞こえてきます(←参照 マッサージの話なんですけど ああもう! 短編「チェリー」より)。黄色い楕円マーク付きとはいえ、愛撫止まりで性器結合に至らなかったりオナヌーの話だけだったりしますが、互いに好き合いながら性感を幸福そうに味わう登場人物の姿は本当に愛おしいのです。
そのほんわかした雰囲気をキープしつつも、過去の幼いゆえの性の過ちを絡めて描く「echo」、失恋と失職に心を荒ませる男性がかつての同級生に出合って〜な「short hope」はシリアスな要素を多少含む内容です。
他の短編と共通して流れる優しい雰囲気が確固としてある分、ピリリと辛いシリアス要素がよく引き立っている作品です。
特に作品タイトル、内容や登場人物のキャラ造形、そしてショッポ(short hopeの俗称)のイメージが巧く絡め合わされた短編「short hope」は傑作。
作品の端々から、おそらく男以上に辛い人生を歩んできたであろうと分かるヒロイン薬師寺さんが、それでも生来の明るさを失わずに見せる慈愛と希望に満ちた笑顔が大変素晴らしい(←参照 欠けた歯がチャーミング 短編「short hope」より)。物語のラストでぼろぼろになりながらも明日への希望を取り戻した男が燻らせるのは、マイセンでもマルボロでも当然ラッキーストライクでもなく、まさにショッポでなければならんのです。
完全無欠なハッピーエンドではないものの、余韻の素晴らしい作品でした。
上述の通り非ロリのヒロインもいますが、基本凹凸の少ないのっぺりしたボディに薄いお胸とツルツルかうっすら陰毛のスージーさんを装備した魅惑のロリぷに少女が可愛らしく描かれております。
なお、復刊部分にあたる作品群と追加収録された連作「チョコレート」「マシュマロ」、および描き下ろし短編「プールサイド」(←参照 最新の絵柄)の3パートで絵柄は大きく変遷していますので気になる人は一応留意されたし。また、上述のように”本番”に至らないシーンがあったりとエロのボリューム感や読み手を圧倒するエロスや背徳感はほとんどありません。
多くのエロ漫画作品で抜き所とされるフィニッシュシーンですら、大変気持ちよさそうに描かれてはいますが、中出しをバッチリ決める爽快感や征服感はほとんど感じられず、まるで幸せな性行為の終了を惜しむかのように控え目に描かれています。
顔を紅潮させ、秘所を淫液にしとどに濡らす少女の肢体はエロチックではありますが、抜き物件としてのロリエロ作品をお求めなら他に良作が沢山あるのは事実です。
ただし、二人の恋しあう気持ちがよく伝わってくる作品ですので、絵としての表現だけでなく(アリス缶詰賢兄の言葉を借りるならば)”思いで抜く”方にはかなり抜き物件としてお勧めできます。なお、管理人も美味しくごはんを食べさせて頂きました(爆。
シナリオもエロも派手さや重さを排したのんびりとした温かい作風が感じられました。帯の通り「ああもう!」と何度も思わせてくれ、単なる羨望以上に読み手の”良き心”を刺激してくれる作品だなと感じました。
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