しまたか『挿入ガール』
公園にて柘榴の花が開いていました。濃くなっていく緑と鮮烈なオレンジ色の対比が素晴しかったです。梅雨入りで天気がよろしくないですが、雨の中の花もまたオツなものです。
今日は、しまたか先生の『挿入ガール』(モエールパブリッシング)のへたレビューです。あんまり”萌え”って感じの作品ではないですが。
リアル系の絵柄で描かれる少女達と和姦にしろ強姦にしろ激しい”肉の交わり”が描かれている作品集でした。
収録作は全て短編で10作。1作当りのページ数は16〜20Pで、平均19P弱。性欲に爛れた雰囲気とコッテリ気味のエロシーンを持つ作品なので、ページ数以上に読み応えはあります。
ただし、あまりシナリオの読み応えを期待するのは避けるべきだと思います。
少女に詰られ性的な意味で絞られる倒錯的な短編(←参照 CVはご自由にどうぞ 短編「捻転」より)、罪のない少女を無残に凌辱する短編(「邪な館」「害毒」など)、はたまた恋しあうカップルのラブラブHと様々な作風が入り乱れています。導入がどうであれ、ロー〜ミドルティーン中心(推定)の少女たちは性行為の快感を存分に味わい、作風には快楽優先の傾向はあります。
ただし、シナリオ面で締めるべき所はきっちり締めている印象はあります。
ラブラブ系の作品ならば、好き合う男女の愛の言葉や、歓喜と羞恥に頬を染める女性の表情をしっかり挿入し、暖かい雰囲気を確保しています。
ただし、4作ほどある凌辱系の作品でも”しっかり”と凌辱行為に付きまとう陰湿さや悲惨さを描きだしているため苦手な方は注意が必要です。
女の子が快楽に溺れてしまって〜というラストの「邪な館」「クロス×ポイント」はともかく、「連鎖」「害毒」のラストの心理負荷は結構キツメ。
特に「連鎖」(←参照 脅迫される少女が描かれる)のラストは少女を襲う痛烈な嫌悪感と後悔が表現され、1P前までの快感を”感じてしまった”セックスとの対比も相まって後味は大変悪いので鬱展開に耐性のない人は回避がお勧め。個人的には、少女に残されたトラウマさえ浮き彫りにするようなこの強烈な印象こそが好きなんですけど。上述のように、登場するヒロインが全て2次性徴期真っ只中の少女たち。性格付けは様々なのですが、黒髪ロング(or黒髪ツインテール)と膨らみかけの胸というキャラデザ一本槍であり、外見のバリエーションは乏しい印象はあります。
ぱっちり開いた大きな瞳の顔で多少キャッチーさはあるものの、頭身高めで結構リアル寄りの肢体描写です。柔らかい皮膚の下で動く筋肉や骨格(特に肋骨や骨盤で顕著)の堅めの質感とシズル感に満ちた蠢く柔肌の質感が同時に味わえる作画(←参照 短編「害毒」より)は個人的には好きですが、ある意味生々しさが過剰気味でもあるので人によってかなり賛否は分かれるとは思います。なお、凌辱系作品では男性を読み手に実に嫌悪感を湧かせるように描けていますので、この良し悪しもご自分の好みで判断して下さい。
エロ行為の序盤こそ作風によってヒロインの感じ方の違いはありますが、終盤ではほぼ必ず未曾有の快楽に溺れていきます。
ほとんど台詞らしい台詞が無くなり、目の端に涙の玉を溜めながら紅潮した表情で嬌声を撒き散らすエロシーンの実用性は十分にあります(←参照 全作品共通の涙の表現が特徴的 短編「イッてる妹」より)。性器結合の直接的な煽情性も十分にありますが、美醜を併せ持つ肉の塊同士がぶつかり合う様な有機的で激しいセックスが描かれます。この肉感的な表現も好き嫌い別れそうというのは率直な感想。(やっぱり僕は好きですが、というかあんまり嫌いなジャンルがないんです(汗))
普通の四角いコマを多用しこれといって特徴的な構図やコマ割りはないのですが、にもかかわらず性行為の一連の流れの見せ方が非常に巧いと感じました。
多少のデッサンの乱れを恐れない勢いのある構図・作画や、表情および性器結合のアップと少女の肢体の全体的な描写の組み合わせはコマの追いやすさをスポイルせずにしっかりと読み手の性欲を盛り上げてくれます。
大ゴマや見開きを思い切りよく使って描くフィニッシュシーンは、同じく性感の頂点に上り詰めた少女の中にばっちり中出しを決め、独特の爽快感や美しさが感じ取れます。
絵柄にしても作劇にしても”万人受けする”とはかなり言い難いのは確かですが、この独特の(個人的には背徳的といっても良いかと)少女の生々しさを味わってみたい方にお勧めです。
僕は存分に楽しませて頂きましたので次回作にも期待です。
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