勇『時間外禁務』
島本和彦先生の『新吼えろペン』10巻(小学館)を読みましたが、最近何のマンガなのか分からなくなってきました、いい意味で。「核武装」と「描く武装」の洒落がやりたかっただけなんじゃ…。
遅延レビューとなりますが、勇先生の『時間外禁務』(ティーアイネット)のへたレビューです。
作画・シナリオ共にネオ劇画系作品の定番であり、その手の作品が好きな人は安心して読めるであろう作品集です。
収録作は、有能な女性課長(←参照 第1話より)と部下の男性との関係を軸に同僚のOL達や新人男性が繰り広げる(性的な意味で)過激なオフィスラブを描く「秘蝶聖域」全5話+短編3作となっています。1作当りのページ数は24〜28Pで平均すると25P強となっています。濃いめのエロと読み手の心を少しハラハラさせる展開のため、読み応えは十分にあります。
各短編では、女性が羞恥心に躊躇いつつも年下男性の性的欲求に体を開いて…という和姦系のネオ劇画ではテンプレートな展開であり、やや安直な印象はあります。ただ、地に足のついた展開であり、貞淑そうなヒロインが何のかんのと性の快楽に捕らわれてゆく様はなかなか読ませます。
中編「秘蝶聖域」では、H大好きな淫乱OLさん達や(←参照 第1話より)泣き虫な未通女さんなど男女合わせて計8人をもエロとストーリーに絡めつつ、主役の女課長と男性が結ばれる劇終へとスムーズにつながっていく展開の構成力は悪くないです。エロ漫画のお約束とはいえ、男性は課長さん以外に3名(内二人は双子)と関係を持ちながら、その女性3人も含めた職場全員が思いのすれ違う二人を結び付けようと一致団結して行動するラストは、濃いめの絵柄と反して意外なほどの爽快さがあります(まぁ、エロオチではあるのですけど)。
また、女性課長が部下の男性のモテ振りに逐一嫉妬する様子は彼女の年齢や真面目ぶりとのギャップでなかなか可愛らしかったです。
エロには絡まないものの、彼ら彼女らの上司である部長さんの部下思いなキャラクターもいい味になっていました。
微ダーク系の義母相姦モノ短編「過庭」を除けば、上述の「秘蝶聖域」と同様、性の快楽万歳!心身共に結ばれた男女はハッピー!という明るいラストです。
ヒロインはOLさんや義母、女性教師など基本的に成人女性であり、年齢層は高め。また、バリバリな痴女さんか貞淑な外見の内に滾る情欲を隠すタイプの女性という劇画系では定番のキャラ設計です。
ただ、短編「性触者」(このタイトルの古臭いセンスがにくい)に登場の女教師さんは、真面目な世話焼きさんだがエッチでは初々しく〜というなかなかキャッチーな性格付けで、この手のキャラクターの割合を増やしても結構好評なのでは?と感じました(←参照)。巨乳・むっちり太ももというナイスバディさん達ですが、基本的にリアル志向で頭身高め。表紙絵で判断して頂ければ大丈夫です。萌えとかロリとかの成分はほとんどないため、萌え萌え美少女を愛する貴兄にはほとんどお勧めできないのでご注意ください。
性器表現や、やや独特な乳首の描写などの局所描写もリアル系で、それらと絡めて丁寧に描かれた液汁と併せてエロシーンの淫猥さを存分に高めていました。男女の絡み合う体から立ち上る熱気と臭いが紙面から漏れ出るような迫力があり、Mujinのお家芸であるネオ劇画の面目躍如。
特記したいのは着衣エッチへのこだわりです。全作品において行為中に全裸になることはほぼありません。
火照る肌から発せられる熱と淫らな香りを着衣が含んで徐々に立ち昇らすかのような描写や、ストッキングや下着を男女の淫液が濡らしていく様は実にエロチックです(←参照 短編「過庭」より)。特にむっちりした太ももとガーターやストッキングなどとの組み合わせは◎。
人数が多くなったり、引いた視点でのコマになると途端に絵がガタつく作画力が前単行本からあまり向上していないのですが、その点を除けば王道のネオ劇画系エロです。
絵柄さえ合えば実用性は十分高いので、抜き物件としてお勧めできます。
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