かかし朝浩『全裸の王女』
さて、司書房様ありがとう企画を10月中にやろうと色々と本棚と段ボールを漁っている訳ですが、どれにしたもんか悩むのも楽しいです。色々な先生が活躍された出版社さんですからなぁ。何で亡くなっちゃったかなぁ・・。
というわけで第1弾は、かかし朝浩先生の『全裸の王女』(司書房)のへたレビューです。司では4冊程度エロ漫画を出されていました。
エッチに対して貪欲なヒロインさん達が勢いよく暴れまわる痛快なコメディと隠し味的に添加されたラブ成分がとても楽しめる作品ですよ。
収録作は、冴えない男子受験生の隣にセックス先進国(笑)のお姫様が引っ越してきて始まるハチャメチャなエロコメディ長編「全裸の王女」全8話(←参照 女王様とペット 第1話「TRIP DEVIL」より)、および短編2作。1話・作当りのページ数は全て16Pで平均以下のボリューム。たっぷりとしたエロシーンを望むのは無理ですが、歯切れの良いコメディと勢いのあるエロシーンをサクサクと楽しむにはむしろ好適なページ数とも言えるでしょう。
タイトル長編の「全裸の王女」(なお、“はだかのおうじょ”と読みます)は物語冒頭で登場する淫乱&我儘プリンセスを筆頭に、その従者たちや王位継承権を争う姉妹たちなど、一クセも二クセもある登場人物たちが愉快に暴れまわるエロコメ作品。
基本的にユニークな登場人物がエロもシナリオも勢いよく駆動するタイプであり、話が進むにつれドンドン新しいキャラ(←参照 近衛隊長の褐色肌さんとお付きのエロメイドさん 第5話「VERSUS」より)を登場させる物語展開は、話の風呂敷を気持ちよく広げていくことにつながっており、続きへの期待感で読みながらワクワクさせてくれます。物語のプロットをごく簡単に総括すると、唐突な出会い→エッチでドタバタな日々→ヒロインのピンチ(別離の危機)→ハッピーエンドという、まぁ月並みな展開なのですが、そのシナリオを牽引する登場人物が自分自身が幸せになろうとする人間臭さとそれ故に虚実も嫌味も欠片もない忠義や恋心を持っているため、この大バカドラマには凡庸さを決して感じさせない力強さが確固として存在します。
序〜中盤で主人公とプリンセスは主従の関係として享楽的なセックスを楽しんでいるだけと思わせて、実は互いにしっかりと信頼関係が結ばれていたことが明らかになる終盤の展開は○。ラスト前での主人公鉄太郎の男らしい堂々とした告白も◎。
何より、その小さな体の中に後ろ暗さ皆無の滾る性欲と意外に真っ直ぐな乙女チックな恋心をはち切れんばかりに抱いているプリンセスネヴィが僕は本当に本当に大好きです。
ケチを付けるならヒロインと正反対のキャラ設計を与えられた鉄太郎の幼馴染、聖歌さんは腹黒そうな一面が面白そうだった分、本筋にほとんど絡まなかったのは残念です。
プリンセスの時代がかった口調(←参照 チャイナ服がお似合い 第5話「VERSUS」より)、何故か屋敷内にある謎の酒船石や百連姦と書いて“ファランクス”と読ませる歴史ネタ(とイデオンネタ)を度々投入します。精気に満ちたヒロイン達の活躍ぶりといい、ハチャメチャ具合を最終的にはハートウォームにまとめあげる手腕といい、『暴れん坊小納言』(ワニブックス)のスタイルは既に10年前に固まっていたんだなぁとしみじみ思います。
余談ですが、おそらく近衛隊長ナジールさんの名前の元ネタと思われるベーナジール・ブットー元パキスタン首相が暗殺されるとは当時は露とも思ってなかったんだろうなぁと。時の流れは速いものです。
なお、短編「COMIC PetGirls」は脳味噌お花畑な女性編集見習いが鬼畜なエロ漫画家(美少年)である“じゃみんぐ”ことレミング先生の所に原稿を取りに行く大バカのみで固めたエロコメディ(名前だけですが高岡基文先生とLAZYCLUB先生も登場)。
短編「タナボタ!」は題名通りの棚ボタ展開と見せかけて、冴えないおっさんサラリーマンと若さ故の青春と性春を謳歌する女子高生の行きずりエッチから始まる恋の予感を描くラブ&ピース系と、長編作の2要素を分割したかのような短編2作になっています。
快楽的な乱交や拘束しての凌辱、互いの率直な欲望をぶつけ合う快楽的な純愛エッチとエロの方向性は様々ながらどのタイプも方向性に見合った味付けができているのは好印象。
ネヴィ姫の肉食獣じみた攻撃的なエロ表情が凄まじく痛快であり(←参照 99人斬り達成 第7話「HAWNTED PARTY」より)、エロシーン以外でも漫画チックに千変万化する表情の表現は素晴らしかったです。アクセサリーや肌着の一部が残ることはありますが、強要気味でもラブラブ系でも男女双方真っ裸のガチンコ勝負なのは読み手の嗜好によって評価は割れるでしょうが、作風にはマッチしている印象です。
貧〜巨乳と幅がありつつ全体的にリアル指向のキャラデザインであり、たっぷりおっぱいや等身低いロリっ娘をお求めの方にはお勧めできません。
この流れでは当然のことで勿論股間には草原が広がっています。女性器や乳首の局所描写はあまり上手くないですが、それらのズームはほとんど使わないエロシーン構成なのであまり気にする必要はないでしょう。
時代のせいか消しがキツめであり、数個の白点を用いる消しは非常にウザく実用性を損なっています。元々エロシーンの量もさほど多くないのでガチの抜き物件として進め難いのは事実。
登場人物への想いと図太いエロへの貪欲さを楽しめて抜けるという愛すべき同志諸兄にはむしろお勧めです。
かかし先生がエロ漫画に戻ってくれることがあるのかは分かりませんが、エロシーンさえあれば比較的に自由に描くことを容認していた司書房様のスタイルがこの先生の飛躍の一助になっていたのは間違いないと思います。
そして、10年前だろうと現在だろうとエロ漫画というジャンルは数多の才能の萌芽を育てる豊穣の田畑だと僕は信じています。司は既に亡くかかし先生は一般に行かれてしまった現在ですが、今エロ漫画というジャンルで頭角を現した作家様がやはり何年後かに、或いはエロで或いは一般で大活躍されているかもと思うと、実に夢があって嬉しいなとじみじみ感じます。
今単行本はそういう意味でも僕の宝物の1冊です。
司書房に心よりの愛と感謝を、そして何も助けることが出来なかった懺悔を込めて
へどばん拝
小川マサシ『CANDY GIRLS』
そういや、忙しくて放置していたなぁと、フロイラインリボルテックのヨーコさんを箱から出してグリグリ動かして遊んでいます。しかし、このムチムチナイスバディで14歳とか、二次元ってスゴイ!
さて本日は、小川マサシ先生の初単行本『CANDY GIRLS』(茜新社)のへたレビューです。エロエロなカバーも良いですが、カバー裏も楽しいですよ。
エッチ大好きな巨〜爆乳クラスのヒロインさん達に(性的な意味で)美味しく頂かれちゃいたい貴兄にお勧めですよ。
収録作は、自称“おっぱいマスター”の男子生徒が日々サイズが変化するのを訝しんでいた爆乳娘が実は母乳が出る体質で〜な中編「MMO」シリーズ全3作(←参照 当然の如く搾乳プレイへ 第1話「MMOをつきとめろ」より)、および短編6作。1作・話当りのページ数は16〜28P(平均20P弱)と標準クラスのボリューム。シナリオの読み応えを期待するのはNGですが、適度にマニアックスを盛り込んだエロの充実感は高く、エロ漫画としての満足度は高い印象があります。
唯一初出がコミックちょいS!である短編「放課後の旋律」は掲載誌の方向性に合わせ、クール性格の女性教師がマッチョな男性教師に凌辱&寝取りをされるダーク系ですが、その他の作品はコメディを効かした和姦系。
恋愛要素は絶無ながら大バカ(誉め言葉)をかましてくれた短編「アルプス同盟」(←参照 日本アニ○ーションは怒っていい(笑))から嫁に逃げられ傷心の兄を「今がチャンス!」と積極的にラブアタックを敢行するお兄ちゃん大好き妹が登場の短編「魅惑のデザート」までラブ成分は幅がありますが、基本的に女性側の快楽欲求が全てを駆動するタイプなので切ない純愛模様を味わいたい貴兄は回避推奨。ただ、自分のメイドが父親に性的奉仕する様に嫉妬する少年をエロエロナイスバディと母性愛で優しく包み込む巨乳メイドさんが描かれる短編「夏色メイド」、女王様タイプの女性教師とショタな男子生徒のこれはこれで幸せな倒錯の日々を描く短編「(悪意)2=愛情!?」のように、一応恋愛感情や相互の信頼が存在することが示されることが多いので殺伐とした印象がないのはプラス評価と感じます。
随時新キャラを投入することで華やかさを演出した「MMO」シリーズで代表されるように、その男女の信頼関係が如何にして築かれたのかという点はスッパリ切り落とされているため、説得力に欠けるのは事実。
別段重厚なストーリーや読み手を惹き込むシナリオ展開の妙を求めるタイプのエロ漫画作品ではないですが、ユニークなキャラ構築をされているヒロインさん達をより魅力的に見せるシナリオの味付けが是非欲しい所です。
上述の「夏色メイド」に登場する爆乳メイドのひまわりさん、弟君を下僕の如く扱う見た目はお嬢様中身は女王様な短編「しつけの仕方」の夏美お姉さまとか、主人公をセックスパートナーとして妹から奪い取ろうとする美麗お姉さまとかもっと魅力的なキャラになり得たと思うんですよ。
あと余談ですが、味付け程度にアニメ・漫画の小ネタが登場します。もっと多く小ネタをまぶしても面白いかなと思います。
ヒロイン陣は並乳さん2名を除いて全員巨〜爆乳クラス(←参照 美麗お姉さま 中編シリーズ作第2話「MMOにきをつけろ」より)。貧乳さんは一人たりとも登場しませんので、ツルペタもバルーンおっぱいも両方楽しみたい方には向いていません。当然おっぱいスキーにはストライクゾーンど真ん中です(笑。年齢設定的にはミドルティーン〜20代半ばといった感じで成人女性は女教師、ティーン少女は女生徒がメイン。
ハイティーン以上ではスタイリッシュなスレンダーボディに、時にアンバランスなほどのマッスを持つおっぱいを装備させた魅惑のキャラデザを用いますが、初単行本らしく絵柄は(試行錯誤の結果として)結構作品間でブレがあります。
不安定感は多少あるものの、絵の水準が上下しているわけではなく、妹キャラなら萌え要素を添加したり、アホ娘(短編「アルプス同盟」)は丸い線で描いてみたり、お姉さまキャラは艶やか成分を強めたりと、キャラクター設定によって味付けを変えようとする努力の表れであることはよく分かります。
帯の裏表にサンプルのコマが載っていますので、本屋さんで確認することをお勧めします。
エロシーンの分量は平均クラスながら、「MMO」シリーズの搾乳プレイや(妄想含んで)痴漢プレイ、短編「夏色メイド」のどろっどろの絵白濁液描写、短編「しつけの仕方」「(悪意)2=愛情!?」の女性による責めなどバラエティ豊かなフェティッシュ要素をエロに盛り込んでいるのが大きな魅力。
特にご自分の性欲に率直に男の子の精を貪るお姉さまヒロインズをしっかりと挑発的なエロスを持たせて描いており(←参照 短編「(悪意)2=愛情!?」より)、ソフトM願望な同志諸兄には嬉しい所と思われます。エロシーンの要所要所で煩悩にガツンと直撃する扇情的なコマがあるのが抜き的にはかなりの強みですが、コマ配置を含むページ構成にやや難があり、特に乳首や性器といった局所への責め・アップを見せる小ゴマの配置が拙い印象があります。
一部除いて全裸にはならず着衣H中心。ブルマ体操服やスク水、メイド服など定番のコスチュームもグーですが、お姉さまヒロインズのお色気たっぷりな黒下着やストッキングが特に○。
フィニッシュは8割がた中出し敢行で、アナルは1作でおまけ的に登場する程度のスタンダードな前穴一本槍。なお、2割の外出し描写は白濁液の量的なアグレッシブさがあって、個人的にはこちらも好きです。
エロもシナリオも、もう一工夫欲しいというのが率直な感想ですが、初単行本ということを考えれば十分な水準にある作品ですし、これからの成長に期待できる要素が多いのも事実です。
おっぱいとS気のあるお姉さんが大好きな貴兄は要チェックになる先生かもしれませんよ!
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