てっちゃん『とろける穴』
横島一先生の『悪徒』2巻(秋田書店)を読みました。いやー、単行本派なのでエライ吃驚しました。まさかあのキャラが実は×××で×××装備とはなぁ・・・。まぁ、それはそれで美味しいです(←変態
さて本日は、てっちゃん先生の『とろける穴』(ティーアイネット)のへたレビューです。主にヒット出版でロリ系を描いている先生ですが、TIでは初めての単行本とのことです。
ピリッとしたブラックユーモアが隠し味的に効いた朗らかな雰囲気の中、エッチ大好きな美少女・美女が男の精を積極的に貪る様が楽しめる作品集です。
収録作は、会社の倒産によって一家離散の憂き目に会いながらも学校の屋上にて逞しく生きる長女(←参照 「私、部屋では裸族なの!」が口癖 短編「とろけるのう」より)、およびその妹と父のエロエロ世渡りを描くコミカルなシリーズ3作、および短編9作。短編「まなびや」に登場のカップルさんは上記のシリーズ作にも登場するので一部作品間では舞台設定を共有しているようです。
1作当りのページ数は16〜20Pでほとんど16P作品と、TI系にしてはかなり小さいボリューム。端的に言って読み応えは弱いですが、コミカル系もブラック系にしても話のオチがどれも上手く、読む楽しさを読後にまで延長しているのは素直に評価できます。
大別すれば、ヒロインのキャラクターで魅せるエロコメディではあるものの、全体的にちょっと捻りを加えている感はあります。
野球部のエースが自分の彼女を性処理係として他の部員に抱かせる短編「菊池君の約束」、旦那がぐっすり眠る横で部下の男性と交わる人妻が登場する短編「Noと言えない秋本さん」、万引き少女を店長が脅して凌辱する短編「妄想店長」など、どう考えても暗いオチになりそうなダーク系の流れを能天気な劇終に持って行きます。
そのシナリオの方向の変化自体がコミカルでもあり、陰湿感や背徳感を強めるような要素はほとんどありません。描写自体は結構少なめですが、カップルさんが登場する多くの短編では女性側の好きの気持ちの表現もあるため、エロに特化し過ぎた殺伐感はほとんどありません。
とは言え、ごく普通のラブコメ・エロコメと見せかけておいて、サラリと流していたりギャグで飾っていたりしながらも、よくよく考えるとかなり黒いラストを迎える作品が多めです。
お金持ちから学校の屋上生活に転落しながらもあっけらかんと快活に生きていくヒロインが大変魅力だった上記シリーズ作は、ヒロインの妹が肉体関係にあった男性教師に物凄く意味深な台詞を投げかけて終わります(←参照 シリーズ最終話「だすモノでるモノトコロかわらず」より)。妹さんなりの逞しい生き方のコミカルな表現ではありますが、主人公と愛の言葉を紡ぎながら新たな幸福を享受するヒロインの長女さんとの対比として描かれており、なかなかブラックなユーモアとなっています。
短編「かんちがい」での終わらぬストーカーチックな狂気、「せーふくゲーム」での愛の不在の疑惑、「カラテカ」での彼氏君の存在価値の不気味な希薄さなど、決して読み手に重い心理的負荷を与えないながらも、じわりと胸に沁み込んでくる苦い味は各作品の魅力を高めていたように個人的には感じます。
ただ、ページ数が少ない故に終盤のシナリオの動かし方がやや忙しないのはマイナス要因であり、もうちょっとどっしりとした構成をお願いしたい所です。
ヒロイン陣はミドルティーン少女〜人妻さんまで広めですがハイティーンが中心。全員おっきめおっぱいを標準装備している(←参照 短編「せーふくゲーム」より)こともあって、ロリ色はほとんどないので、てっちゃん先生の既刊が大好きという方はよく検討されたし。分かり易いエロ属性は巨乳を除いてあまり無いものの、さすがに作家歴を重ねていらっしゃるだけあって作画は安定しており、しなやかに動き絡み合う女性の肢体はしっかりと美しく描けています。
なお、裏帯に「美少女だけど意外と剛毛(はあと」とあるように、アナル周辺までしっかりと陰毛描写があるため苦手な方は回避推奨。これに反するわけでもないですが、性器やアナルはあまり描き込むタイプではなく、それらによる直接的な扇情性を期待するのはNGです。
輪姦行為や強要系(←参照 でもイメージプレイ気味(笑)短編「コスプレ店員」より)、ストーカー気味のお姉さんに逆レイプといったエッチもありますが、大半はヒロインさんが様々な形態の恋愛もエッチも両方快活に楽しむエロシーンです。シナリオパートでもあまり存在感のない男性連中ですが、エロシーンにおいても主導権を握るのは女性陣であり、上述の様な強要系でも男性の獣欲はヒロインのさらに深い欲望に飲み込まれます。このことが作品の暗さを弱めることにつながっています。
過剰にはならない程度に乳尻および前後の秘穴を見せつける構図の巧さ、突き抜けた技巧はなくとも安定しているコマ展開などもエロの魅力を支えています。ただ、質が高くともエロの分量がどうにも不足気味であり、個々のエロシーンでの実用性にやや難があります。たまにエロシーンを分割投入する構成も×。
ページ数的に仕方ない面もありますが、前戯の分量が乏しく即挿れ気味なのもさびしい所です。飛び散る汗や汁の表現や、派手さはなくともじっくりと性感を味わっているヒロインの表情はいい味付けです。
ほぼ仕様の中出しフィニッシュは、1P〜ほぼ見開きで迫力を以て描かれますが、見開きでの見せ方は(難しいと思うのですが)もうちょっと見やすい構図・配置にして欲しい所です。
白濁液噴出の勢いは乏しいながら、トロリと膣内を満たしながら漏れ出てくる白濁液はなかなかエロチック。
シナリオにしてもエロにしてもちょっぴり効かせた変化球が面白く、ヤルだけで面白みのないエロコメとは別の水準にあるのは確かです。巨乳さんもエロ可愛く描けているのでこの路線も是非維持して頂きたいと思います。
ただ、エロ・シナリオ両者共にもうちょっと読み応えがあるともっといいなぁと思うので、その辺り次回作では改善をお願いしたい所。
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