椿十四郎『実姉双姦ルート』
おでんが美味しい季節になって参りました。自分で作るのもいいし、帰りにコンビニで買ってもよし。暖まります。がんも、大根、蒟蒻、はんぺん、昆布巻き、ちくわ、薩摩揚げetc、あぁ、一杯やりたくなってきました。
さて本日は、椿十四郎先生の初単行本『実姉双姦ルート』(ジーウォーク)のへたレビューです。双姦という言葉にあまり馴染みがなくどういった意味合いで使っているのかちょっと興味があります。
タイトルに偽りなく、実姉とのエッチのみで構成された思い切りのよさを評価したい作品集です。
収録作は全て短編で9作。1作当りのページ数は18〜22P(平均19P強)と中の下クラスの分量。
実姉一本やりながらも、シチュエーションやシナリオの味付けにはバリエーションが付いており、多様な作風が味わえるのは魅力ですが個々の短編の読み応えは軽い傾向にあります。
姉の友人がお話とエロに絡んでくる短編「お姉ちゃんトモ!?」を除けば、姉と弟に閉じた恋とエッチの模様を描き出します。
エロ的な意味も含め積極的にスキンシップを図って来るお姉ちゃんを描くコミカル&快楽的な作品もあれば(←参照 短編「ミスティックナイト」より)、優秀な姉との間に空いてしまった距離がふとしたキッカケで一気に縮まる短編「錠が開くもの」、若さゆえに暴走する弟君の性欲とそれを受け入れる姉そしてその結果迎えるブラックなラストが面白い短編「Closed」など、エロのシチュエーションの味付けは様々。姉キャラオンリーということもあり、ヒロイン側がエロ行為に対して積極的な感が強く、短編「弟に夢中」や「ミスティックナイト」、「とらないでマイブラ!」などではエロも含めて弟を手玉に取るお姉ちゃんが登場しますので、姉キャラに支配されたい願望をお持ちの貴兄にはなかなかストライクと言えるでしょう。
とは言え、シナリオ的には完全にエロへの導入とシチュエーションの味付けに終始している感があり、やや漫画としての楽しさを希薄にしています。
同級生の女の子が来宅し弟の貞操の危機を察した姉がクラスメイトの女子を追っ払い、アグレッシブな誘惑を仕掛ける短編「とらないでマイブラ!」(←参照 セルフ胸タッチ!)や、演劇部の姉と演劇用衣装を使ってのイメージプレイな短編「ヒロインレッスン」、罰として女装させられた弟キュンがお姉さんたちに弄られまくる短編「お姉ちゃんトモ!?」など、シチュエーションのアイディア力は認められ姉モノとしての魅力を高めています。強気な姉が骨折して弟の介護を受ける短編「ケガのこーみょー」のお姉ちゃんの戸惑い方などは白眉の出来。しかしながら、心理描写の見せ方や恋愛劇としての展開力には欠けている印象も強く、設定的には面白いものを感じさせる短編「UWAGAKI」や「錠が開くもの」などのシリアス要素を含む作品では特に作劇の物足りなさが目立ちます。
後書きを読むとよく分かる椿先生の姉キャラへのこだわりは個人的には作品を通してしっかり伝わりましたし、評価させて頂きたいのですが、姉およびその姉への想いをそのコダワリと釣り合いを持って魅力的に描くにはさらなる研鑽が必要かなぁとも思います。応援しております。
初単行本と言うこともあり、試行錯誤の結果として絵柄のタッチは多少変化しています。
近作になるほど描線が太くはっきりと変化していく傾向が見て取れ、最近作の短編「ヒロインレッスン」ではなかなかキャッチーな絵柄になっています(←参照 エルフの女王×捕虜の剣士という設定でイメージプレイ中)。ヒロイン陣はミドル〜ハイティーンの美少女さん達ですが、胸も軒並み普通サイズ・股間はエロ漫画的な脚色に乏しい真の意味でのリアル系(薄めの陰毛アリ)と、強烈なセックスアピールや萌え要素は乏しい現実的なキャラデザです。性格的には弟大好きなエロ漫画的に王道なお姉さん達ですので、両者のちょっとしたギャップが個人的にはむしろ美味しいです。
なお、弟君の包茎チ○コ率は高め。なんか、チ○コ描写に不安感がありますが、さして気にすることでもないかなぁと。
各作品のページ数とシチュエーションを魅せるために導入パートにある程度分量を割いていることもあり、必ずしもエロのボリューム感が強いとは言えません。
テンションが上がりまくった姉の挑発的な台詞がかなり良かった「ヒロインレッスン」以外では、煽情性を増そうという意欲は見えるものの言葉遣いが上滑り気味なのはマイナス評価。
年上の余裕を魅せ付けていたヒロインが(←参照 短編「弟に夢中」より)、弟君の一心不乱のピストン運動に陥落していく様子はなかなかエロチックであり本作におけるエロ漫画としての生命線となっています。男女ともに全裸になるケースが多く、姉弟の様々な形の肌の触れ合いとしてセックスを描くのは好印象ですが、体の動きのダイナミクス、行為の体温感の表現は今一歩。中出しが基本仕様のフィニッシュシーンも中ゴマ主体で、白濁液の勢いも描出できておらずやや迫力不足。
エロ的にぐっとくるコマも少なくないので、姉スキーには抜ける水準にはありますが、がっつり抜きたい作品をお探しだとやや苦しいかなと言う感じです。
エロの方向性や絵柄に関して色々とトライしていこうという意気込みはしっかりと伝わり、今後姉モノにしろそれ以外にしろ先生なりの道が開けていくだろうと強く期待しています。
先ずは初単行本としてエロ漫画界に一歩を踏み出しましたが、これが偉大な軌跡の第一歩となることを楽しみにしています。
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