小沢田健吾『学校でイこう!』
普通の漫画は時間がある時に書店でまとめ買いしているのですが、間違って小山宙哉先生の『宇宙兄弟』3巻を2回買ってしまいました(汗。出張前に積んでしまったのですっかり記憶から抜け落ちてました・・・。
さて本日は、小沢田健吾先生の『学校でイこう!』(ティーアイネット)のへたレビューです。このタイトルはやはり某テレビ番組から…ゲフンゲフン。
思春期の男女の奔放な性愛をエロシーンに力点を置きつつ伸びやかに描いた作品です。
収録作は、主人公の男子生徒が女の子達がAVでエッチの勉強をしている“勉強会”に突如招かれて(←参照 前編より)セックスパートナーとなる中編「ゴーイング・エロ」前中後編+描き下ろしの後日談な完結編(3P)、および短編5作。ストーリーのつながりは希薄ですが、短編「ミダラな癖とはさよなら」と「ユニフォーム・コレクション」は舞台設定を同じくしています。制服のデザインが同じなので中編作とも同世界かもしれません(でも校舎の形状が違います)。
描き下ろしの中編作完結編を除き1作・話当りのページ数は22〜32P(平均26P強)と適度なボリューム感。作品間でシナリオの効果に大分幅がありますが、基本的には軽快な雰囲気の中たっぷりエロを魅せるタイプです。
全体的に、性への興味が最高潮に達している年頃のヒロイン達が男の子達の性欲をがっつり引き出してエロへ導入、ラストは何だかんだでハッピーにまとめてオールオーケーという流れが目立ちます。
そのため、練られたシナリオの展開や思春期の男女の繊細な感情の描出に期待するのは避けるべきという印象です。
しかし、シナリオの力量こそ少なめながら中編「ゴーイング・エロ」の展開は収録作中で抜群の上手さがあります。
エッチへの興味から快楽的に交わる少女達と非常に美味しい立場になった少年の快楽主義的なエロを描き、割合にお気楽な登場人物達は性の快楽を肯定的に捉えていきます。
そのまま享楽的なラストに向かいそうながら、セックスの快楽が素晴らしいからこそ、そこには恋愛感情が介在すべきなのだと少女達も(←参照 2008年下半期中で屈指の名シーン 中編「ゴーイング・エロ」後編より)少年も自然と理解し、快楽に満ちた勉強会を解散します。少ないシナリオ分量のため、やや展開が急な感もありますが、その展開の原因となるヒロイン達と主人公の感情・思考が親近感の持てる飾らないモノとして描かれているため、悪い印象や拙さはほとんど感じません。完結編にて主人公と井上さんの恋心を救済しているのも好印象(でも沢田さんは・・・)。
この中編の良さに比べて、他の短編作はやや漫画としての面白みには欠けており、男女の性への興味ばかりが前のめりに走り過ぎている感があります。シナリオそのものの構成はエロ漫画的には全く問題ないタイプですが、中編作では単なる“エッチな美少女”という存在以上の自我を持っているように描かれた少女達のキャラ造形が、各短編ではご都合主義的な存在としか描けていない印象があります。
明るくエッチという雰囲気は決して悪くないですが、短編「青春はカラダだけ?」の様に極端に都合の良過ぎるヒロインもそれはそれで楽しさを削いでしまうものだと個人的には思うのです。
単行本タイトルの通りに学校を舞台とする作品が大半であり、登場するのも高○生クラスの少年少女オンリーです。大別すると快活にエロに飛び込んで行く元気娘(例えば「ゴーイング・エロ」の井上さん)と、大人しい性格の下に溢れんばかりのエロへの興味を持っている娘さん(例えば短編「ミダラな癖とはさよなら」の山代さん)に分かれます。
某ヒューマノイド・インターフェイスっぽい無表情娘さん(←参照 ちなみに隠れ巨乳な娘さんです 短編「ユニフォーム・コレクション」より)や短編「ミダラな癖とはさよなら」の変態チックな嗜好を持つ山代さんなど、ややキャラ立てに不足はありつつも、個々にユニークな魅力を持った女の子として描けています。貧乳娘も一人いますが、ほとんどのヒロインは適度な肉付きのボディにたっぷりおっぱいを装備した魅惑の肢体の持ち主です。なお、そこまで高くはないもののメガネ率は平均以上。
エロシーンは十分な分量を以て描かれており、個々のコマでのエロの見せ方に多少不満は残りつつも、十分過ぎるほど抜きに使えるレベルです。複数人がエロに絡むケースも多く、視覚的な華やかさもしっかりあります。
男女ともに(おそらく)初めての性行為を手探りで始めつつ(←参照 「ゴーイング・エロ」中編より)、一旦テンションが高まってしまえば互いの肉欲をぶつけ合う激しい行為に移行します。ただし、破瓜描写は全然ありませんので初めての符号がお好きな方は要注意。また、初エッチのぎこちなさや官能の雰囲気を演出するために敢えてやっているとも予想できますが、折角激しく描けている抽挿シーンが前戯やいじり合いのシーンに比してあまり多くなく、もうちょっと若い性衝動に身を委ねてもいいのかなとも思ったり。
性器描写はTI系らしいリアル系でエロチックですが、やや描写力にコマ間で幅があるのはマイナス。特に透過図はもうちょっと表現を工夫しないとち○こが膣内にあるのか外にあるのか不安感があり、エロの流れを阻害しています。全身を写し出す引きの構図で作画が悪い意味で抜けているのも△。
個人的には5人のヒロインと関係を持つというドリーミーな設定の「ゴーイング・エロ」と文系っぽい無表情娘に野球のユニフォームを着せるというアイディアがエロ的に美味しい短編「ユニフォーム・コレクション」が実用的読書的にもお気に入りです。
一読者として勝手なことを言わせてもらえば、短編で無理にまとめないで中編作ぐらいの分量で余裕を持って描いた方がエロもキャラも引き立ってくるのかなぁと思います。
何はともあれ中編作「ゴーイング・エロ」が大変良かったので満足しております。
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