奈塚Q弥『僕と悪魔ちゃん』
昨日は変な愚痴を書いてしまって申し訳ないです。自分で読んでて情けないのであの手のことは二度と書かないようにしようと思います。僕は愚痴る前に足りない努力と誠意を反省するべきです。
さて本日は、奈塚Q弥先生の『僕と悪魔ちゃん』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。何気にキルタイム作品は久しぶりのレビューですなぁ。
エロも話もお約束に徹しながらそのこと自体さえ笑いに変換する軽快さが気持ち良い作品集です。
収録作は、運の悪い男の子の元にある日突然悪魔っ娘が現れて始まるドタバタコメディな長編タイトル作「僕と悪魔ちゃん」全6話(←参照 なお、胸と服のサイズが合っていなのには理由があります 第1話「悪魔ちゃんがやってきた!」より)、および同名のエロゲーのアンソロジー作「姉☆孕みっくす〜姉&死神お姉さんと一週間〜」2話。1話当りのページ数は4〜24P。長編作は全話24Pで作られているため、各話でエロとキャラクターをしっかり魅せた上で適度にシナリオを動かす余裕があり、話のブツ切れ間のないスムーズな流れになっているのはかなり好印象です。
作風に関しては長編作、連作のどちらも底抜けにお気楽で明るいエロコメであり、シリアスな要素や重厚なドラマ展開とは無縁なタイプです。
長編作では、悪魔ちゃんことアイスちゃんやその姉のアマネさん(←参照 同人誌大好きでアンリアル読者 第2話「お姉様もやってきた!」より)、実は天使で主人公の監視役な巨乳巫女音羽さんのいい感じに俗物(特に後者2名)なヒロイン達と主人公の中にいる魔王が主人公を存分に振り回して話を進めていきます。上述の通りに、ベタ過ぎるスタートを切った後、実は主人公は覚醒前の魔王とか、魔界内での派閥闘争、天使と悪魔の対立とか凡百な設定を絡めてくるものの、そういった要素に捕われて中途半端なシリアスストーリーに移行すること無く、最後までお気楽コメディで通したのは本作の評価を高めています。
この作品がキルタイム系のファンタジーエロであることを登場人物が意識させるようなメタフィクション的なギャグもあり、お約束を踏襲すること自体を楽しく感じさせるトリッキーさは面白い所です。
主人公の中に眠る魔王も「みんな幸せならよいではないか」と嘯く暢気な人物で結局争いらしい争いもないまま、いい感じに全ての設定をなし崩しにして平和にハーレムエンドを迎えます。決して長編としてのプロットが破綻しているわけではなく、意図的にのんびりとしたドリーミーな終劇を迎えさせた印象です。
登場人物の策謀を描くことよりも、ヒロインの魅力を引き出すことに焦点が置かれているように感じられ、キャッチーなキャラ造形はちゃんと成功しています。
登場時には姉から借り受けた強力な魔力を頼りに高飛車な態度を取っていたのに、主人公に真名を知られてしまって支配下に置かれてからは意外にしおらしい態度が可愛らしかったアイスちゃんはメインヒロインとして十分魅力的。
ただ、秋葉文化をこよなく愛するアマネさんとエロ的に美味しい肢体の持ち主の音羽さんに押されて中〜終盤での存在感がやや引っ込んでしまった印象があるのは悲しい所です(←参照 意外に性格いい悪魔娘なのです 第4話「僕が魔王だった!」より)。なお、キャラ的にもシナリオの牽引役としても一番存在感があったのはアマネさんと思いますが、エロも含めて魅力的なヒロインさんでした。
絵柄はキルタイム系らしい親しみ易い萌え絵柄。作画は基本的に安定していますが、時々構図によってはボディバランスが怪しくなっていることがありまだブレが残るのも確か。
コミカルに見せるためにキャラの表情を漫画チックに崩すことが多くそれ自体は好感を持っていますが、やや力を抜き過ぎて楽しさよりも雑さが目立ってしまっているコマもありますが、まぁ2冊目なのでこの辺りの改善は今後に期待と言ったところでしょう。
最小サイズの悪魔ちゃんでさえ適度にボリュームのある並乳であり、残る二人は揺れる巨乳にキュッと括れたウェスト、プリンとしたお尻と煩悩最優先な肢体の持ち主。
キルタイムのお約束をエロ方面でも踏襲しており、悪魔っ娘による足コキとか触手が絡んだりとか、各種コスプレを大量に投入したりとか、ちょいと変態チックな要素も絡めますが、ここの倒錯性への踏み込みは弱く、あくまでエロの味付けを色々取り揃えましたというスタンスに留まっていることには賛否両論ありそうです。
最終話ではこれまたお約束通りにヒロイン3人を交えての夢の4Pを展開してくれます(←参照 最終話「みんなで幸せ」より)。局所描写と全身の描写のバランスを取りつつ、抜きに没頭しやすいエロシーンのページ構成力は十分及第点ですが、やや変化に乏しい表情と硬い台詞回しが噛み合っていなかったり、液汁描写の物足りなさが強かったりと多少足を引っ張る要素も感じ取れます。
マッハ陥ち&即濡れ・即挿れ・即感といういい意味で力強いご都合主義エロ展開は肩の力を抜いて楽しめますが、エロの情緒とか微細な官能の演出などとは無縁なのは確かです。
まぁ、この手のエロエロファンタジーが好きな同志諸兄には十分な質と量が担保されているエロシーンだと個人的には考えます。
ユニークなヒロイン達と明るい展開がベタの要素を悪ノリしつつ掻き混ぜていく楽しさを長編作で上手く作りだしたというのが高く評価できます。
オタ要素がたっぷり含まれた楽しいエロ漫画をお探しの貴兄にお勧めです。
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