こがいの『ヤバくね?』
『岳』6巻(石塚真一/小学館)を読んで温かい気持ちになった後、『ユリア100式』7巻(萩尾ノブト/白泉社)を読んだら登山の話があってコーヒー吹きました。やっぱ漫画は色々あってこそ面白いものですなぁ。
さて本日は、こがいの先生の『ヤバくね?』(東京三世社)のへたレビューです。やはりエロ漫画も色々あるから面白いのです。
傍若無人な黒ギャルさん達に虐げられたい貴兄にお勧めな作品集です。
収録作は全て短編で9作。また、1作当りのページ数は全て18Pです。
登場するギャルさん達の性意識の敷居の低さを反映するように、シナリオは割合陰湿な要素を含みながら享楽主義的で話として軽い印象があります。
コミカルな印象もありますが、あくまで話の軽快感の補助的な役割でありギャグとして笑えるという水準には達していません。
言うまでもないことと思いますが、登場するヒロイン達はこんがりお肌を焼いた黒ギャルさん達。管理人は詳しくないですが、彼女たちのファッションも如何にもギャルさん達が着ていそうなタイプです(←参照 短編「おそうじ」より)。派手な下着類・アクセサリー類や髪型も含め、この辺りのギャル的な要素の修飾は流石専門誌である「チョベコミ!」で連載されているだけはあるなと感じます。なお、エロシーンでも裸になることは少なくちゃんと着衣エロになっているのも好印象です。
傍若無人と上に書いた通り、確かに(良い意味で)無茶をやらかすヒロインが多いものの、決して単調なキャラクター造形になっておらず、ゲーマーだったり(短編「ゲームセンターあらしまくり」)、お笑芸人だったり(短編「黒ギャル芸人サナ&ルミ」)と設定にも幅があります。
加えて、街のボランティア清掃に参加したり(「おそうじ」)、修学旅行生にマナーを諭し、泣いてしまった女の子を優しく慰めてあげたり(短編「校外学習の教育的効果」)とギャルを決して“不快な女性”としてのみ表現しない姿勢は大変素晴らしいです。
煙草のポイ捨てや盗撮などをした不道徳な成人男性をギャルコンビが徹底的に絞り取ってオシオキな作品もありますが、今単行本で目立つのはギャルさんズ(大抵複数人なので)が理不尽な理由で気弱な男性をいじめ抜く作品群です(←参照 短編「ペット」より)。特に、全く罪のない気弱なメガネ青年を黒ギャルコンビがさんざん詰りながら(性的な意味で)いじめ抜き、果ては全裸で車中に拘束・放置という、人によっては結構気を悪くしそうな短編「アイセキ」などもありますので注意されたし。
逆に男性側がエロの主導権を握る短編(「ゲームセンターあらしまくり」「年忘れカラオケ対決(?)」など)もありますが、基本的にあっけらかんとした快楽優先主義な作風ですので、征服感や嗜虐的な官能は控えめです。
余談ですが、ギャルさんを/と徹底的に責めたり/責められたりしたい貴兄には、くれいちろう先生の『黒淫』(東京三世社)をお勧めします。
面白いと思ったのは、いくつかの短編でオタクファンタジー的な要素を絡めており、さらにそれが意外にもプロットやエロに関してしっくりと調和している所。
下手をすればオタク的要素とまったく接点がないかのような黒ギャルさん達が、浅黒い肌という表現が漫画という舞台上では共通することを活かして、二次元褐色肌美少女との不思議な融合を果たす(←参照 短編「ゲームセンターあらしまくり」より)のが面白く、巧い所をついたなぁと思いました。短編「年忘れカラオケ対決(?)」では黒ギャルヒロインをオタク3人組がアニメ(?)キャラと勘違いし、物凄く強引な論理展開でエロに持ち込む流れが非常に楽しかったです。
ヒロインの造形や序盤の展開から想起される通り、最初から最後まで黒ギャルさんがエロ行為の主導権を握っており、男性がティンコを使って大逆転!という展開はあまり見られません。
女性側が責める場合の王道、足コキの登場頻度が高めであり、地面に這い蹲る男性に黒ギャル軍団が一斉放尿とか気弱な男性を夜の公園で露出散歩プレイとか、かなりマニアックというか読み手を選びそうなプレイもあります。個人的にはむしろ興味深く読ませて頂きましたが。
生え際を綺麗に整えてある陰毛の描写はちゃんとこだわっているなと思いましたが、性器描写は結構貧弱であることに加えて修正が強め。あまり性器結合のクローズアップを用いないので、それ程気になりませんが、もうちょっと描写の水準が上がると嬉しいです。
性の快楽を貪欲に味わうヒロインズですが(←参照 「おそうじ」より)、行為が進行するにつれ傍観していたギャルさんが興奮し、ちょっと照れながらエロに参加するコマとかは、不覚にも「ちょっと可愛いな」とか思ってしまったのは自分でも驚きでした。やや表現としての派手さには欠けますが、黒ギャルさんらが中出しされて気持よさそうに叫ぶフィニッシュもなかなか爽快です。
黒ギャルというジャンルそのものがマニアックであり、エロの内容もM願望な貴兄にのみお勧めできることは重々承知してますが、一見取っ付き難く思える黒ギャルさん達の意外にもキャッチーなキャラクター造形が楽しめます。
細かいこだわりもしっかりしていますし、一風変わったエロ漫画が読みたい人には結構お勧めですよ!
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