いトう『鬼姦獣』
久しぶりにメロパワでも聴こうと、近所の中古CD屋で安かったMorifadeの「Domination」を購入。凡庸といえばそれまでですが、正統派の北欧メロディック・パワーメタルで十分満足させて頂きました。
さて本日は、いトう先生の『鬼姦獣』(ティーアイネット)のへたレビューです。ガチな鬼畜・凌辱系作品のレビューは久しぶりで嬉しい限り。
マニアックな描写はやや抑え気味ながら、人間の理性という美徳に挑戦する容赦のない苛烈な凌辱劇は健在です。
収録作は全て短編で9作。1作当りのページ数は12〜24Pでほとんどの作品は22Pです。ゴリゴリの凌辱劇に人間性や美徳に対するシニカルな投げかけを添加する作風であり、読み応えはそれなりにあります。
管理人は、色調を暗く抑えながら光沢感故の華やかさもある、いトう先生のカラーページ(←参照 短編「胎音」より)が好きなので、「誤認」や「研究」など掲載時カラーの作品が白黒になっていると少し残念です。シナリオ的には、何の罪もない美少女が男たちの身勝手な欲望や狂気を一方的に叩き付けられて心と体をボロボロにされる作品か、過去の凌辱で心が壊れてしまった少女達が刹那の快楽を追い求めて性行為に耽溺する作品のどちらかしかありません。
少女達の絶望や男たちの凶気を掘り下げることはあまりなく、シナリオラインも至ってシンプルなため心情描写を重視する方や絶望のストーリーを味わいたい方にはやや不向き。
ただし、読ませるシナリオを切り捨てることで全体的な攻撃性が強まっている印象があり、救いゼロのラスト(←参照 共に心の壊れた姉妹 短編「制御」より)へとなだれ込む勢いや絶望的な不条理性を生み出しています。暴力的な凌辱と理不尽な扱いに心身をズタボロにされた姿は属性持ち(管理人含む)には垂涎ですが、凌辱が苦手な方には完璧な鬱要素ですので回避推奨です。
上述の通りにシナリオは弱いながらも、作品から時に放たれるシニカルで辛辣な皮肉にチクリと心を痛まされます。
美しい少女達を貪る獣欲や異常性が、理性や“人間らしさ”と必ずしも剥離したものでないことを暗示するシーン・台詞が認められ、作品のダークな雰囲気をより強固なものにしています。
短編「役割」では、社会的に重要な役割を果たし、さも正しいことを言っている人間の裏の顔を描き出します。
物語のラスト(←参照 短編「役割」より)で、絶え間ない調教と凌辱の果てに精神を病んだ少女が、まさに地獄の釜の底から放つ“正常な人間”という幻想への痛烈な批判は鬼畜・凌辱エロを愛する読み手の胸に突き刺さります。同様のセリフは短編「中毒」でも凌辱側の男性に言わせていますが、被害者である少女に発言させた「役割」の方がその意味合いが重い印象があります。
苦痛に歪む表情とか、白目剥いて絶叫する表象とかばかりなので、あまり可愛らしいとは思わせてくれないのですが、親しみやすい標準的なアニメ/エロゲー絵柄です。汚す対象として十分に可憐に描けており、読み手の嗜虐欲を高めてくれます。
ヒロインはミドル〜ハイティーンの少女達で胸のサイズは中庸。膨らみかけ微乳でもバレーボールの如き巨乳でもなく、手の平に少し余るくらいのちょうど良いサイズです。
なお、基本的にツルツルお股ですので、毛が嫌いな人も安心です。
エロシーンは、フィストファックや浣腸関連、薬物注射、集団凌辱、さらには獣姦など過激な要素目白押しなので、これらの過激さこそを追い求める情熱と現実と二次元の折り合いをつけられる倫理観をお持ちの貴兄のみにしかお勧めできません。
縄などによる拘束も多いですが(←参照 短編「愛情」より)、SM的な様式美の側面は薄く、あくまで暴力行為の記号的表現にとどまっています。アナル関連が多いのがいトう先生の特徴ですが、尻穴の丹念な描き込みはともかくとして、アニャルファック発生率が低めな上にスカ関連の表現がかなりマイルドになっていますのでかつてのスカ&アナルの栄光(?)は失われつつあります(というか単に掲載誌の影響でしょう)。
元より万人受けするジャンルではないですが、鬼畜スキーのより幅広い層にアピールできるようになったとも言えますので、決して悪いことではないのですが。
悲鳴を上げ苦しみの表情をうかべるヒロインに容赦なく中出しのフィニッシュシーンは悪くないのですが、作中であまり重要視されておらずあまり射精のカタルシスはありません。
むしろそこに至る責苦の数々と、性行為の後、その体を汚汁に、その心を絶望に塗れさせるコマこそ強烈な背徳感を呼び起す印象があります。
絵柄はともかくとして、ハードコア凌辱な内容はかなり人を選びますのでご注意を。鬼畜・凌辱エロを分別を持って楽しめる方には、さらに人を選ぶ表現がマイルドになったこともあり結構お勧め出来ます。
個人的には大変美味しくご飯を頂きました。短編「役割」の放つピリリと辛い皮肉と短編「求愛」で描かれた少女の絶望を愛しております。
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