藤坂リリック『魔法学淫エピキュリア』
以前の記事で大波耀子先生の名前を大波”曜子”と間違えて記載していました。訂正すると共に、大変な失礼をお詫び致します。御指摘下さった方、どうもありがとうございます。
今後同様のミスを繰り返さないよう、気を引き締めてレビューを書きたいと思います。
本日は、藤坂リリック先生の『魔法学淫エピキュリア』(KTC)のへたレビューです。
作風に幅はありながら、基本的に柔らかくまったりとした雰囲気の中繰り広げられる、ロリ巨乳な美少女とのファンタジーHが楽しめる作品集です。
収録作は、魔法学院(←参照 「魔法学淫エピキュリア 転化攪乱リゼット」より)に通う様々な生徒たちのエッチな日々をオムニバスで描く「魔法学淫エピキュリア」シリーズ全6作+描き下ろしカラー、他短編3作となっています。おまけカラーを除いて、1作当りのページ数は16〜20Pで平均17P強。ストーリーの魅力はほとんどありませんし、エロもそこそこ激しい行為を描写しながら何処か無邪気にぽやんとした雰囲気であるため、読み応えは軽めです。
ネコ耳少女が登場する短編「ネコノヒメ」を除く全作品は”剣と魔法のファンタジー”世界を舞台としており、「ネコノヒメ」も含めてファンタジー色は強め。
この手の作品のお約束として、魔力・魔法と淫欲・性行為は密接に関連しており(←参照 短編「SHINY SPELL」より)、魔法という要素はシナリオよりもエロのシチュエーションと絡む傾向にあります。魔法による性転換や無限絶頂、定番の”淫らになる魔法”などに加え、触手や媚薬などキルタイムのファンタジーエロにおける代表例のオンパレードです。
作中にて確固とした世界観や魔法の理論があるわけでなく、ファンタジー要素はエロを楽しくするための小道具程度の扱いと割り切れる方向けです。個人的にお気に入りの「魔法学淫エピキュリア 花蜜アンジェリカ」に至っては、「これ、別に魔法世界である必要ないんじゃ…」とさえ思いましたし。
凌辱気味な作品からラブラブHな作品まで、作風は広めですがシナリオの魅力はあまりありません。それ自体は、抜きに供する類の作品ですので個人的には気にしていませんが、各話ラストのグダグダ感だけは解消して頂きたかったです。
やはりお気に入りの短編「ネコノヒメ」では、エッチは勿論ながらも互いを好きあう男女が描かれますが、その他の作品では恋愛感情の描写は希薄です。
可愛らしい外見の淫乱娘さんが男の子を(性的な意味で)食べちゃう話や、キツメな性格の娘さんが(性的な(ry)食べられちゃう話が基本となっています。どちらかというと女性側が性行為に対して積極的な印象ですね。
好き合う男女が登場するケースもありますが、魔法の効果で淫らになってしまって〜という筋なので(←参照 「魔法学淫エピキュリア エリナ大活劇」より)、ラブラブな雰囲気を期待するのは避けた方が良いでしょう。短編「SHINY SPELL」のみ絵柄が古めですが、その他の作品では安定しており表紙絵での判断で大丈夫と思います。
大きな瞳の童顔、外はツルツル中はプリプリなオミャンコ、プニッとした肢体というロリっぽい諸要素に、重力に負けない張りを見せるお椀型おっぱい(大きめサイズ)を組み合わせたキャラデザ(←参照 「魔法学淫エピキュリア リアナ急上昇」より)の魅力は健在です。出版社が違うとは言え、単行本を出すごとに貧乳娘さんの割合が低下していくのが個人的には残念であり、今回はほとんどロリ顔巨乳さんが占めていますので、ヒンヌー教徒の皆様は回避するなり改宗するなりお願いします。
いまいち体の動きが感じ取れない性行為の描写は、激しい行為を描きつつもやや淡白な印象があります。しかし、ツルツルオミャンコにがっつり中出しを決め、大量に噴射された精液が膣の外へと噴水のように飛び散るフィニッシュシーンの実用性はなかなか良いと個人的には感じました。
表情変化が依然乏しく、エロの盛り上げには貢献していませんが、上述のようにほんわかした雰囲気が終始漂っていますので、作風にはむしろ合っているのかもという感もあります。
細かいことはいいからファンタジーなエロを楽しもう!というキルタイム作品の良くも悪くもお気楽な作風と、藤坂リリック先生によるほんわかした絵柄・作劇がうまく組み合わさっている作品集といえます。
可愛らしくて巨乳な魔法少女達にソフトに虐げられ/虐げたい貴殿にお勧めです。
土居坂崎『ハイテンション』
ディスクヘブンに買いに行こう行こうと思いながらTestamentとDeath Angelの新譜を買えていません…。時間ないしアマゾンで買おうかなぁと。Deidideも未購入だしなぁ…。
さて、本日は土居坂崎先生の『ハイテンション』(KTC)のへたレビューです。一月前から発売を心待ちにしていましたので読めてうれしい限りです。
ユニークなアイディア、キャッチーなキャラ造形、勢いのあるエロシーン、そしてその全てを台無しにしていく(誉めてます)ハイテンションなお馬鹿コメディが楽しめる作品です。
収録作は、セルフフェラを切っ掛けに恋に落ちたフタナリ娘の2人を描く「Futanaric らぶ」前後編(←参照 前編より)、最早言葉で説明する気が起きない(笑)打ち切り展開漫画「UNHALLOWED」前後編、および短編7作です。1作当りのページ数は8〜20Pで、平均14P強。短めの作品が多く読み応えには乏しいですが、土居先生に読み応えを期待するのはそもそも無意味(凄く誉めてます)なので問題は全くありません。
短編「SWAMP HELL」のみ、シリアスなファンタジー系凌辱作品でしたが、その他収録作は無駄に高いテンションで駆け抜ける、お馬鹿ギャグとパロディ満載のコミカル作品です。
全体的にギャグの調子がやや平板であり、リズミカルな作劇そのもので笑わせるという点での構成力はあまり感じないものの、突っ込みどころ満載の阿呆な台詞回しの楽しさは一級品。
描き下ろしの短編「帝国非道物語」では、「おい、この捕虜どうする?」「犯そうぜ!」というある意味すごい会話や「もう完治したから気にしてねえけど許せねえ!乳首吸わせろ!!」という既に日本語としておかしい台詞が登場します。他の作品も大体同じ感じです(苦笑。
どうしようもないギャグとパロディの嵐ですが、その思いきりの良さこそが素晴しい魅力であることは確かです。多くのエロ漫画において、”変にコミカルな味付けをしようとしてギャグが空転→作品全体の雰囲気がチグハグに”というケースが多い中、空転とか雰囲気とかのレベルを超越してしまっています。それがエロ漫画としていいのかは別ですが。
打ち切り展開の見本市のような構成で各所で話題の「UNHALLOWED」第2話(←参照 王道の”実は生きてました展開”)ですが、本当にどーしょもないネタをこれだけ詰め込んでしっかり笑いが取れている土居先生は実は凄いのではないか?と思うのです。有名な「土居坂崎先生の来世にご期待下さい!」という文もご自分で入れてくれるよう編集さんに頼んだそうです(カバー裏作品解説より)。このエピソードだけでも十分面白いセンスの持ち主だと思います。
笑いの側面ばかりに注目が行きがちですが、エロの実用性は十分高いです。(特に男性の)台詞を一切読まなければですが。
柔らかそうな質感で描かれる垂れ気味巨乳は実に魅力的(←参照 短編「ドラゴンファイナル3〜そしてチンカスへ〜」より)であり、パイズリ発生率高めの上に揉まれたり舐められたりとおっぱい大活躍です。フェチ系に強いキルタイムらしく、全身タイツやスク水といった特殊衣装とおっぱいを絡めているのもいい味付けです。古めの作品では、絵が多少スカスカな印象があったのですが近作ではキャッチーさをキープしつつ、局所描写のエロ喚起力が確実にアップしています。
このため、断面図等を含む性器描写でのエロアピール力も高く、所謂”みさくら語”に近いハイテンションな台詞と汁とか母乳とかを撒き散らすエロシーンはなかなか魅力的。
快感に理性の光を失ったアへ顔を晒し、ばっちり中出しされるフィニッシュシーンのエロ的な爽快感も◎です。
…まぁ、お馬鹿要素が無かったらの話なんですけど。上述の通り阿呆な台詞回しと意地でも真面目になんぞならないギャグ展開がエロ妄想を笑いに塗り替えていってくれます。
キルタイムの度量の広さをいいことに、フタナリやニプルファック、果ては複乳(←参照 実は僕は好きなジャンルです 短編「複乳のススメ」より)などマニアックなシチュエーションが多いのも(元からスポイルされ気味とはいえ)人によっては実用性を低くしていると思われます。ただ、極度に濃厚な描写はなく、そういった変態的な要素すらギャグに取り込んでいますので、笑いとしての側面を期待している方はあまり気にする必要はないかもしれません。
エロ的にいい技術を持っているのに抜き物件として高評価はできませんが、失礼を承知で申し上げれば”愛すべき馬鹿作品”という称号がぴったりのギャグ作品集です。
エロの比率をもう少し上げて欲しいとか、ギャグの展開に緩急が欲しいとか個人的な願望はありますが、今後も存分に暴れて頂きたいものです。
不二河聡『ペット少女育成学校』
近所の公園でヤマボウシの花が満開です。白い花ですが、真白とは違う暖かみのある白色ですねぇ。ヒナゲシの花も盛りで初夏の風情を感じます。
さて、本日は不二河聡先生の『ペット少女育成学校』(ヒット出版社)のへたレビューです。
今後大化けする可能性の芽は見えるのですが、作劇・作画の水準は高くなく、現状ではややお勧めし難いというのが率直な印象でした。
収録作は、憧れの副会長が所属する生徒会の会長になったヒロインさんが(←参照 第1話より)”生徒の性欲処理”という裏の業務に就かされてな中編「生徒会長はメス奴隷」全4話+短編5作となっています。1作当りのページ数は18〜24P。シナリオ展開は大胆にオミットされていますが、多人数プレイ中心のエロシーンのボリューム感は相応にある印象です。
上述の様にシナリオ的に関連して見るべき箇所はほとんどありませんでした。表紙絵やタイトルから、少女を無残に凌辱し調教していく濃厚な鬼畜作品を連想するかもしれませんが、濃厚さや凌辱作品の背徳感にはあまり期待しない方がベターでしょう。
輪姦など凌辱行為が描かれますが、その過激さを巧く全面に出せておらず、また大半のヒロインは所謂”マッハ堕ち”で快楽の海に沈んでいきます。
シナリオ展開も非常に安易であり(←参照 情緒ゼロ 短編「Hなクラブ活動始めませんか?」より)、凌辱系作品にしろエロコメ系作品にしろエロへ至る道程の描写はかなり稚拙です。細かいことを気にせずに実用的読書をするという観点からはむしろ好都合かもしれませんが、エロへの導入をしっかり描かないためにせっかく激しく描かれるエロシーンの煽情性がスポイルされているように感じました。ここは本当にもったいないです。
なお、全ての収録作品においてコミカル気味なハッピー寄りのラストを迎えます。快楽至上主義に傾いてはいますが、人格や人間関係の崩壊などの誰かが不幸になるエンドは皆無なので後味の悪さなどはほとんどありません。
登場するヒロイン達は年齢的には幅がありながら、中編「生徒会長はメス奴隷」のサブヒロイン1名を除いて全員ぺたんこ貧乳娘さん。男性との体型比較において小さく感じるように描かれていますが、あまりロリ色は強くないのでロリっぽさに期待するのは避けるべきかと思います。
男性多数と女性一人〜複数、男性一人と女性複数(←参照 スク水妹と体操着妹と羨ましい限りの3P 短編「お兄ちゃんと一緒in三人娘」より)が多いのが特徴です。申し訳ないが個人的には、キャラクターの造形力と作画力の低さがネックに感じました。近作では多少改善してきている感もありますが、まだまだ直した方がよい部分が多いように個人的には感じました。
作画力の無さが如実に反映されてしまっているのが大人数の男女が交じり合う乱交のシーンです。人物の配置や同時に行われる多数の行為を如何にエロく分かり易く見せることができるか?ということが問われるシチュエーションだけに、現在の画力では乱交シーンの魅力は不十分。
同じヒット出版社で言えば、師走の翁先生くらいの実力があってこそ乱交シーンの圧巻の迫力とコマの追いやすさを共存させることができるわけで。
あとがきでも触れていましたが、男性陣の異常に大きいティンコが小さい体の秘所にねじ込まれ、限界まで押し広げられる様はなかなかエロチック。多人数プレイ故に中出し外出しの乱れうちですが、大抵の場合ドアップの女性器に大量の白濁液を注いでフィニッシュです。
ただ、やたらと射精が連発することやコマの使い方の緩急のなさのためにフィニッシュシーンの盛り上がりは不足気味であり、フィニッシュシーンがいい抜き所になっているかは疑問です(←参照 大乱交のラストがこれでは… 短編「保健の授業始めましょっ」より)。ゴチャゴチャした線が入り乱れ、明るく狂った台詞が飛び交う猥雑感に満ちたエロシーンの実用性は低くないですが、もう少しエロの展開に工夫が欲しいところです。
個人的には、透過図や断面図、性器ドアップなど直接的なアピールポイントをどんどん取り込もうとしている姿勢は評価したいです。
とまぁ、あまり強くお勧めできる作品ではありませんが、シリアスさやヘビィさが少ない鬼畜系抜き物件をお探しの方には絵柄さえOKなら勧められる作品です。ただ、その手の作品でより上手な先生は沢山おられるわけで…。
今後に期待したいと僕は思っています。
MARUTA『キミの好きな女の子のカタチ』
シリアスで難解な作品に出会った時、それを如何に咀嚼してレビューの内容に含めていくかというのは僕の力量では大変難しいです。今回はきちんと理解できているのかかなり不安です。”理解”する必要があるかというと必ずしもないとは思いますが。
とまぁ、相変わらずの弱音吐きでしたが、今回はMARUTA先生の『キミの好きな女の子のカタチ』(富士美出版)のへたレビューです。
郷愁を誘う夏の風景を印象的な背景として用い、若い男女の瑞々しい性愛を描く作品集でした。
収録作は、AVに出演したという噂を流された女子生徒(←参照 前編より)とその幼馴染の男子生徒、男子生徒に思いを寄せるもう一人の女子生徒の3人の恋模様を描く「八月の一番暑い日」前後編、数十年の時を少女の姿のまま”花売り”として男の精を貪る女性の物語「椿」全4話、他短編3作と描き下ろしおまけ漫画1作となっています。1作当りのページ数は16〜22Pで平均19P強。短編作品は読み応えに欠けますが、続きものでのシナリオの厚みは十分。また、風景や人物を印象的に描くコマが頻出し、その魅力のおかげで読後の満足感は高いです。
短編「ボクの好きなお尻のカタチ」を除けば、全作品の舞台は夏の田舎です。各作品において、田畑や神社、昔懐かしい日本家屋などノスタルジックな日本の原風景が丁寧に背景として描き込まれています。
蝉の鳴き声が絶えず響き、草木が青々と茂る背景(←参照 ここで引きの構図を使えるセンスは素晴らしいの一言 「八月の一番暑い日」前編より)は、夏特有の力強い生命感に満ちています。夏の季節に淡い恋心から交わる少年少女たちの姿もまた瑞々しく、共に性の快楽を享受する様には若さゆえの輝きがあります。彼らの交合は”健全”ではないのかもしれませんが、少なくとも”健康”ではあります。
恋愛感情と性欲が綯い交ぜになった「生き生きとした性のカタチ」がそこには確固として存在します。
しかしながら、賑やかな夏の日がヒグラシの悲しげな鳴き声響く夕焼けと共に終わるように、夏の季節が寂しい秋へと移ろいゆくように、その眩しい性もまた変化を余儀なくされます。
「八月の一番暑い日」のラストは、共に男子生徒と力強いセックスを経験しながら、片方の少女の心の変化ともう片方の少女の失恋が描かれます。誤解を恐れずに書かせて頂くならば、彼ら彼女らの「生き生きとした性のカタチ」の全能性は否定されます。
それが最も強くテーマとして感じられるのが中編「椿」です。快楽に満ちたセックスで交わった男の心を狂わせる少女が登場します(←参照 「椿‐2006−」より)。何十年と少女の姿で男を貪ってきたヒロインの所業・因果を現在から過去へと遡り、そしてまた現在に戻って描く構成力が光る作品でした。シナリオ展開や人物関係の説明を(おそらく意図的に)かなり省略しているため、ある程度の読解力を要求し、読み手によって様々な解釈がありえる作品だと思います。
僕個人の解釈を長々と述べるつもりはなく、是非読んで貴殿なりの解釈をしていただきたいですが、敢えて短く言うなら「生殖としての性の不在(の不幸)」がテーマかなと感じました。
「椿」のラストにおいて、花の咲かなった椿の木に2輪の椿の花が咲いて終わります(←参照 紅白二輪 「椿‐夏‐」より)。”花”は作中でのキーフレーズですが、花は美しいものであり植物の命の輝きの象徴です。しかし同時にそれは植物の生殖器官でもあるわけです。多くのエロ漫画において例え「生き生きとした性のカタチ」を描きながらも省かれることの多い、セックスの生殖としての側面の重要性を逆説的に示している作品と僕は感じました。
リアル志向の絵柄で描かれる少女たちはナイスボディとは程遠い地味な体型の持ち主。性器描写もリアル志向ですが、性器の結合を見せつけてエロさを作り出すタイプではないので直接的な煽情性を期待するのは避けた方がよいでしょう。
エロシーンのテンションは情感的ながら低く抑えられており、淫らさという点では結構評価できるのですが、実用性が高いとは言い難いのは確かです。
表紙絵の明るい印象と内容の雰囲気はかなり違いますので注意されたし。気軽にオナヌーに使える類のエロ漫画ではないのですが、多少のファンタジックな要素が許容できて重めのシナリオが好きな方にはお勧めできると個人的には思っています。
ビューティ・ヘア『蓮美ちゃんの淫罪』
今回の狂乱家族日記は凶華様のサービスカットが中華料理が食べに行きたくなる回でしたね。
さて、本日はビューティ・ヘア先生の『蓮美ちゃんの淫罪』(コアマガジン)のへたレビューです。あの腹立たしい事件のせいで松文館のイメージが強いですが、コアマガジンから初の出版ですね。
愛のあるセックスも、倒錯と快楽に満ちたセックスも圧倒的な作画力によって描かれており、性行為のダイナミズム、淫猥さ、そして独特の様式美さえ読み手に感じさせる作品集となっています。
収録作は、キリスト教系の凝り固まった貞操観念を持っていたヒロイン蓮美ちゃん(←参照 第1話より)が、学園での性の乱れ絡みの事件を解決しようとする新聞部と共に、その身を駆使して黒幕の巨悪を討たんと奮闘する長編「蓮美ちゃんの淫罪」全11話+短編1作。1作当りのページ数は16〜24Pで、「蓮美ちゃんの淫罪」各話のほとんどは16P。全体通してみると読み応えはあるものの、短い1話ごとのぶつ切り感は残念で、エロもシナリオも1話単位ではボリュームが不足気味です。
とは言うものの、数多くの登場人物を出演させながら話を破綻させない構成力、事件の調査とエロのバラエティを同時に成立させる話中盤の安定感は流石ベテランの技です。
また、ガチガチの純潔主義で「快楽としての性」を汚れたモノとして考えていた蓮美ちゃんが、様々な行為と出会いを経験したことで悦楽主義とも純潔主義とも異なる、彼女なりの「性の快楽の受け止め方」を獲得していくという、いわば彼女の成長物語として完成度は非常に高いです。
登場人物を介して語られる、先生の「快楽としてのセックス」を描くことへの敬意や哲学が伺える作品ですよ(←参照 第9話より)。ページ数の都合もあってか、登場人物間の関係が説明不足で分かりにくいこと(よく読めば大体わかりますが)、伏線の回収が多少おざなりになっていることなどネックになる点もありますが、漫画として十分楽しめたと個人的には思います。
本作のもう一つの魅力は、元々かなり素質のあった蓮美ちゃんが内に眠る淫性を徐々に開花させ、レズやSM、乱交など数多の倒錯行為すら快楽として受け止める存在へと変化していく様です。
上述の性への意識を持っているため、決して単なる淫乱な女性に”堕ちる”のではなく、人と
人との繋がりを基盤とする圧倒的な快楽を幸福そうに受け入れる様は一種崇高な印象すらあります(←参照 ここだけ見ても分かりにくいとは思いますが 第10話より)。顔を紅潮させ、髪を振り乱し、嬌声をまき散らす表情は、卓越した作画力により非常にエロチックです。が、そのエロさを単に即物的なエロのみとして描かない姿勢には大変好感が持てます。
ヒロインが性感への恐怖感でオドオドしていた序盤は、面白いプレイ(第3話の筆プレイなど)もありながらエロ的にはかなり物足りなさがありました。ただ中盤以降のエロの濃さは素晴らしく、各種倒錯行為のツボをしっかり押さえたエロの展開の巧みさは見事の一言です。
消しが結構キツイながらも男女ともに生々しく実に淫靡な性器描写(まぁ、そのためにあんな事になったわけですが)はこの先生の大きな武器なのですが、そればかりに頼らずに、しなやかな女性の肢体が悶え、絡みつき、性の快楽に堪えられず跳ねる描写の迫力は素晴らしいです。
飛び散りまくる各種液体と併せ、エロの躍動感を大いに感じさせてくれました。
ただし、この濃ゆい描写は人によってはコッテリ感が強すぎて受け入れにくいかもしれません。また、スカトロ描写等もごく一部とはいえ容赦なく絡めますのでやはり人によっては不快かもしれません。
絵柄も萌え要素に乏しい劇画よりのクセのある画風ですので、万人受けするとは言い難いところです。
濃いと言えば男性のキャラクター造詣がなかなか凝っていまして、筋骨隆々だったりひょろっとしていたり粘着質そうだったりとバラエティに富んだ男性陣でした(←参照 第5話より)。なお、短編「堕天使の謀りごと」では、一方的な獣欲を少女に叩きつける男を描いていますが、”嫌な奴”を醜悪に描くのは、愛情と敬意を持ってエロを描く先生の信念とリンクしているなぁと個人的には感じます。
学生とは思えないほどの強烈な色気を持つ志乃さんの登場頻度が少ないのがとても残念でしたが、エロも漫画も楽しませて貰えました。
最近のコアマガジンは1巻完結が原則のようで難しいとは思うものの、もっと話数を掛けて話をより掘り下げられたらもっと良かったと個人的には思います。
由雅なおは『妄想・極楽・夢気分』
今日は一日中、二日酔いで苦しんでおりました…。軽い飲み会のハズが何で焼酎をボトルで頼んでいたのでせうか…。肝臓は大事にしないといけませんね。
今回は由雅なおは先生の『妄想・極楽・夢気分』(マックス)のへたレビューです。
いわゆる”コンビニ誌エロ漫画”のスタンダードと言える作品集であり、「明るく楽しくエッチにね(はあと」という雰囲気が徹底されています。
収録作は、年上のお姉さん3人組(←参照 最終話「この先ずっと夢気分」より)と温泉宿で知り合ってH三昧な「夢気分」シリーズ全4話+描き下ろしカラー、他短編6作となっています。描き下ろしカラーを除いて、1作あたりのページ数は16〜24P、平均19P。初出がポプリクラブですので、まぁ標準的なページ数ですね。キャラの魅力もあってエロへの導入シナリオもそれなりに楽しいですが、ボリューム感があるか?と問われると首肯はし難いところです。
上述の通り、陰惨さやシリアスさはゼロの、能天気な明るさと良い意味でのご都合主義に彩られるエロコメ・ラブコメ作品です。
「夢気分」シリーズでは、おっとり天然お姉さん、ツンデレお姉さん、世話焼きお姉さん(当然全員H大好き)が登場し、温泉で車内で学園でとエッチしまくります。
一応恋愛描写はあるのですが、恋に揺れ動く乙女の心情や恋しあう二人が結ばれるドラマ性などはほとんどありません。主人公の男からして、ほとんど棚ぼた的なエッチにワクワクしているだけの存在です(笑。
巨乳メガネな女性エロ漫画家が登場する短編「天然作家彩子先生」(←参照 漫画の資料にチ○コを見せてくれたお礼。ベタにも程が(ry)など、他の短編でも「即惚れ→即ハメ」というコンビニ誌エロ漫画の王道が炸裂しております。「夢気分」シリーズではヒロインを3人と多くしたことで、ドリーミーなエロ空間の魅力が上がったものの、シナリオもエロも忙しない印象が強くちょっと残念でした。
年上系を中心したヒロイン達は個々に魅力的に描けており、凡百なシナリオを引き立ていましたが、ストーリーに期待するのはよした方がベターと思います。
初出は2007〜2008年と狭いのですが、デッサン力にかなり不安があった以前(←参照 短編「こちらアニマルメイドカフェ」より)と比べて、作画力は大幅にアップしています。未だ、表情などで絵柄が微妙に変動してしまっていますが、クセの少ない画風で描かれる萌え萌え美少女達は実に可愛らしいです。
一人貧乳ロリ娘さんがいますが(短編「はじめてのお勉強?」)、基本的にヒロインはたわわに実ったおっぱいの持ち主。やわらかそうに弾んで揉まれる乳房、(性的な意味で)美味しそうな陥没気味の乳首の組み合わせは読み手のおっぱい欲(新語)を掻き立てます。
「天然作家彩子先生」でネタにしていましたが、性器描写は精彩を欠き、キツメの黒線消しもあって結合部の直接的な煽情性を期待するのは無理です。透過図や断面図もかなり中途半端な描写でプラス評価は出来ませんでした。
エロはややボリューム感に欠け、実用性は平均的な水準。行為自体はあまり濃厚ではありませんが、大ゴマを集中的に運用するフィニッシュシーン周辺はヌキ所としては決して悪くありません。
あまり強調されていないのですが、挿入やパイズリなどの行為に下着を絡めたり、ユニークなプレイ(←参照 管理人的には前代未聞の”かき氷プレイ” 短編「シチュエーション・ラブ」より)があったりするのは個人的には嬉しいです。どうしても横並びになってしまうコンビニ誌エロ漫画の作品群なので、女性下着の描写やオリジナリティのあるプレイなどをもっと絡めて頂けると独自色が強くなっていいと思うのです。(勿論適度な範囲でですが)
爆発するオリジナリティーを持つエロ漫画作品を求めている方にはちょっとお勧めしがたいですが、お手軽な実用物件を探している方には安心してお勧めできる作品集です。
ベタはベタの味というものがあると僕は思うのです。
祝『しおんの王』大団円な雑記
お世話になっております、管理人のへどばんでございます。
最近レビューの質が落ちており大変申し訳ないです。多分語彙力とエロ漫画の知識が不足気味のためだと思うのですが、何とか頑張らないと…。
とまぁ、ネットの隅っこでエロ漫画への愛を書き散らしているわけですが、最近はリンクして頂くことも多く、恥ずかしいやら嬉しいやらです。
記載してませんが、リンクフリーなので「まぁ、紹介してやってもいいかな」というモノ好きな方はお気軽にドゾ。
The Agencyというイラストサイト様と相互リンク中ですが、ブログ始める前はイラストサイト様とリンク結べるとは思ってもみませんでした。凄い話です。
当方と同じく18禁でして、エロいスク水娘の絵を描かれてますので訪問されてみてはいかがでしょうか?なお、全年齢向けイラストサイトもやっていらっしゃいます。
また、最近アキバblog様という大手サイトにも補足して頂いております。「先方様から初めて来たよ」という方も多いのでしょうなぁ。ありがたい話です。
因みにアキバblog様関連で一番嬉しいのが、当方のレビューが本文中で紹介されている時に英語版が読めることです。
「おー、僕の胡乱な文章が英語になるとこんな感じなのかぁ」というのが実に楽しいのです。ちょっと意訳入ってますけど、そこがまた楽しいです。
あと、管理人渾身のされど後悔満載の霧恵マサノブ先生のレビューはそこそこ好評の様でとても嬉しいです。ありがとうございます。
いつかこの先生への思い入れを叫びたい!という思いがちょっとだけ実現できて変な満足感があります。
あと、天然猫肉汁アリス缶詰賢兄から素晴らしいコメントを頂きました。いつも本当にありがとうです。こんなショボイブログのしかもコメントにしておくなどとても勿体無く、このエロ漫画への愛がギッシリつまった文章はもっと広く知られてほしいと思うのですが。
賢兄のエロ漫画愛に触発され、僕もエロ漫画を「読む」こと「レビューをする」ことへの思いの丈をぶちまけたいとは思うのですが、時間が無くて新刊レビューで手一杯です(泣。
拍手および拍手コメントをくださる読者諸氏には本当に感謝です。励みになっています!拍手レスは続きに書きましたのでコメント送ってくれた方はどぞ。
なお、アクセス数は2万越えとなりました。全てのエロ漫画と作者様と出版社、そして読者諸兄に感謝と敬意を示させていただきたい。皆様のおかげで適度に楽しく頑張っています(笑。
では、次回のレビューにてお会いしましょう!
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当方と同じく18禁でして、エロいスク水娘の絵を描かれてますので訪問されてみてはいかがでしょうか?なお、全年齢向けイラストサイトもやっていらっしゃいます。
また、最近アキバblog様という大手サイトにも補足して頂いております。「先方様から初めて来たよ」という方も多いのでしょうなぁ。ありがたい話です。
因みにアキバblog様関連で一番嬉しいのが、当方のレビューが本文中で紹介されている時に英語版が読めることです。
「おー、僕の胡乱な文章が英語になるとこんな感じなのかぁ」というのが実に楽しいのです。ちょっと意訳入ってますけど、そこがまた楽しいです。
あと、管理人渾身のされど後悔満載の霧恵マサノブ先生のレビューはそこそこ好評の様でとても嬉しいです。ありがとうございます。
いつかこの先生への思い入れを叫びたい!という思いがちょっとだけ実現できて変な満足感があります。
あと、天然猫肉汁アリス缶詰賢兄から素晴らしいコメントを頂きました。いつも本当にありがとうです。こんなショボイブログのしかもコメントにしておくなどとても勿体無く、このエロ漫画への愛がギッシリつまった文章はもっと広く知られてほしいと思うのですが。
賢兄のエロ漫画愛に触発され、僕もエロ漫画を「読む」こと「レビューをする」ことへの思いの丈をぶちまけたいとは思うのですが、時間が無くて新刊レビューで手一杯です(泣。
拍手および拍手コメントをくださる読者諸氏には本当に感謝です。励みになっています!拍手レスは続きに書きましたのでコメント送ってくれた方はどぞ。
なお、アクセス数は2万越えとなりました。全てのエロ漫画と作者様と出版社、そして読者諸兄に感謝と敬意を示させていただきたい。皆様のおかげで適度に楽しく頑張っています(笑。
では、次回のレビューにてお会いしましょう!
ねんど。『美少女しすたぁ小悪魔系』
先日届いた「らき☆すた」の最終巻DVDを観ました。僕がこアニメを通して学んだことは、「パティとみさおは俺の嫁!」ということです、深いなー(マテ二人とも中の人の演技がユニークでしたね。
本日はねんど。先生の『美少女しすたぁ小悪魔系』(茜新社)のへたレビューです。まさかまさかの4日連続茜新社新刊レビュー。流石にそろそろ連続記録は打ち止めですが珍しいことがあるもので。
ちょっと生意気なのがその可愛らしさを一層引き立てているロリ娘さん達と甘々ながら濃い目のエッチが楽しめる作品でした。
収録作は短編10作と短編「美少女ちゅーぼー小悪魔系」の後日談描き下ろし(4P)です。
基本的に信頼関係にある男女の性の戯れが描かれますが、短編「籠の中の同級生」のみ、ほの暗いラストを迎えるガチの凌辱作(←参照 借金のカタに身売りされる少女)ですのでロリ鬼畜が苦手な方は注意されたし。1作当りのページ数は12〜20Pで平均17P強。ロリロリヒロインズとの倒錯的行為にメロメロさせてくれますが、お話としての読み応えは平均以下と感じました。
ロリエロ漫画を考える上で、「本来、性的結合の許されない(とされる)少女と如何にしてエロに持ち込むか」という課題がある訳ですが、本作では少女性愛に付き纏う深刻さや禁忌への恐怖感は皆無です。
妹とごっこ遊びに興じる兄が性的興奮が抑えられなくなり、妹に”イタズラ”をしてしまう短編「お兄ちゃんっあそぼ〜よ〜っ!」(←参照)の様な作品もありますが、大半はヒロイン自身が乏しい性知識と異性への好意を頼りにして性交の垣根を易々と乗り越えて行きます。ほぼ確実に初体験であるはずなのに破瓜の苦痛の描写がほとんどないこと、少女達が能動的に性行為に関わることなどにより、少女との性交における心理的障壁を丁寧に取り除いてある作風と言えるでしょう。
「穏やかな雰囲気の中で美少女と甘いエッチ」という非現実的な妄想が全面的に肯定される世界が描かれますので、ロリ好きの方ならば抵抗感無く読めて使える作品集といってよいでしょう。
ただ、兄妹も含めカップル間での恋愛感情の描写は希薄です。恋愛感情は「エロへの導入に必要な要素」程度の扱いですので、甘酸っぱい恋愛話が読みたい人は回避の方向で。
適度にコミカルな味付けをした作品が多く、コミカルなシーンで多用される大胆に崩したディフォルメ絵柄も独特の魅力がありますが、やや落ち着きの無さが感じられ、「ロリ娘との甘々妄想ワールド」の形成においてはやや足を引っ張っている印象が個人的にはありました。
短編「雨と少女と少年と」では冒頭で「これは結構シリアスになるか?」と思いましたが、ラストはあっさり気味のほのぼの系でした。「籠の中の同級生」を除く他の短編も同様にコミカルかほのぼのとした終わり方でした。
ヒロインの可愛らしさと実用性高めのエロシーンこそが本作の魅力であり、シナリオ面にあまり期待するのは得策ではないでしょう。
登場するヒロイン陣は2次性徴期真っ盛りの小○校高学年〜中○生で固定(←参照 短編「Early Lemon」より)。ぶにっとしたボディラインと幼い表情に膨らみかけの胸が組み合わさったキャラデザの醸し出す背徳的なエロチックさは大変素晴らしいです。「育ちかけ」という形容詞を愛する諸兄にはお勧めですよ。ロリプニ系では定番の、ぷっくりと膨らみツルツルした”土手”はよいですが、男女共に性器描写は極平凡であり、あまりアドバンテージにはなりませんでした。
男性に対して生意気な態度を取る少女が多く登場しますが、彼女達が誘った性行為において顔を紅潮させ、与えられた性感に屈する様のギャップは(それほど目新しいものではないものの)なかなかにそそります。
中途半端に濃厚な精液描写に少し不満はありますが、小さなお口で奮闘するフェラの頻度が高くばっちり顔射するのは実用性を高めていました。
←のコマ(短編「シスタードリラー」より)が本作のほぼ全てを物語っていますので、このコマに色々な意味で反応してしまった貴殿は買って損はしないと思いますよ(笑。生意気だったり無邪気だったりするアリス達と甘い性的遊戯を楽しみたい同志諸兄にお勧めです。
多様な作風を描けるだけの力量のある作家様だと思うので、軽いエロコメ・ラブコメ以外の作品ももっと読んでみたいなというのが個人的な願望です。
鋼鉄『ハメKING』
昨晩「明日(今朝)4時起きだから早く寝なきゃ」と思っていたら、図書館戦争とToLoveるの録画をすっかり忘れていました。なんてこったい。あと、とても眠いです。
何気に3日連続で茜新社の新刊となりますが、鋼鉄先生の『ハメKING』(茜新社)のへたレビューです。
ザ・平凡という感じの作風なのですが、今風の標準的なラブコメ・エロコメとは一味違うレトロ感の漂う作品集となっています。
収録作は、繁華街で様々な用件の解決を助ける”交渉人”を生業とし、”ハメキング”という通り名を持つ男(←参照 Vol.1より)が様々な女性とHな関係にという長編「ハメKING」全10話+短編2作となっています。1作当りのページ数は16〜20Pで、「ハメKING」最終話を除いて全て16P作品です。アッサリ気味で深みのないシナリオとエロのボリューム感の乏しさ故に読み応えは弱い印象があります。
「ハメKING」というタイトルからして現在のハートフル萌え系なんぞ知ったことかいという潔さが伺えますが、内容もそのまんまです。
「ハメKING」では全話において、主人公に悩み事とか依頼を持ち込む女性たちが、「主人公に好意を抱いたから」「お金の代りに体でお支払(はあと」という理由でギシギシアンアンへ突入(←参照 「ハメKING」Vol.9より)。基本的に主人公と主人公のキングサイズのブツに惚れ込んだ女性が積極的にエッチへと男を誘い込んでいきます。まぁ、勿論行為の途中からその巨大なティンコで女性をメロメロにするわけですが。
繁華街で生きていく主人公と女性達という面白い題材を用いながら、それをシナリオに乗せて魅力的に見せることははっきりいって出来ていません。ドラマ性もほぼ無く、話の展開は終始平板です。
ただそれらを差し引いたとしても、キャバ嬢、外国人ダンサー、新人ソープ嬢など多様なヒロインが登場するだけでなく、それら登場人物間での暖かい人情味が感じ取れるシナリオのお気楽ながら優しい雰囲気は個人的には評価したいところです。
短編「PiPiと」は携帯ショップのお姉さん(←参照)が携帯をお勧めする時に、ご自分がお気に入りの(性的な意味での)バイブ機能の実演を始めてしまって〜という話です。上述の「ハメKING」同様「そんな話あるわけないじゃん」というシナリオですが、そのあっけらかんとした性意識や女性側の快楽至上主義はいい意味で妄想ワールドへの羨望を掻き立てます。
別段コミカルな要素は強くなく、やはり恋愛要素はほぼ皆無ではありますが、その気取らない素朴ともいえる展開にはどことなく90年代エロの懐かしさを覚えます。(鋼鉄先生は21世紀以降に活躍されているのですが)
絵柄的には幅広い人に受け入れられるであろうアニメ/エロゲー絵柄にかなり近いのですが、やはり何と無く古臭い感じがあります(←参照 個人的には好きです 「ハメKING」Vol.3)。大学生〜未亡人までヒロインの設定や年齢は幅広いですが、体型的な描き分けはほとんどなく、巨乳気味でむっちりとしたお尻が性的な意味で美味しそうなキャラデザが中心です。
消しはほとんど無く、適度にディフォルメ適度にリアルな女性器描写はエロ漫画的に巧いのですが、性器結合をアップで見せつけるような構図はほとんどないのであまり売りにはなっていませんし、元からそこを売りにするつもりもないように思われます。
責めたり責められたりな前戯→デカチンコでメロメロにという超オーソドックスなエロ展開です。
やたらとシリアスなシナリオと内容皆無な激甘ラブコメ、または濃厚&過激に突き進むエロと無味無臭のキレイなセックスが席巻する昨今のエロ漫画界隈において、それらの挟間にぽつねんと90年代から取り残されたような快活さと安心感の同居する作風・実に平凡なエロを併せ持つ作風が個人的にはむしろ魅力的に映りました。
エロのパンチ不足や読み応えのなさは多少不満ではありますが、「あー、でも昔のエロ漫画ってこうだったよなー」という懐かしさを感じるのです。
万人受けはしにくいかもしれませんが、この手のエロ漫画が今後も末永く存続することを願っています。
岸里さとし『テカ☆ピタッ!』
水上蘭丸先生の新刊に興味があったのですが、サンプルを立ち読みして購入を断念。女装男子は好みのネタですが、未就学クラスの男児とかでウハウハできるレベルに僕はまだ達しておりません…。エロ漫画の世界は広大ですね、ホント。
本日は帯に書かれた「オシャレなエロマンガなんかじゃヌケない!男ってそうだろ?」という愉快痛快な訴求文にグッと来た岸里さとし先生の『テカ☆ピタッ!』(茜新社)のへたレビューです。
というか、同日に『YOUR DOG』を出している茜新社が言うに事欠いてその煽りか!と思いましたが(笑。
良くも悪くも帯の通り濃厚であり、変態チックな行為で存分に暴れ回る作風は個人的にはとても好印象でした。
収録作は、若い体を持て余す人妻がエロエロバニー衣装を着るアルバイト(←参照 どんなバイトだそれは 「奴隷バニー〜書斎にて〜」前編より)を始めたことから紆余曲折あってアナルで快感を貪るブタへと堕ちてゆく「奴隷バニー」シリーズ全4話、および短編6作となっています。1作当りのページ数は16〜20Pで、1作のぞいて全て16P作品。コミカル寄りの作風にギトギトの変態プレイ・奇抜なシチュエーションを絡める作品が多いので、16Pで十分お腹いっぱいです。
大体察していただけると思いますが、人によっては下品と感じる心配もある程、ヒロイン達が濃厚な変態プレイの快楽に狂乱しまくるシーンばかりです。
どんどん話がエスカレートしていきヒロインの人格が狂っていく「奴隷バニー」シリーズや、プライドの高い女性訪問販売員を札束で引っ叩いて体を開かせたり(←参照 短編「セールスレディー」より)と、「恋愛感情?何それ美味しいの?」と言わんばかりの作風には賛否が分かれる所でしょう。短編「お願い!(><)春花先生」は、「歪んでるけどこれはこれで素直な恋愛感情かなぁ」と思っていたらとんでもないオチだったのにはやられました。
シナリオ的な深みは絶無ではありますが、ちょいとコミカルな筋が濃厚エロを適度に緩和し、後腐れないカラッとした終わり方も作風によく合っていたと思います。
絵柄に関しては最近作と思しき短編「手コキ当番」(←参照 一番のお気に入り作品)ではかなりキャッチーさが増した印象がありますが、基本的には単行本を通してあまり変わっていないと思います。むっちりとした肢体と少々尖った印象のある表情が特徴です。しかし、絵の水準で大きく変化はないのですが、各作品内において絵柄自体がコマやシーン間でバラついている印象があります。作画が荒れているというわけでは決してないのですが、やや違和感を感じる人はいるかもしれません。
セックスアピール満載の女体と思い切ったプレイを勢いよく描けていると思います。あとがきでご自分の絵に納得されていない旨を書かれていますが、決してそんなことはないと個人的には思います(「空間として描く」という点では確かにと思う点もありますが、総じて十分高水準)。
クラスに手コキ当番という役職があり(水着と手袋は正装だそうです(笑))、ツンデレ風味のヒロインが色々頑張っちゃうという「手コキ当番」が上述の通りお気に入りですが、この設定でさえ収録作では割合マトモな方です。
「手コキ当番」でもそうですが、大半の作品で男性器を女性器に入れてズンパン×2という”普通の”セックスは行われず、挿入があるとしてもアナルセックスとなります。
臭いとか汁とかアナルとかはまだいい方で、ふたなりは勿論(短編「〜ふたり〜」)ムチムチを通り越しておデブなヒロインが登場のプランパー作品「熟れし恥ずかし・・・」(←参照)までマニアックな要素てんこ盛りです。苦手な人も多かろう要素が頻出しますので、度量の広い御仁にのみお勧めできる作品集ではあります。ページ数的に厳しかったし、描いていたら大半の読者はドン引きだった可能性が高いですが、個人的には「奴隷バニー」最終話におけるスカトロ噴水連続アクメ(自分で書いてて恥ずかしい)のシーンはちゃんと描いて終らせて欲しかったです。
乳尻のセックスアピールを全面に押し出し、エロシーンではとことん勢いよく変態行為が描かれますので内容的にも絵柄的にもとにかく濃厚です。
普通の性行為が描かれない分、嗜好が合わないと実用性は低くなると思われます。ただし、敢えて抜き的に便利なシーンを安易に絡めないのは、フェチや変態行為を描くということへの踏み込みの強さを表していると感じますので個人的にはむしろ高評価です。
「おしゃれなエロ漫画とかサブカル要素の強いエロ漫画とか(管理人はその手も大好きですが)では、決してたどり着けない境地があるんだ、コノヤロー」ということを力強く宣言する、下品で馬鹿で変態盛り沢山の素敵な作品集です。
関谷あさみ『YOUR DOG』
へっぽことはいえ一レビュアーとして感じるのは、凄く好きになった作品はばんばんレビューの筆が進むか、ちっとも進まないかのどちらかだなということです。今日のはどちらかというと後者です。
そんな前口上はともかくとして、本日は関谷あさみ先生の『YOUR DOG』(茜新社)のへたレビューです。
無味乾燥な性欲・金銭欲と買い/買われる人間のウェットな情動が混然となる援助交際という舞台装置を用い、登場人物達の心情と性行為を丁寧に描いた作品です。
収録作は、疎外感に苛まれながら生きる一人の少女(←参照 第1話より)が、彼女を違法DVDの出演者として”買った”男にふとした切っ掛けで好意を抱いたことで始まる長編「YOUR DOG」全9話+後日談7P。加筆修正があるために正確なデータではないですが、目次から計算すると1話当りのページ数は12〜30Pで平均23P強。
ドラマ性はそれほど強いわけではありませんが、後悔と罪悪感に塗れた人生を過ごしている男と辛い孤独感とすがりつく様な恋心を持つ少女の印象的な心理描写によって、実に読ませる作品であり読後の満足感は帯の訴求文の通り◎。
家庭にも学校にも居場所のない中学生少女がある日、声を掛けてきた男に”買われ”ハメ撮りAVに出演し、処女を失います。
そこには男性の強要や少女の確固とした恋心も、もっといえば何らの必然性すらなく、どこか乾いた印象すらあります。
ヒロインの歩ちゃんの他にも、お金と享楽を目的に援助交際という名の売春をする少女たちが登場するのもその印象を強めます(←参照 第3話より)。後述するように高い実用性を誇るエロシーンでの少女の乱れっぷりに歓喜しつつも、一方の主人公である男が繰り返し呟く罪悪感と易々と売春行為に身を委ねる少女への違和感を個人的には感じました。そこで描かれる性行為は如何にエロチックで生々しかろうと、どこか空虚な行為です。諦観に心が麻痺した男性とその男性に言わば救いを求める少女の気持ちがすれ違うセックスは微かに寂しさすら漂います。
しかし、終盤に少女が生の感情を男性にぶつけることで、他者を求め続けてきた二人の心が寄り添い結ばれて行きます。
序盤の一見快楽に満ちた初体験を実際のところは恐怖と嫌悪に満ちた行為だったとして(まるでDVDのように)”再生”しながらも(←参照 第8話より)それを否定も肯定もせずに乗り越え、互いを理解できた二人が体を重ねるシーンの充足感・安堵感は心に沁み渡ります。万事ハッピーになるわけではないものの、二人が寄り添って未来へと”歩み”始めるラストは気持ちのよいものです。
洗練された透明感とやぼったさが同居する絵柄・キャラデザで描かれるローティーン少女と絡み合うエロシーンの実用性はかなり高く感じました。
起伏に乏しいボディやツルツルのお股そしてあどけない童顔など、少女性を強調するパーツが汗やら涙やら精液に塗れる様は実に背徳的(←参照 第2話より)。エロ漫画に多用される大仰な台詞や喘ぎ声をほとんど用いず、荒い息使いと途切れ途切れの嬌声が演出する性行為描写の落ち着いた緊迫感は読み手の没入度を高めてくれてました。
AV撮影であるという設定を上手に活かしており、ねっとりとした責めや読む(観る)人間の興奮を喚起するような意図的な演出も、少女性とのミスマッチ感があって大変よし。
ロリOKならば御飯が大層おいしく食べられるのは請け合います。
別に善人を気取るつもりはないのですが、援助交際は(そもそも違法であることを差し引いても)許される行為ではないと考えています。
ただ、当然買う側の人間、それがまかり通る社会システムに罪はありますが、買われる少女たちは単に”大人の性欲に喰い物にされる「被害者」”ではないと思うのです。
今単行本では、この禁じられた遊戯に恋愛感情または金銭欲・性欲から飛び込んだ少女たちが描かれます。それは幼さや無知故なのかもしれませんが、それでも彼女たちなりの感情や打算や倫理観は確かに存在するのです。
その社会的な善悪はともかくとして、単に少女たちを「被害者」または「愚者」というカテゴリに入れる姿勢には、彼女たちなりの人格に踏み込む決意があまり感じ取れないのです。
少女たちの美しくも醜くもある生きた感情を認めなければ、物語序盤の主人公の男性のように結局は相手の気持ちに気付かないままで終わってしまうのではないかと思うのです。
閑話休題。
訴求文に偽りなく、読んで面白く抜いて嬉しい作品です。過剰なドラマ性や激しい性行為を求めるのは避けた方がよいですが、一見淡々とされど濃密に進行するエロとシナリオが楽しめますよ。
勇『時間外禁務』
島本和彦先生の『新吼えろペン』10巻(小学館)を読みましたが、最近何のマンガなのか分からなくなってきました、いい意味で。「核武装」と「描く武装」の洒落がやりたかっただけなんじゃ…。
遅延レビューとなりますが、勇先生の『時間外禁務』(ティーアイネット)のへたレビューです。
作画・シナリオ共にネオ劇画系作品の定番であり、その手の作品が好きな人は安心して読めるであろう作品集です。
収録作は、有能な女性課長(←参照 第1話より)と部下の男性との関係を軸に同僚のOL達や新人男性が繰り広げる(性的な意味で)過激なオフィスラブを描く「秘蝶聖域」全5話+短編3作となっています。1作当りのページ数は24〜28Pで平均すると25P強となっています。濃いめのエロと読み手の心を少しハラハラさせる展開のため、読み応えは十分にあります。
各短編では、女性が羞恥心に躊躇いつつも年下男性の性的欲求に体を開いて…という和姦系のネオ劇画ではテンプレートな展開であり、やや安直な印象はあります。ただ、地に足のついた展開であり、貞淑そうなヒロインが何のかんのと性の快楽に捕らわれてゆく様はなかなか読ませます。
中編「秘蝶聖域」では、H大好きな淫乱OLさん達や(←参照 第1話より)泣き虫な未通女さんなど男女合わせて計8人をもエロとストーリーに絡めつつ、主役の女課長と男性が結ばれる劇終へとスムーズにつながっていく展開の構成力は悪くないです。エロ漫画のお約束とはいえ、男性は課長さん以外に3名(内二人は双子)と関係を持ちながら、その女性3人も含めた職場全員が思いのすれ違う二人を結び付けようと一致団結して行動するラストは、濃いめの絵柄と反して意外なほどの爽快さがあります(まぁ、エロオチではあるのですけど)。
また、女性課長が部下の男性のモテ振りに逐一嫉妬する様子は彼女の年齢や真面目ぶりとのギャップでなかなか可愛らしかったです。
エロには絡まないものの、彼ら彼女らの上司である部長さんの部下思いなキャラクターもいい味になっていました。
微ダーク系の義母相姦モノ短編「過庭」を除けば、上述の「秘蝶聖域」と同様、性の快楽万歳!心身共に結ばれた男女はハッピー!という明るいラストです。
ヒロインはOLさんや義母、女性教師など基本的に成人女性であり、年齢層は高め。また、バリバリな痴女さんか貞淑な外見の内に滾る情欲を隠すタイプの女性という劇画系では定番のキャラ設計です。
ただ、短編「性触者」(このタイトルの古臭いセンスがにくい)に登場の女教師さんは、真面目な世話焼きさんだがエッチでは初々しく〜というなかなかキャッチーな性格付けで、この手のキャラクターの割合を増やしても結構好評なのでは?と感じました(←参照)。巨乳・むっちり太ももというナイスバディさん達ですが、基本的にリアル志向で頭身高め。表紙絵で判断して頂ければ大丈夫です。萌えとかロリとかの成分はほとんどないため、萌え萌え美少女を愛する貴兄にはほとんどお勧めできないのでご注意ください。
性器表現や、やや独特な乳首の描写などの局所描写もリアル系で、それらと絡めて丁寧に描かれた液汁と併せてエロシーンの淫猥さを存分に高めていました。男女の絡み合う体から立ち上る熱気と臭いが紙面から漏れ出るような迫力があり、Mujinのお家芸であるネオ劇画の面目躍如。
特記したいのは着衣エッチへのこだわりです。全作品において行為中に全裸になることはほぼありません。
火照る肌から発せられる熱と淫らな香りを着衣が含んで徐々に立ち昇らすかのような描写や、ストッキングや下着を男女の淫液が濡らしていく様は実にエロチックです(←参照 短編「過庭」より)。特にむっちりした太ももとガーターやストッキングなどとの組み合わせは◎。
人数が多くなったり、引いた視点でのコマになると途端に絵がガタつく作画力が前単行本からあまり向上していないのですが、その点を除けば王道のネオ劇画系エロです。
絵柄さえ合えば実用性は十分高いので、抜き物件としてお勧めできます。
奇才・霧恵マサノブ先生について

いつまでも落ち込んでいても仕方ないので、レビューやります。実は100本目の記事でして、記念というわけでもないのですが、いつもと趣を変えて単行本ではなく霧恵マサノブ先生という作家様についておこがましくも書かせて頂きます。
霧恵マサノブ先生(以下、霧恵先生)は現在、『海神』『海贄』(共にヒット出版社)という2冊の単行本を出されています。
以前の短評(リンク先記事内第2位を参照されたし)を読んで頂ければ、僕が如何にこの先生の作品を愛しているかはご理解頂けると思います。
そのため、今回は客観性なぞかなぐり捨てて、主観に満ち満ちた長い長い主張になります故、その点留意して下さい。
男女問わず個々にユニークで人間臭く、魅力的な沢山の登場人物達。その人間たち+海神さま(恵比寿神)が織り成す群像劇は、張り巡らされた伏線や人物配置を徐々に見せそして徐々に回収しながら、個々の人間たちのドラマが一つの大きな流れに合一していく見事な構成力を魅せ付けます。
登場人物の思いが交錯するシリアスなシーン、お馬鹿さと高いテンションが爆発するコミカルなシーン(←参照 『海神』収録作 短編「旅人の自由亀甲」)、そして圧巻の迫力を持つエロシーン。それら全てにおける作劇の妙、時にテンポよく時に数語で全てを語らせる台詞のセンスの良さは共に霧恵先生の大きな魅力と言ってよいでしょう。漫画の構成要素を分析的に語りたい訳では毛頭ないのですが、シナリオとキャラ、そしてそれらの組み立て方が非常に巧いと言いたいのです。
おそらく霧恵先生が残念ながら現在のところ大ブレイクしていない理由の一つは、その独特のセックス描写と思われます。
リズミカルで官能的な台詞と各種液体が撒き散らされるひたすらに激しい交合は、構図の取り方や行為の展開が巧みであり実用性は低くありません。
勿論、しっかり「エロ描写」としても描かれていますが、その根底に確固としてあるのは「人が人として他者を求める欲望」です。
幾千幾万の言葉を越えて、身体が繋がるセックスでのみ語り合える「コミニケーション」があるならば、正にそれが描かれていると言っても過言ではないでしょう。
近親姦のタブー(『海贄』短編「旅人も妹相関図」など)、障害者に押し付けられた聖性(『海贄』短編「ハーヴェスト!」など)、孤独に闘い続ける疎外感(『海神』 短編「リアクト!」など)を圧倒的な性感と他者との繋がりからくる苦痛を伴う充足感が踏み越えて行くかのような、強力無比に狂おしい交わりはもはや神々しいと感じます(←参照 『海贄』短編「旅人も妹相関図」より)。「ハーヴェスト!」のヒロイン峰華さんの言葉を借りるならば、個として他者と向かい合いその対等性を確認することで彼ら彼女らは「人間になれた」のです。
SMや集団レイプのような陵辱エロもありますが、決して一方的な性欲の叩き付けとしては描かれていません。そもそも陵辱する男性側は、描かれる世界観で活き活きとしている登場人物たちであり、決して「読み手の劣情の代行者」ではないのです。
読んで頂ければ感じ取れると思うのですが、陵辱成分強めのエロシーンでは『「強姦」「SM」の様式美』の側面が強調されます。当然、”マトモ”な行為ではないですが、その「様式美」というのは陵辱される側の他者性が無ければ成立し得ないのです。
獣欲・征服欲という歪んだ欲望を介在しているとは言え、あくまで「他者の欲求」の発露としての行為と感じられるのです。(まぁ、それは全ての鬼畜・陵辱エロの根幹な気もしますが、そこが見え隠れするか否かが本作との違いかと)
話を元に戻しますが、複雑に絡み合う登場人物達はそれぞれに他者との関係性を持ち/持たされます。しかし、他者を希求しながらも、やはり個人は個人なのです。
作中では多くの家族、特に親子が登場します。近親姦が頻出するため、家族関係が軽視されている様に映るかもしれませんが、個人的にはそうではないと考えます。
端々の描写から感じ取れるように、親は子を想い、子は親を慕います。しかし、その既与の強い”血の繋がり”さえ、それは個の欲求に踏破されうるのです。
自罰的な親娘相姦が描かれる「アライブ!」において、自分がかつて捨て、義父から性的虐待を受けた実娘を再び抱きしめ、謝罪しても二人の関係性は回復しないでしょう(←参照 短編「アレイズ!」より)。このコマの後、少女は自分を虐待した義父の娘(つまり義理の妹)を抱擁し、和解します。
我々がいわば天から与えられた、”血の繋がり”は力強く尊いものですが、それは乗り越えられるものだし、それのみに完結的に捕らわれることなく他者との関係性を構築したいという願いが描かれている様に思うのです。
エロにしても作風にしても「生と性への賛美」が感じ取れるのですが、霧恵先生の凄い所は自分がそれをエロ漫画でやっていることを多分に自覚して描いているところです。
「旅人の絶倫島奇譚」前後編(『海贄』に収録)では、離島の国定公園中に作られた世捨て人たちの集落に旅人がお世話になります。
その集落は、原始共産制の平和な世界であり、伸び伸びと活発に生き、原初的な性の快楽を貪欲にされど快活に享受する人間たちが生活しています。いわば楽園ともいうべき世界です。
緩やかにしかし力強く繋がりあう人々、生としての性が肯定される素晴らしい場所です。
しかし、その村人たちは実のところ、”見世物”なのです。彼らの瑞々しい生は監視カメラによって撮影され、見知らぬ他者に「消費」されるものなのです。
彼ら彼女らはそれを自覚してもなお、そこで生きていかねばならない人たちなのです(←参照 「旅人の絶倫島奇譚」後編より)。これを「酷い話だね」と言うのは簡単ですが、自分と関係のない「登場人物」たちの活き活きとした生と性を安全な位置から「楽しむ」という構図は、全てのエロ漫画読みというか漫画読みに対する痛烈な皮肉ではないでしょうか?
霧恵先生は「生と性への賛美」を描きながら、それを味わうことを一歩退いた視点からある種冷徹に捉えているように僕は感じるのです。
ただ、そのニヒリスティックな視点を踏まえつつも、描かれるのはやはり「他者を求めつつ個として生きていく」ことへの肯定です。
「旅人の絶倫島奇譚」ラストでは、いわば旅人の「失楽園」が描かれます。エデンを追われたアダムとイブは山の頂から地上に「降りていく」のですが、こちらでは旅人は壊れたバイクを押しながら坂を「上っていく」のです(←参照)。怒りと悔しさに塗れながら、決して生への希望と熱情を失わない旅人の姿は、悲嘆にくれ堕ちて行く人類の祖先と何と対照的でしょうか。
漫画としての構成力も素晴らしいのですが、この冷静な視点と滾る生への熱情が同居することこそが霧恵マサノブ先生の奇才たる由縁なのではないでしょうか。
絵柄・作風共にクセはありますが、それでも多くの方にお勧めしたい作品なのです。
なお、この長ったらしいレビューは、この作品と出逢う切っ掛けとなるレビューを書いたgosplan大兄(酒とエロ漫画の日々。様)と、このレビューを書くモチベーションをそっと高めてくれた天然猫肉汁アリス缶詰賢兄に捧げさせて頂きたい。
勿論、このクソ長いツマラナイレビューを読んでくれた読者諸兄にも大感謝。
それでは、また次回のレビューにて!
オノメシン『おっぱいパーティー』
先日久しぶりにエロ同人誌(石恵先生のミーア本)を買いました。やっぱり大変エロイですなぁ。商業エロ漫画で手一杯で同人に手を出す経済的余裕はあまり無いのですが、たまには買いたいなぁという感じです。
さて、本日はオノメシン先生の初単行本『おっぱいパーティー』(コアマガジン)のへたレビューです。
爆乳ヒロインズが繰り広げるパイズリへのこだわりが嬉しい濃厚エッチを存分に楽しめる作品集となっています。
収録作は、自分の真面目な性格が苦痛になってしまった少女が"不真面目"になろうとして転落してゆく「ホントノワタシ」前後編(←参照 前編より)、他短編10作および描き下しカラー4Pとなっています。カラー作品を除いて1作当りのページ数は16〜18Pとやや少なめ。作風に関わらずシナリオ描写はほとんどなく、爆乳が揺れたり挟んだりティンコをぱっくり開いた女性器に突きまくったりなエロシーンがページの大半を占めますのでエロのボリューム感は十二分にあります。
裏帯に「(恋+愛+コスプレ)×巨乳!無敵の方程式がアナタを元気にします(はあと」とありますが、この訴求文はやや微妙。
チビなお兄ちゃんが大好きな妹が登場する「ビーチシスター」(←参照)やグラビアアイドルなお姉ちゃんとラブラブHな「おねコン」のように恋愛要素が強い作品もありますが、シナリオの作風は結構広いです。短編「うさぎ男の恐怖」(また元ネタが古いこと…)「悪魔少女マリア☆ショコラ」のようにコミカルな作品はともかくとして、短編「ツンドレ委員長」「ドギマギ☆メイド喫茶」などのように脅迫レイープや輪姦等の陵辱行為が描かれる作品も含まれるので注意されたし。
上述の「ホントノワタシ」も割合ダーク系の作品ですが、コミカル系であろうと陵辱系であろうと、最終的にヒロインが「気持ちいいから幸せ(はあと」と性感に溺れるラストを迎えるので、実用面への心理的負荷はあまり気にならないとは思われます。
そういう意味では恋愛要素やイチャイチャした雰囲気にそこまで重点がある作品集ではないと言えるでしょう。
ともあれ、今単行本の最大の魅力はヒロイン達のたわわに実った爆乳であり、エロシーンではその圧倒的な存在感を魅せ付けます。
短編「なりきりメイドスケッチ」「ドギマギ☆メイド喫茶」を除いて全ての作品においてパイズリが行われ、縦ズリやら乳圧やら乳輪ズリやらドリーミーな単語の頻出する紅葉合わせシーンは大層実用的です(←参照 描き下しカラー「パイズリパーティー」より)。揺れたり揉んだりする時のオパーイの柔らかさの表現にはもう少しこだわって頂きたいものの、魅力的なパイズリ描写に加えて乳首を執拗に責め立てる様はおっぱいスキーには訴求力が実に高いと言えるでしょう。
おっぱいだけに目が行きがちですが、爆乳によくマッチしたむっちりした肢体が色んな汁に塗れながら交わる激しいエッチ自体も実用性を高めています。
エロシーンの中盤〜終盤ではヒロイン達が理性を何処かに落としてきたかのようなアへ顔を晒し、卑語と言葉にならない嬌声が交じり合った台詞を振り撒きます(←参照 短編「ツンドレ委員長」より)。限界までぱっくり開いたオミャンコにバッチリ中出しのフィニッシュシーンはよい抜き所です。
ただ、エロの展開のバリエーション不足や毎回ほぼ同じ構図のフィニッシュシーンのワンパターンぶりは単行本を通して読んでしまうと気にはなります。コスプレ要素も含め、もう少しエロに幅の欲しい所です。
絵柄に関してはほぼ安定ですが、古めの作品ではサイズこそ今と変わらぬ爆乳さん達ですがオパーイやパイズリのセックスアピールが近作ほど前面に押し出されておらず、物足りなく感じる人もいるかもしれません。
また、アへ顔も含めてキャラクターの表情変化は近作ほど上手く描けているように感じました。
「大きなおっぱいがあるだけでエロシーンの良さは何倍にもなる。おっぱいは素晴らしい。」という信念をお持ちの爆乳スキーは是非購入することをお勧めします。
なお、貧乳教徒の皆様が読むとショック死するんじゃないかという程のボリューム感ですので、普通の巨乳好きという方は表紙・裏表紙でよく確認して下さい。
完敗宣言な雑記
まぁ、僕は一応エロ漫画レビューをやっている訳ですが、知識も不十分ならレビューの質にもあまり自信が無いわけです。所詮は新参の零細ブログですし。
それでも、僕はエロ漫画が大好きなんだー!というどうにも仕様の無い気持ちで胡乱なことを書き散らしているわけです。
以前も書きましたが、僕のエロ漫画およびそのレビューに対する姿勢というのは酒とエロ漫画の日々。様に相当影響されているわけです(なお、エロ漫画への愛情は天然猫肉汁アリス缶詰様も心の師匠)。
もうね、こんな凄いレビューとかレビューとか書かれたら、勝てないですよ本当に。
同じ作品を扱ってここまで違うかと思うと泣けてきます。
多少酔っていることを抜きにしても、「あぁ、この人には向こう10年レビューの質で敵わない」と思いましたよ。
ポン貴花田先生の時には、「いやいや、それでも僕はこう思うんだ!」と無駄な抵抗ができる気概があったんだけどなぁ…。
今週のアニメ感想とか先週のメタルのライブとか雑記で書くつもりでしたが、精神的に無理です(まぁ、元々あまり需要のないのも分かりますし)。
何が言いたいかと言いますと、「完敗」だということです。レビューは優劣を競うものでは決してないのですが、「負けた」と思う時はあるのです。
大兄にレビューの質で勝とうなぞという妄想はそもそも持っていませんが、せめて一方的に見劣りすることの無きよう、精進しないといけないなぁと思う所存です。
本当に悔しいなぁ…。
それでも、僕はエロ漫画が大好きなんだー!というどうにも仕様の無い気持ちで胡乱なことを書き散らしているわけです。
以前も書きましたが、僕のエロ漫画およびそのレビューに対する姿勢というのは酒とエロ漫画の日々。様に相当影響されているわけです(なお、エロ漫画への愛情は天然猫肉汁アリス缶詰様も心の師匠)。
もうね、こんな凄いレビューとかレビューとか書かれたら、勝てないですよ本当に。
同じ作品を扱ってここまで違うかと思うと泣けてきます。
多少酔っていることを抜きにしても、「あぁ、この人には向こう10年レビューの質で敵わない」と思いましたよ。
ポン貴花田先生の時には、「いやいや、それでも僕はこう思うんだ!」と無駄な抵抗ができる気概があったんだけどなぁ…。
今週のアニメ感想とか先週のメタルのライブとか雑記で書くつもりでしたが、精神的に無理です(まぁ、元々あまり需要のないのも分かりますし)。
何が言いたいかと言いますと、「完敗」だということです。レビューは優劣を競うものでは決してないのですが、「負けた」と思う時はあるのです。
大兄にレビューの質で勝とうなぞという妄想はそもそも持っていませんが、せめて一方的に見劣りすることの無きよう、精進しないといけないなぁと思う所存です。
本当に悔しいなぁ…。
浅草寺きのと『ツンデレでおねだり』
鈴木央先生の『金剛番長』(小学館)面白いですねぇ。「スジは通したぜ!」に代表されるキメ台詞がかっこいいです。しかし、剛力番長に「食事を用意しました。ちゃんこでございます。」といって大鍋に煮える特大ちゃんこを出すシーンで電車内で危うく大笑いする所でした。
本日は浅草寺きのと先生の『ツンデレでおねだり』(茜新社)のご紹介です。
気の強さと包容力の高さを兼ね備えるヒロイン達との快楽に満ちたエッチを楽しめる実用的な(笑)作品集でした。
収録作は短編9作+短編3作の後日談を描くおまけ漫画4P。
1作当りのページ数は16〜24P、平均21P強となっています。展開や作風は、ご都合主義てんこ盛りなインスタントH・コンビニ誌エロ系統ですが、エロのボリューム感はそれなりに強く感じました。
必ずしもツンデレキャラが登場するわけではないのですが、気が強くHに積極的なヒロインが果敢にラブアタックをしかけてくる作品(←参照 挑発的な表情が魅力 短編「まんが喫茶で・・・」より)や、男性の阿呆な欲求をヒロインが成り行きながら「仕方ないなぁ」と受け入れてくれる作品(「遊んでBUNNY」「大人の関係」)が中心です。「東京遭難兄弟」のみ、あまりのシナリオのつまらなさに閉口しましたが、それ以外の短編では平凡なシナリオながら、変にギャグが空転することもシナリオがあまりに淡白になってしまうことも全くなく、明るくドリーミーなエロ漫画としてそつなくまとめる手腕は高く評価したいです。
各短編のラストもハッピー&ちょいコミカルであり、適度な軽さと読後感の良さは実用的読書向きの作品として実に好適だと言えるでしょう。
また、基本的に巨乳の持ち主という共通項はあるものの、年齢的には中学生〜実母、性格的にも甘やかしなお姉ちゃんからツンツンしたH大好き娘や鉄面皮さんなどバラエティー豊かなヒロイン陣が大変魅力的に描かれています。
キャッチーな性格付けをされたヒロインがお話とエロを牽引しており、恋愛系の短編では彼女たちのピュアな恋心がいとおしく感じます。
特に短編「大人マニュアル」は、クールな表情(←参照)と毒舌の下に男性への確固とした思慕の情を持つヒロイン藍ちゃんがとても可愛らしく描かれています。この恋心に朴念仁の男性はちっとも気付かないで話は終るのですが、そのすれ違いにもめげずどうしようもない駄目男を想い続ける彼女の姿は大変いとおしいです。ただし、ご都合主義を通り越してお馬鹿要素強めの話や、快楽至上主義的でラブい雰囲気に乏しい作品も多いので純愛スキーはその辺りを留意の上購入されたし。
絵柄はくっきりした線で描くアニメ/エロゲー絵柄であり、多くの人に抵抗感なく受け入れられるものでしょう(←参照 短編「密室の噴水」より)。←に代表される様に、エレベーターガールやバニーガール、看護婦さんといったコスプレ要素も添加されており、人によっては実用性をさらに高めてくれると思われます。
個人的には、カラリとした色香が漂ってくる成人女性(「遊んでBUNNY」「大人の関係」など)と絵柄がよくマッチしているように感じました。
シナリオの作風こそ所謂コンビニ誌エロに近似していますが、エロの濃さに関しては掲載紙が書店売り誌だけあって別格といってよく、抜き物件としては及第点以上です。
うすく描く残像を駆使した独特な胸揺れの表現が面白いですが、かなり甘い消しを伴う女性器描写の淫靡さの直接的な煽情力はなかなか強く感じました。
プレイ自体は概ねノーマルではありますが、結構なボリューム感があり、その激しい交わりにヒロインのクールな表情やツンツンした態度が快楽に崩れていく様は大変エロチックです。
個人的なお気に入りは、感情がほとんど表に出ない鉄仮面さんな恵理ちゃんが登場の短編「桃色台風」(←参照)。怒ったような表情ながら主人公君への強い愛情が窺える演出、その硬い表情が性感と愛の歓喜に蕩けてゆくエロシーンといい、
あまり濃厚なエロを期待するのは避けた方がよいですが、ツン(気の強さ)とデレ(寛容さ)を持つヒロインに存分に甘えさせてもらい、お手軽にかつ心地よくオナヌーのお供にできる作品です。
エロ漫画の基本はやっぱり明るく楽しくエッチだね!という貴公にお勧めです。
OKINA『禁談の幼声』
速水螺旋人先生の作品集を帰りがけに探してみたものの見つかりませんでした(泣。やっぱ、とらのあなとかに行かないと無いのでしょうかね?本日はOKINA先生の『禁談の幼声』(茜新社)のへたレビューです。上手いタイトルを付けられたものだなぁと思いました。
表紙絵の通り、プニッとした肢体が魅力的な幼女が性的虐待を受けて体も心も改変させられてしまう鬼畜ロリ作品集です。
収録作は全て短編で14作+描き下ろし文章付きイラスト4Pとなっています。
カラー作品の「飼い猫志願#0」を除いても、1作当りのページ数は8〜22P、平均17P程度とボリューム感は弱めです。ただし、禁忌を犯す漠然とした恐怖感と自己嫌悪感、およびそれ故の高揚感があるため単行本を通しての読み応えは結構あると感じました。
東南アジア出身と思しき少女娼婦が、確固として存在する社会的な性的搾取システムの中で(言い過ぎか?)逞しくハッピーに生きていく様を描く短編「くるくるまわる」(←参照)を除けば、基本的に年端もいかない幼女が大人の一方的な欲望に振り回されるダーク色の強い作品です。可愛い二次元ょぅじょとイチャイチャして多幸感のあるHが味わいたいなぁと思う御仁が読むと暗い気持ちになること請け合いですので注意されたし。
無邪気に性感に溺れてゆく幼女とその端緒を与えてしまった少年が共に抜け出せない泥沼へと堕ちて行く短編「ありあどね」(←参照)、静かに狂った男と性的虐待によって心の”壊れた”幼女の閉じた世界を描く短編「ココロユガム世界で」はシナリオの起伏は皆無ですが、どす黒く狂った世界が滲み出てくるような雰囲気がとても良かったです。その他の短編は、幼女が強姦され、調教され、ペットにされてと延々心と体への陵辱が続く類の作品が中心であり、シナリオ面にあまり期待するのは避けた方が良いでしょう。
ただし、この一種殺伐とした作風は、暴力装置としての欲望が描かれる各短編によくマッチしていました。
かなり等身を低めに描かれる一桁代中心の幼女に一方的な欲望を叩きつける肉体的・精神的陵辱を加え、その結果従順な性感の虜に仕立て上げる様は属性持ちには大層実用性高し。
性器やアナルの拡張なんぞ朝飯前、異物挿入やアナルフィストまである陵辱描写の過激さは素晴らしく、その圧倒的な暴力性によってヒロインの弱弱しい抵抗を打ち砕く様・快楽に溺れさせる様は読み手の嗜虐心を大いに高めてくれます(ただし属性持ちのみ)。
同人誌が初出と思われる短編「PET SHOP」では、トーンワークや黒ベタをほとんど使わない淡い絵柄で徹底した陵辱が描かれ(←参照)、そのギャップが醸し出す何ともいえない強烈な背徳感に個人的にはメロメロでした。とまぁ、ロリ鬼畜エロとしての実用性ばかり推しましたが安易に抜き物件としてはお勧めできません。
短編「SILENT SCREAM」に代表されるように「都合のよい性玩具」としても描かれるヒロイン達ですが、彼女たちはそれでも「人間」であり暴行を加えれば血も涙も流すこと、中出しすれば望まぬ妊娠もすること、何より陵辱された彼女たちの心は壊れるということが描かれます。
陵辱行為の過激さの程度や作風の明暗に関わらず、読み手の罪悪感をチクリと刺激する作品群であることに注意が必要でしょう。
エロ漫画に多く見られる所謂「快楽エンド」、「性の虜エンド」を「女性側の快楽を強調することにより、読み手の心理的負担を軽減するもの」「徹底した陵辱・鬼畜エロとは異なるご都合主義的作品」と考える方も多いと思います。個人的には、それは確実に一定の正当性のある主張であると思います。
今単行本の大半の短編では幼女が性感に溺れる存在になってしまいます(←参照 短編「魂融点”shriek"」より)。さて、それは彼女たちにとって僅かばかりの救いであり、読み手へのショックアブソバーなのでしょうか?それは断じて違うと思います。
抗しきれない暴力・快楽によって存在を変える/変えられるという嗜虐心/被虐心は、おそらく最強の(というか最凶の)陶酔であり最大の罪なのではないかと思うのです。
ロリ鬼畜における性の虜の描写は、「穢れをしらない幼さ」という(多分に幻想的ながら)「聖性」の蹂躙というモチーフ故、その痛々しさが分かり易くなっていますが、それは対象が成人女性であろうと変わらないはずなのです。
そういう点では、「一般的な」欲望の対象からは外れている作品集ではありますが、その欲望の本質を浮き彫りにする作品群といってもよいのではないかと思うのです。
細かいことは置いておくとして、ロリ鬼畜の属性持ちは垂涎の物件、それ以外の方には鬱と嫌悪感を発生させるのみの作品ですのでご自分の趣味嗜好と照らし合わせて購入を検討して下さい。
今回はちょっと自己満足的な記述が多いレビューになって申し訳ありません。疲れてるんでしょうかねぇ。
おおとりりゅうじ『胎内温度』
胡乱なことばかり垂れ流す当ブログですが、リンクして下さっているサイト様が新たにいくつか増えたようで大変嬉しいです。目下ちょっと多忙なものでレスポンス出来ていませんが、週末ぐらいまでにお礼とご挨拶に参ります。無精ゆえの無礼働きですが、平にご容赦願います。
さて今回は、おおとりりゅうじ先生の『胎内温度』(ヒット出版社)のへたレビューです。
活き活きと描かれるヒロイン達が繰り広げる、勢いの良いコメディとエロシーンが大変魅力的な作品集です。結構お勧めですよ!
収録作は、家出してきた鬼娘のパンツを拾ったことで始まるドタバタエロコメの「オニのパンツは・・・」全4話(←参照 ヒロインのライカさん 第2話より)、他短編3作となっています。1作当りのページ数は20〜34P、平均28P弱で量的に充実。登場人物達のドタバタ振りを追いかけるのが楽しく、個人的に満足感は高かったです。
何やら陵辱エロを想起させる表紙絵で、実際「オニのパンツは・・・」第3話のように陵辱系統もありますが、基本は明るく楽しいシナリオ・享楽的なHのエロコメ作品です。
「オニのパンツ・・・」シリーズは、電撃を発するオニ娘と同棲ラブコメ→色々なキャラが絡んで事件が起きちゃうぞ(はあと、とまんま「うる星やつら」のパロディでありエロ漫画テンプレートを思い切り踏襲しています。
しかし、荒削りながらも気持ちのよいシナリオの疾走感と一クセある魅力的なヒロイン達が、テンプレに付きまとう凡庸な印象をきれいに払拭しています。
ライカさんも、その姉(出だし狡猾キャラと見せかけて実はお間抜け娘さん)も愛していますが、個人的なお気に入りは主人公の同級生小港さん(←参照 「オニのパンツは・・・」第3話より)。おどおどと気弱な性格ながら、Hなことを妄想してみたりライバルのライカとは怒涛の口論を展開したりと実に愛くるしいキャラクターでした。シナリオ分量の割りにヒロイン数が多すぎてキャラごとの掘り下げが足りなかったり、1話での阿呆ぶりがいっそ清清しかった主人公の存在感がティンコ以外どんどん希薄になったことなど短所も散見されますが、本作の魅力を大きく減じるようなものではありません。
お気楽系姉弟相姦で「その流れでセックスに持っていったか」と笑い半分関心半分な短編「近しき仲にも・・」や、酔ったアルバイト巫女さんズに(性的な意味で)襲われちゃう短編「神様アリガトォ!」も作風は同様です。
フェイバリットは、「ツンデレとヤンデレとマッドサイエンティストと痴女キャラを足して4で割ってドジっ娘成分足しました」みたいな何ともユニークなキャラの西園寺さん(←参照)が登場の短編「リング」。この娘もクルクルと変化する多彩な表情が大変素晴らしい。ただし、上記中編作にしろ各短編にしろ、コミカル要素優先で恋愛感情の描写は希薄なので純愛H好きは注意されたし。
割合古臭いごっちゃりした画風をベースに、萌えっぽさやキャッチさーを取り込んだ親しみやすい絵柄であり、単行本を通して安定しています。表紙・裏表紙の絵よりも若干濃い目でうるさい絵柄ですが、表紙で判断して問題は少ないでしょう。
適度にむっちりと描かれたボン・キュッ・ボンなナイスバディのヒロイン陣が、これまた淫らに描き込まれた女性器に剛直を受け入れるエロシーンは、非常にダイナミックであり実用性は十二分に高く感じました。ただ、量的なボリューム感にはやや乏しいかもしれません。
ヒロインが体いっぱいに性の快楽を受け止めて存分に乱れる性行為にしろ、悪漢ども(←参照 今時いない類の不良たち(笑) 「オニのパンツは・・・」第3話より)の下卑た言葉とヒロインの苦痛の呻き







