蛇光院三郎『近親双姦』
朔ユキ蔵先生の『セルフ』2巻(小学館)を読みました。相変わらずオナニーの求道を続けるイケメン主人公ですが、今巻で登場の不思議な2人を含めてこの人の周りは美女だらけで羨ましいですな。あと、自慰行為が自身の体や欲望のセルフコントロールでもあり、それを通じて自身の性に対する意識が確立される点にも触れているのが面白いと思います。
さて本日は、蛇光院三郎先生の『近親双姦』(ティーアイネット)のへたレビューです。前単行本『家族耽乱』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
ちょっと変わった雰囲気の中で繰り広げられる年上近親ヒロインとのラブラブエッチが楽しめる作品集です。
収録作は、母子家庭を官能小説家の収入で支える主人公の少年が、主人公の引きこもりを直そうと頑張るお母さんと彼女にアドバイスをする叔母さんとメイクラブな中編「脱・ひきこもり計画」全4話(←参照 第1話より)、唯我独尊な姉二人に翻弄される弟がエッチでは少し逆襲な中編「双姦」全3話。登場人物達がファンタジー世界の住人になっているカバー裏は必見。現代劇がメインのMujinでは難しいでしょうが、これはこれで作品としてみたい気がします。
1話当りのページ数は24〜34P(平均28P強)と読み応えのあるボリュームになっており、エロはたっぷりでシナリオを楽しく読ませる構成になっています。
【コミカルで朗らかな近親ラブストーリー】
相変わらずいかにも近親凌辱モノっぽい表紙絵ではありますが、蛇光院先生の作品の常として描かれる近親エッチは基本的には平和的であり、ほぼ和姦のみとなっています。
近親モノや所謂堕ちモノにありがちなダークな雰囲気も非常に希薄であり、中編「脱・ひきこもり計画」の天真爛漫なお母さんと普段ツンツンしているものの根は素直で一途な叔母さんのキャラクターが(←参照 第4話より)、背徳の行為であることを意識させつつも何処か朗らかな雰囲気を形成しています。主人公はセックスシーンを中心に母親や叔母に我儘な言葉をぶつけ、2人に色々と性的行為を強要させるのですが、同時に母親への強い愛情を持っていることも強調されているため、読者に主人公に対する嫌悪感をあまり湧かせないのも○。
母親と新たな関係性としての家庭を築きたいという主人公の願いを叶える為に叔母が重要な役割を果たし、かつエロシーンの豪華さを強化することにつながっている構成も上手いと思います。
中編「双姦」も、2人の実姉が主人公の弟君を振り回しながら3人の心と体が重なっていく様を、性描写こそ攻撃的ながら、これまた比較的穏やかな雰囲気としっかりとしたラブラブ感で描き出します。
全体的に良好な読書感があると言え、こってりとした性描写と微笑ましい恋愛描写のバランスが取れているとシナリオと言えるでしょう。
【もっちり柔らかバディの年上血縁ヒロイン】
中編「脱・ひきこもり計画」はママン(30代後半クラス)と叔母さん(30代前半クラス)、中編「双姦」の双子姉(25歳)と共にダブルヒロインが登場します。
おっとりしていて天真爛漫、かつ無邪気な御母堂とツンツンしていて見栄っ張り、でも実は従順な性格な叔母さんといい、双子ながら片やバツイチ&エッチ大好きな男勝りさん、片やキツメの性格で男性経験ゼロな双子といい、対比を意識されたキャラ造形がそれぞれの魅力を高めています。
また、ツンツンした表情や男勝りな豪快な態度でありながら、時折見せる女性らしい照れや困惑、そして恋心が満たされる幸福の表情が実に素敵です(←参照 元気なお姉さんのちょっとしおらしい表情 中編「双姦」第3話より)。勿論、いざエッチとなればさらに素直なラブい台詞と快楽的なエロ台詞を呟いてくれ、このギャップがキャラクターの魅力の勘所となっています。
肩幅広め・等身高めでややがっちりしている感もある肢体であり、スレンダー美少女をお求めな方にはあまりお勧めできませんが、そのふくよかな体幹とやや垂れ気味のお肉たっぷりな巨乳、どっしりとした重量感のあるお尻は大変魅力的。
オールドスクールなアニメ絵柄のキャッチーさとネオ劇画系の濃さ・重さを兼ね備えるタイプの画風は、単行本を通して安定していますが、ややクセがありますので裏表紙のサンプルコマなどを店頭では確認されたし。
【ピストン運動を激しくかつねちっこく描く濡れ場展開】
十分なページ数があることもあって濡れ場の尺は十二分に長く、概ね多回戦仕様になっているために抜き所も豊富。
フェラ等の前戯シーンにはあまり分量は割かず、ピストン運動を激しくかつじっくり描く構成となっており、TI系らしい淫猥な結合部見せ付け構図や性器ドアップコマを多用してガツガツとした肉弾戦をパワフルに描きます。
エロ台詞の使用は比較的抑えめであり、卑語猥語のシャワーによる爆発的な扇情性を期待するのは不可ですが、結合部から漏れ出る淫靡な擬音と主人公の言葉責めによって抽送シーンを攻撃的に表現しているのは◎。
激しいピストン運動のフィニッシュは、性感の頂点を迎えたヒロインの最奥にたっぷり中出しする様をこれまたドストレートな結合部アップ構図を大ゴマ〜1Pフルで読み手に叩きつけており、実に使えます。
中編「脱・ひきこもり計画」に登場するお母さんのジャージやエプロン、パジャマといった生活感のある衣装(←参照 中編「脱・ひきこもり計画」第2話より)、叔母さんのスーツ姿や豪奢なランジェリーといったアダルトな装い、逆にミニ浴衣やエロ水着、ネコ耳コスチュームといった年齢とのギャップが楽しい衣装など、コスチュームによるエロとキャラクターの演出が上手い印象があります。複数人プレイが多く、両中編の最終話はこの手の作品の例に漏れずに投入されるダブルヒロインとの3Pが楽しめるゴージャス感も嬉しいですね。
なお、中編「脱・ひきこもり計画」では最終話においてマンネリだからという理由で主人公の男友達が乱交プレイに呼び出されますので、主人公以外の男性キャラがエロシーンに絡むのが嫌な方は要注意。
やや、粘度に乏しい液汁描写や、肢体描写を上手く連携の取れていない透過図が個人的にはちょっとマイナス評価ですが、そこまで気にすることでもないでしょう。
実母や姉が登場する近親エロには興味あるけど、あんまり濃い作品や暗いお話は嫌だなぁという方には強くお勧めできる作品ですね。
個人的には可愛らしい性格のお母様と見事にツンデレな叔母さんのコンビが大好きな中編「脱・ひきこもり計画」が特にお気に入りです。
堀博昭『昇天彼女』
7月からの新アニメも楽しみですし、エヴァの劇場版も早い所見に行きたいなぁと思っているのですが、現在結構楽しみにしているのが今夏公開予定の劇場アニメ「サマーウォーズ」。大家族を扱った劇場アニメというのはなかなかユニークな感がありますし、何より「時をかける少女」の細田監督の作品という点に興味を引かれますね。
さて本日は、堀博昭先生の『昇天彼女』(クロエ出版)のへたレビューです。前単行本『僕の愛玩具』(クロエ出版)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
卑語猥語満載のエロ台詞の洪水に彩られた陶酔空間で快楽に身も心も溶かされる美女の痴態を楽しめる作品集です。
収録作は、過剰なコアガズム(coregasm)体質で何かと感じてしまう妹と不感症故に鉄の処女を貫いていた姉のそれぞれの愛欲の日々を明るく描くタイトル中編「昇天彼女」全4話(←参照 姉妹お揃いで仲良く?4P 中編第4話「婚ばーてぃぶる」より)+幕間を描くフルカラー掌編(8P)、高校時代に性的関係にあった女性とその弟に夫婦の仲を破壊される美人奥様を描く中編「もうなにも要らない」前中後編、および短編「G・wife」。なお、毎巻恒例のカバー裏の登場人物紹介は、先生のとぼけたユーモアが楽しめますので是非一読を。
フルカラー掌編を除き1話・作当りのページ数は24Por26P(平均25P弱)としっかりとしたボリューム。各作品は官能渦巻くエロシーンこそを存分に描く構成であり、今回も抜き物件として実に頼もしい1冊です。
【明るい快楽肯定タイプとドス暗い快楽耽溺タイプの作劇】
中編「昇天彼女」は互いに性質は真逆でありながら抱えている性の悩みを、パートナーとなった男性との濃厚なセックスによって解消するストーリーであり、“ご主人しゃま専用子袋”“肉便器”“雌豚”といった不穏なワードが終盤で(ヒロイン側から)連発されるものの、明瞭な快楽肯定系のシナリオとなっています。
不感症気味なせいでセックスレスな義姉の性感開発を主人公が手伝ってエッチになだれ込む短編「G・wife」も同系統の作品であり、一応寝取りモノではありますが、“寝取り”の成否に含みを持たせるラストで、陰惨な方向にはあまり持っていかない構成も中編「昇天彼女」と共通しています。
エロは特濃ながらも比較的心理的負荷の少ないこの2作に対し、中編「もうなにも要らない」は登場人物の暗い過去とドロドロとした愛憎が渦巻くダーク&インモラル系で、なかなか重みのある読書感になっています。
他人の妻となった女性に執着し、その家庭を性の快楽によって崩壊させようとする歪んだ性癖の女性が(←参照 「もうなにも要らない」前編より)、自身もまた麻薬的な快楽によって逆襲され、共に堕ちていくという鋭い切り返しを効かせた構図は見事。従順な下僕と思っていた弟とペット扱いしていた人妻のよる狂気の愛情表現に対し、性の快楽への恐怖と嫌悪を剥きだしにして罵声を上げ続ける女性が、終に圧倒的な性感に陥落する瞬間をズバッと読み手に投げ込んでくる中盤展開も実に痛快です。
全体的にお話の設定、特に物語冒頭における現状に至った過程に関して説明不足な感が強く、かつシナリオパートの分量も少なめではありますが、超越的な性の快楽とそれへの陶酔によってシナリオを紡ぐタイプであり、話の明暗を問わず最後まで読み手を引き付けるパワーのある作劇と言えるでしょう。
【大人の色香満載な美人ヒロインズ】
各作品に登場するヒロインは、中編「昇天彼女」の多感症な妹さんが女子高生さんであるのを除き、若奥様や(元)キャリアウーマン、保険医だったりな20代半ばクラスの美人さん達。
ローティーンクラスのロリータ美少女を描いても十二分に上手い作家さんですが、このフェロモン満載の絵柄は妙齢の女性を描いてこそ映えるタイプで、今単行本のヒロインの布陣は個人的に正に福音です。
萌え系の可愛らしさはあまりないですが、清楚な外見から匂いたつアダルトな色香は絶品で、その端正な表情が快楽に染め上げられる様は実にエロティック(←参照 短編「G・wife」より)。中編「もうなにも要らない」のお姉さまのみ並乳クラスですが、その他のヒロインは表紙絵通りに重量感たっぷりの巨乳と強い存在感のあるヒップをお持ちで、出るべきとこは出て引っ込むべきところは引っ込んだモデル体型なボディデザインになっています。
アダルトな色香を演出する網タイツやボンテージ、中編「昇天彼女」の妹さんには瑞々しい柔肌にぴったり張り付くブルマ体操服など、エロ用コスチュームの的確なチョイスも冴えています。
個人的には、大人の余裕と優しさの中に垣間見れる素直な感情がこの年齢(26)ならではの可愛らしさにつながっている中編「昇天彼女」の姉の方こと、“鉄の処女”美衣奈先生にぞっこんラブ。
【濃密なエロ演出と畳み掛けるエロ展開で魅せる陶酔空間】
上述の様にエロシーンの尺は十分に取られており、かつその味付けも濃厚であるため抜き物件として非常に強力。
裏帯の訴求文に“総イキ回数100オーバー!?”という素敵に阿呆な(誉めてます)売り文句がある通り、エロシーンにおいてはヒロインは最初から最後まで一度も止まらぬ絶頂を味わい続けます(←参照 双頭バイブでレズプレイ中 中編「もうなにも要らない」後編より)。このヒロインの痴態と息を合わせるかのように、エロ展開自体も最初から全力疾走しており、濡れ場冒頭から投入されるねちっこい前戯や豊富なエロアイテム、羞恥系の変態プレイなどで押しまくります。
読みのリズム感度外視の白痴系エロ台詞でコマを埋め尽くす手法といい、一般的なエロ展開における“タメ”に乏しいスタイルですが、終始一貫したその猛烈な勢いで読み手の思考力を麻痺させるため、実用的読書の没入度は高め。
特に中編「もうなにも要らない」のラストエピソードのエロ展開は凄まじいの一言で、美人ヒロイン2名によるオネダリ→ダブルパイズリ→双頭バイブでレズプレイ→2人の体を重ねて交互に挿入→首を締め合って窒息プレイ→危険日な2人に種付け射精という怒涛の展開には痺れました。
そこそこ濃い目の茂みが広がる秘所の描写の質も高く、結合部描写等もバランスよく絡めますが、成年マークなしエロ漫画でも活躍するだけあって性器表現のみに頼らず、緊張感のある肢体描写とトロトロに蕩けたエロ表情でしっかり煽情性を構築するエロ作画になっているのも◎。複数ヒロインの痴態をシンメトリカルに見せるポージングやコマ割りも見事。
多回戦がメインであり、中出し・ぶっかけ・アナル射精とフィニッシュシーンにバラエティがあるのも個人的には嬉しいところです。
とまぁ、申し分ないほど強力な抜きツールであり、抜き所の多さもあって長期にわたって実用的読書のお供になってくれそうな分、コストパフォーマンスも高いと言えるでしょう。
相変わらずなエロの強力さも非常に嬉しいのですが、特にダークな方向へときっちり踏み込めるようになった点で、作劇のコンストラクションの確かさが増しているのことが個人的には非常に高評価につながっています。
ダーク寄りの作品もOKという方には強くお勧めしますよ!
エロ漫画私選10作(2009年上半期)
今年も半分が終了してしまいました。忙しいのもあるのかもしれませんが、今年は時間の経過がやたらはやい気がします。
さて、日々エロ漫画を楽しませて頂いていますし、今年もこれからいっぱい良作が出てくると思いますが、年末のベスト20選出の参考となるよう、昨年に引き続き、今年もここらで一旦ベスト10をまとめておこうと思います。
読んだ作品は大半が好きになってしまう脳味噌お花畑なエロ漫画ファンの管理人ではございますが、読んだ中から上半期の特にお気に入りな作品達を10冊選んでみました。
ご参考になれば一へたレビュアーとして嬉しいです。
7月1日現在で2009年上半期に発売された成人向け単行本の購入・読了数は、新装版やアンソロジーを除いて新刊140冊(内、未レビュー3作)。
3冊も未レビューがあるのが申し訳ないのですが、今回の選考には影響しなかったので取りあえず上半期ベスト10選出を先行させます。あと、去年と同じくこの時点では順位を付けていません(苦手ですし)。
加えて、個別の作品の詳しいレビューは短評内のリンク先をご参照下さい。
前置きが長くなりましたが、大好きな作品達をご紹介!
ゼロの者『エロメスのつくり方』(一水社)
長編作「わすれな」以降、比較的お気楽なラブコメ系を描いていたものの、今単行本で再びダーク路線にも復帰。
陰湿な凌辱劇においてもポップなラブコメディにしても、安定感のあるプロットが魅力であり、非日常としての性愛が日常を変容させるという筋の確かさがシナリオのバラエティの豊かさをしっかり束ねています。
濃密な演出を施したエロ作画は、いい意味でのクドサをやや減少させたものの、粘膜的な肢体描写が放つ妖しいエロスが高い実用性を生み出しています。→単行本レビュー
フエタキシ『チューべろーず』(コアマガジン)
おっぱいエロ漫画好きの期待を一身に引き受ける期待の新鋭による初単行本。
明るく楽しいラブコメ系抜き物件の基本に忠実ながら、ヒロインのユニークなキャラクターを活かした軽快なシナリオや迫力重視で激走する荒々しいまでのエロのパワフルさが強い魅力です。
吸ったり揉んだり摘まんだりなおっぱい弄りを存分に楽しめるエロシーンも今単行本の売りの一つで、エロもシナリオもアッパーなエネルギー感に満ちているのが素敵です。→単行本レビュー
岡田コウ『恋するぱんつ』(ヒット出版社)
初単行本ながら、少女の純粋で繊細な感情を丁寧に表現する雰囲気豊かなシナリオや、ぷにぷにとした柔らかボディを快楽の染め上げるエロシーンの熱っぽい陶酔感の演出は新人離れしています。
関谷あさみ先生、神寺千寿先生、犬星先生、きりりん先生などの美味しい部分を効率的に抽出したような感がありながら、そのどれとも異なる作家としての個性が伺えるのも好印象。
読んで面白く、かつがっつり使える完成度の高いロリエロ漫画であり、今後が非常に楽しみな作家さんの一人。→単行本レビュー
内々けやき『戻れない彼女』(富士美出版)
キャリアを重ねるごとに作風の幅を広げておられる作家さんですが、今単行本ではダーク&インモラル路線に挑戦して見事に成功しています。
未曾有の快楽の中、逃れることのできない破滅へと引きずり込まれていくシナリオの切れ味は鋭く、押しと引きの明瞭なコントラストが読み手に残す印象を強くしています。
得意とする美人奥様のキャラデザも非常に良好であり、アダルトな色香を纏う肢体が快楽と白濁液に染め上げられる様は大層エロティックです。→単行本レビュー
しなま『ふぇてぃっしゅサークル』(ティーアイネット)
タイトル通りにエロにおいてフェティッシュな性愛の倒錯性に強く踏み込みながら、実直なラブストーリーを根底とする作劇によって濃厚さと爽快さを両立させたバランス感覚が光る1冊。
決してカッコ良くもスマートでもないですが、変態チックエロの高揚感や若者らしい衝動、そしていい意味での馬鹿馬鹿しさが心地よいキャッチーネスを生んでおり、大変親しみ易くなっています。
それぞれのヒロインに明瞭な変態性癖を持たせて、各エロシーンの方向性を絞ることで全体としてのバラエティを増加させているのも◎。→単行本レビュー
広輪凪『エロきゅん・実験室』(オークス)
キュートなデフォルメ絵柄&ほのぼのギャグコメディと、そこからマシンガンの如く連射されるカオティックなアブノーマルエロのギャップが強烈な著者初単行本。
奇怪なフレーズとありえないエロギミック、人体改造すらも軽くこなすプレイが乱舞するエロシーンは、毒電波パートを織り交ぜる狂速ゴアグラインドの如きで、読み手を結構選ぶものの、一度ハマれば病みつきといった印象。
痛みや精神崩壊の一歩手前まで至る破滅的な快楽の演出も凄まじく、特にヒロイン・助手ちゃんの惚けまくったイキ顔が実にエロいです。→単行本レビュー
ゴージャス宝田『プププププリンセス!!』(ヒット出版社)
“シンプル・イズ・ベスト”とよく言いますが、男性の愛と勇気が少女を悪の手から救いだすという古典的なモチーフをストレートに、そしてドラマティックに描き上げた本作は、正にその表現がピッタリ。
ヒロイン5人を配した複雑な構造や話のスケールを広げる大作指向は窺えるものの、展開は非常にパワフル&スムーズであり、生きることと恋をすることのエネルギーが漲る作品世界の誘引力は見事の一言。
ロリメイン・アブノーマルプレイ満載というこの作家さんらしい特徴があるので万人向けとは言い難いですが、萌えて燃えるエロ漫画をお探しな貴方は要チェック。→単行本レビュー
オイスター『美徳乃不幸』(一水社)
ただひたすらに暴力的・破滅的であり、ホラーと紙一重の平和な日常が破られる恐怖感でシナリオを練り上げ、徹底的に絶望を描き出すスタイルは今単行本でも全く揺らぎません。
地獄への一本道なシナリオがややワンパターンという評はあってしかるべきですが、物語の容赦ないラストまで目を背けることを許さない緊迫感と凄みがあり、登場人物の絶望を読み手に噛みしめさせる手腕が光ります。
敗れ去る美徳の崇高さを、ここぞという場面で感動的に描き出すスタイルも健在で作品の奥深さを形成しています。→単行本レビュー
F4U『今夜のシコルスキー』(コアマガジン)
即効性のあるハイテンションギャグの楽しさと作品全体を覆うダークトーンの苦い余韻のケミストーリーが個性的で強い魅力です。
作画・作劇共に挑発的な感じがする程にエッジを効かせて突っ走っていますが、決して読者を置き去りにするタイプではなく、特殊性の中に妙な人懐っこさがある印象。
暴力的な快楽の演出はかなり強烈で、白目を剥くアへ顔や体内で蠢く子宮など、非現実的で過激な描写も特徴であり、このクセの強さこそを個人的には評価しています。→単行本レビュー
天竺浪人『凌鬼の刻』(マガジン・マガジン)
狂気に染まった兄に凌辱される妹を描く長編作であり、お互いに歪んでしまった兄妹が抱える静謐な狂気が作品全体を支配しています。
序盤のヒロインの冷静さが徐々に突き崩されて肉親との関係の葛藤や生々しい心情描写を紡ぎ、ヒロインの友人を巻き込む更なる悲劇へと加速していく流れには有無を言わせぬ迫力があります。
年内には完結まで描く次巻が発売される予定とのことですが、今から非常に楽しみです。→単行本レビュー
と、以上10冊が上半期のマイベストでした。
結構選考は悩んだのですが、惜しくも選外な作品を5本に絞って挙げると、
かるま龍狼『艶ママ』(ワニマガジン社) →単行本レビュー
鬼月あるちゅ『メイド嫁』(コアマガジン) →単行本レビュー
琴義弓介『組曲 蜜乳』(コアマガジン) →単行本レビュー
鈴木狂太郎『魔法教えます!!』(ヒット出版社) →単行本レビュー
大和川『たゆたゆ』(茜新社) →単行本レビュー
といった感じです。こちらの5冊も勿論お勧めですので、興味がありましたらチェックしてみて下さいな。
2009年下半期も素敵な作品達に出会えることを祈りながら、上半期に紹介した全ての作品とその作者様・出版者様、そして当ブログの読者諸氏に心よりの感謝と敬意を表して、
へどばん拝
さて、日々エロ漫画を楽しませて頂いていますし、今年もこれからいっぱい良作が出てくると思いますが、年末のベスト20選出の参考となるよう、昨年に引き続き、今年もここらで一旦ベスト10をまとめておこうと思います。
読んだ作品は大半が好きになってしまう脳味噌お花畑なエロ漫画ファンの管理人ではございますが、読んだ中から上半期の特にお気に入りな作品達を10冊選んでみました。
ご参考になれば一へたレビュアーとして嬉しいです。
7月1日現在で2009年上半期に発売された成人向け単行本の購入・読了数は、新装版やアンソロジーを除いて新刊140冊(内、未レビュー3作)。
3冊も未レビューがあるのが申し訳ないのですが、今回の選考には影響しなかったので取りあえず上半期ベスト10選出を先行させます。あと、去年と同じくこの時点では順位を付けていません(苦手ですし)。
加えて、個別の作品の詳しいレビューは短評内のリンク先をご参照下さい。
前置きが長くなりましたが、大好きな作品達をご紹介!
ゼロの者『エロメスのつくり方』(一水社)
長編作「わすれな」以降、比較的お気楽なラブコメ系を描いていたものの、今単行本で再びダーク路線にも復帰。陰湿な凌辱劇においてもポップなラブコメディにしても、安定感のあるプロットが魅力であり、非日常としての性愛が日常を変容させるという筋の確かさがシナリオのバラエティの豊かさをしっかり束ねています。
濃密な演出を施したエロ作画は、いい意味でのクドサをやや減少させたものの、粘膜的な肢体描写が放つ妖しいエロスが高い実用性を生み出しています。→単行本レビュー
フエタキシ『チューべろーず』(コアマガジン)
おっぱいエロ漫画好きの期待を一身に引き受ける期待の新鋭による初単行本。明るく楽しいラブコメ系抜き物件の基本に忠実ながら、ヒロインのユニークなキャラクターを活かした軽快なシナリオや迫力重視で激走する荒々しいまでのエロのパワフルさが強い魅力です。
吸ったり揉んだり摘まんだりなおっぱい弄りを存分に楽しめるエロシーンも今単行本の売りの一つで、エロもシナリオもアッパーなエネルギー感に満ちているのが素敵です。→単行本レビュー
岡田コウ『恋するぱんつ』(ヒット出版社)
初単行本ながら、少女の純粋で繊細な感情を丁寧に表現する雰囲気豊かなシナリオや、ぷにぷにとした柔らかボディを快楽の染め上げるエロシーンの熱っぽい陶酔感の演出は新人離れしています。関谷あさみ先生、神寺千寿先生、犬星先生、きりりん先生などの美味しい部分を効率的に抽出したような感がありながら、そのどれとも異なる作家としての個性が伺えるのも好印象。
読んで面白く、かつがっつり使える完成度の高いロリエロ漫画であり、今後が非常に楽しみな作家さんの一人。→単行本レビュー
内々けやき『戻れない彼女』(富士美出版)
キャリアを重ねるごとに作風の幅を広げておられる作家さんですが、今単行本ではダーク&インモラル路線に挑戦して見事に成功しています。未曾有の快楽の中、逃れることのできない破滅へと引きずり込まれていくシナリオの切れ味は鋭く、押しと引きの明瞭なコントラストが読み手に残す印象を強くしています。
得意とする美人奥様のキャラデザも非常に良好であり、アダルトな色香を纏う肢体が快楽と白濁液に染め上げられる様は大層エロティックです。→単行本レビュー
しなま『ふぇてぃっしゅサークル』(ティーアイネット)
タイトル通りにエロにおいてフェティッシュな性愛の倒錯性に強く踏み込みながら、実直なラブストーリーを根底とする作劇によって濃厚さと爽快さを両立させたバランス感覚が光る1冊。決してカッコ良くもスマートでもないですが、変態チックエロの高揚感や若者らしい衝動、そしていい意味での馬鹿馬鹿しさが心地よいキャッチーネスを生んでおり、大変親しみ易くなっています。
それぞれのヒロインに明瞭な変態性癖を持たせて、各エロシーンの方向性を絞ることで全体としてのバラエティを増加させているのも◎。→単行本レビュー
広輪凪『エロきゅん・実験室』(オークス)
キュートなデフォルメ絵柄&ほのぼのギャグコメディと、そこからマシンガンの如く連射されるカオティックなアブノーマルエロのギャップが強烈な著者初単行本。奇怪なフレーズとありえないエロギミック、人体改造すらも軽くこなすプレイが乱舞するエロシーンは、毒電波パートを織り交ぜる狂速ゴアグラインドの如きで、読み手を結構選ぶものの、一度ハマれば病みつきといった印象。
痛みや精神崩壊の一歩手前まで至る破滅的な快楽の演出も凄まじく、特にヒロイン・助手ちゃんの惚けまくったイキ顔が実にエロいです。→単行本レビュー
ゴージャス宝田『プププププリンセス!!』(ヒット出版社)
“シンプル・イズ・ベスト”とよく言いますが、男性の愛と勇気が少女を悪の手から救いだすという古典的なモチーフをストレートに、そしてドラマティックに描き上げた本作は、正にその表現がピッタリ。ヒロイン5人を配した複雑な構造や話のスケールを広げる大作指向は窺えるものの、展開は非常にパワフル&スムーズであり、生きることと恋をすることのエネルギーが漲る作品世界の誘引力は見事の一言。
ロリメイン・アブノーマルプレイ満載というこの作家さんらしい特徴があるので万人向けとは言い難いですが、萌えて燃えるエロ漫画をお探しな貴方は要チェック。→単行本レビュー
オイスター『美徳乃不幸』(一水社)
ただひたすらに暴力的・破滅的であり、ホラーと紙一重の平和な日常が破られる恐怖感でシナリオを練り上げ、徹底的に絶望を描き出すスタイルは今単行本でも全く揺らぎません。地獄への一本道なシナリオがややワンパターンという評はあってしかるべきですが、物語の容赦ないラストまで目を背けることを許さない緊迫感と凄みがあり、登場人物の絶望を読み手に噛みしめさせる手腕が光ります。
敗れ去る美徳の崇高さを、ここぞという場面で感動的に描き出すスタイルも健在で作品の奥深さを形成しています。→単行本レビュー
F4U『今夜のシコルスキー』(コアマガジン)
即効性のあるハイテンションギャグの楽しさと作品全体を覆うダークトーンの苦い余韻のケミストーリーが個性的で強い魅力です。作画・作劇共に挑発的な感じがする程にエッジを効かせて突っ走っていますが、決して読者を置き去りにするタイプではなく、特殊性の中に妙な人懐っこさがある印象。
暴力的な快楽の演出はかなり強烈で、白目を剥くアへ顔や体内で蠢く子宮など、非現実的で過激な描写も特徴であり、このクセの強さこそを個人的には評価しています。→単行本レビュー
天竺浪人『凌鬼の刻』(マガジン・マガジン)
狂気に染まった兄に凌辱される妹を描く長編作であり、お互いに歪んでしまった兄妹が抱える静謐な狂気が作品全体を支配しています。序盤のヒロインの冷静さが徐々に突き崩されて肉親との関係の葛藤や生々しい心情描写を紡ぎ、ヒロインの友人を巻き込む更なる悲劇へと加速していく流れには有無を言わせぬ迫力があります。
年内には完結まで描く次巻が発売される予定とのことですが、今から非常に楽しみです。→単行本レビュー
と、以上10冊が上半期のマイベストでした。
結構選考は悩んだのですが、惜しくも選外な作品を5本に絞って挙げると、
かるま龍狼『艶ママ』(ワニマガジン社) →単行本レビュー
鬼月あるちゅ『メイド嫁』(コアマガジン) →単行本レビュー
琴義弓介『組曲 蜜乳』(コアマガジン) →単行本レビュー
鈴木狂太郎『魔法教えます!!』(ヒット出版社) →単行本レビュー
大和川『たゆたゆ』(茜新社) →単行本レビュー
といった感じです。こちらの5冊も勿論お勧めですので、興味がありましたらチェックしてみて下さいな。
2009年下半期も素敵な作品達に出会えることを祈りながら、上半期に紹介した全ての作品とその作者様・出版者様、そして当ブログの読者諸氏に心よりの感謝と敬意を表して、
へどばん拝
犬『ラッキーな日』
こう、ある時は余るほどあるのに、無い時は全くないのが毎度恒例?なこの雑文パートのネタなのですが、現在正に書く様なネタがございません(笑。植木は健康、雑誌・一般向け漫画は未読多め、メタルCDは買いに行く時間無しといった感じですなぁ。アニメ新番組を見出したら再び言及することが増えると思いますが、まぁ別に大事じゃないですしね、ココ。
さて本日は、犬先生の『ラッキーな日』(一水社)のへたレビューです。前単行本『初犬3』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
ちょっと変わった女の子達との純なラブストーリーと情熱的なセックスシーンが楽しめる作品集ですよ。
2〜3冊目の単行本が長編メインの単行本でしたが、今回は久しぶりに短編作がメイン。収録作は、クラスメイトのクールな女子大生さんに告白してあっさり玉砕するもなぜか匂いを嗅がれて始まるラブアフェアな「黒猫のぶーがるー」前後編(←参照 前編より)、独立した掌編・短編8作、および各作品の登場人物が集うおまけ漫画(4P)と先生の代表作である長編「ストレンジ・カインド オブ ウーマン」の三田さんが色々暴走するあとがき漫画(2P)。初単行本『初犬』(一水社)に収録された短編「赤ずきんは狼が好き」の続編であるフルカラー掌編「エデンの南」(4P)を除いて1作当りのページ数は16〜24P(平均19P弱)とやや控えめな分量。若い男女の性愛の瑞々しさを表現する作品群であり、適度に読ませるかつ使える構成ですが、エロ・シナリオ双方の面で読み応えにはちょっと乏しい印象もあります。
【若い男女の恋の熱量が駆動するラブコメディ】
ティーンズラブ系で漫画文法やエロ演出が男性向けとは結構異なる最古作「てんとうむしはお好き?」こそ雰囲気は大きく異なりますが、この作品も含めて収録作は若さ故の忌憚のない衝動で恋にエッチに励む男女のラブコメディでほぼ統一されています。
連作「黒猫のぶーがるー」の“匂い嗅ぎ”なヒロインさんや、短編「笑う門には風が吹く」に登場する怒りながら主人公に付き纏う女の子、はたまた「てんとうむしはお好き?」の芸術家肌でちょっとミステリアスな男子生徒など、“理解しえない異性”としてのキャラクターを登場させ、素直な言葉と体の重ね合いがその理解の障壁を取り払って男女が幸せに結ばれる展開は、恋愛ストーリーの真髄を的確に押さえています。
双方の理解を阻む壁が崩壊した瞬間をポンっと軽く、それでいて味わい深く描くシーンの魅力はなかなか微笑ましいです(←参照 短編「笑う門には風が吹く」より)。そういった展開のスムーズさが性の快楽の高揚と恋愛感情の強さを比例関係として描くエロ漫画手法を不自然に感じせない雰囲気を作れているのも○。
登場人物、特に不思議なキャラクターのヒロインが恋に落ちる理由がやや説明不足で、読者を突き放している印象が無いわけではないですが、“一目惚れのマジック”とでも言うべき、恋愛の不思議さに全てを委ねることでプロットの破綻を回避しています。
ただ、シリアス寄りの雰囲気で放たれるバイク乗りの「最高の女(マシン)!!」などのお寒い台詞がどうにも肌に合わない短編「お気楽らいだーす」や、端的に言うと女の子がサラリーマンを罠にはめて痴漢冤罪?で逮捕させる短編「ラッキーな日」など、読み手によっては評価を大きく下げかねない作品があるのは今単行本の難所。
特に後者に関しては、ビッチキャラこそドンと来いな!管理人ですが、罠のはめ方がそれなりに陰湿なために読後感があまり良くなく、この行動にはヒロインの過去の苦労があることをおまけの小冊子(とらのあな限定品)で匂わせますが、その背景をこの作品から察せよというのはちょっと無茶です。
【ぷるぷるとした質感が魅力の並〜巨乳ヒロイン陣】
ヒロイン陣は連作「黒猫のぶーがるー」と短編「お気楽らいだーす」の20歳前後の女性を除いて、女子高生さんクラスで統一。
短編「船長とオレ」に登場する海賊コスプレの女の子のみスレンダー貧乳さんですが、その他の女の子は柔らかさと張りを兼ね備える水風船の如き双球を備えるスレンダー並乳〜巨乳タイプとなっています。
決して大き過ぎないお手頃サイズの乳房のふるふると柔らかそうな質感と薄ら描かれる肋骨の硬質さ、柔肌の下にある筋肉の躍動などを対比させるボディデザインは実に官能的です(←参照 短編「おれんじ・ろまんす」より)。上述の様にやや風変りでキャラクターを掴み難い登場人物が多い印象で、そのことが魅力でもあるのですが、漫画的に分かりやすいヒロイン像をお求めな方は要検討。
初出が2004年とこの作家さんの発表作の中でも最も古い部類になる短編「てんとうむしはお好き?」こそ、少女向け漫画の絵柄ですが、他の作品ではヒロインの健康的な色気と可愛らしさを引きだすアニメ/エロゲー絵柄は高質で安定しています。
【美しい肢体をアグレッシブに責め立てるセックス描写】
分量的に多いとは言い難いものの、柔らかいおっぱい描写と淫靡な女性器描写を軸とするエロ作画の実用性は相変わらず高く、抜き物件としてぬかりのない構成。
薄っすらと陰毛の生えた秘所は前戯の段階で既にトロットロに淫液を垂らしており、そこにマッシブな剛直を挿入して激しいピストン運動に突入するエロ展開はごく標準的ですが、それ故使いやすいのも確か。
快楽に背中をグッと反りかえらせる演出や、肌の上の汗が体の動きに合わせてスッと動く様子など、緊張感と躍動感のあるセックス描写はパワフルに実用的であり同時に美しささえ感じさえます(←参照 汗の上方向への動き 短編「船長とオレ」より)。素股や手コキ、足コキ、フェラなどの前戯の段階ではまだ理性を保っていた男性側がピストン運動の途中から猛る性欲を全開にしてちょいとサディスティックな言葉と激しい腰使いでガンガン責め立てる流れもハードコアなエロの面を強化。
特に短編「ラッキーな日」と「お気楽らいだーす」のエロ展開終盤で用いられた、ヒロインの腰をがっちりホールドしてのバックからの猛然とした突き込みを経由して中出しフィニッシュに持って行く流れがかなり攻撃的で実に使えます。
おそらく初出時期の問題だと思いますが、作品間で修正の煩さには差があります。まぁ、概ね緩やかな修正の作品が多く、性器アップは少ないながら多用される結合部見せ付け構図の煽情性を損なわないようになっています。
長編「ストレンジ・カインド オブ ウーマン」の終盤展開が管理人はあまり好みでなかったのですが、今単行本の短編作に関しては一部を除いて親しみを持てる作劇に戻ったなぁという感想です。
とまれ、個性的なヒロインが楽しめる良質のラブコメ系抜き物件ですので、幅広い方にお勧め出来ます。初めて犬先生の作品を読むという方にも良い1冊ですね。
Noise『Loliplex!』
公私共に色々と忙しく、おまけに生来の遅筆故になかなか未レビュー本を崩せずに頭を抱えております。一通り読んではいるのですが、感じた事を文章にするのは未だに難しくて・・・。へこたれそうになることもありますが、修造マッドでやる気を出しつつ頑張ります。お米食べろ!
さて本日は、Noise先生の初単行本『Loliplex!』(茜新社)のへたレビューです。無駄に熱いことになっているカバー裏が面白いので、購入後は是非カバーをめくられたし。バー・ぴぃちぴっと先生といい、こういった趣向がLO作家陣で流行っているんでしょうかね?
思春期入りたての女の子達の微笑ましい恋と初々しい性愛をほんわかとした雰囲気の中で楽しめる作品集です。
収録作は全て掌編・短編で11作。精飲大好きなロリっ娘との日常エッチを描くフルカラー掌編の「Morning Drink」(8P)およびエッチに興味心身な女の子に捕まってしまった少年の受難?を描くフルカラー掌編「とある不幸な少年のお話」(8P)を除き、1作当りのページ数は16〜24P(平均20P弱)と中の下クラスのボリューム。
エロシーンが占める比率の高い構成になっていますが、エッチを通じて登場人物の心情を描くため、お話としての面白みもちゃんとあるタイプで、心地よい読書感になっています。
【優しく平和なラブコメディ】
シナリオの方向性に関しては、コメディ要素を添加したラブストーリーと女の子のエッチへの興味がお話を駆動する明るい快楽至上主義系が中心。
マネージャーの青年に思いを寄せる少女アイドルを描く短編「とあるアイドルのお話」のように成人男性との年の差ラブも魅力的ですし、性の快楽を既に覚えた女の子が初心な男の子を誘惑する短編「とある放課後のお話」のちょっと妖しげながら実はラブい作劇も気持ち良いです。
特に魅力的なのは、短編「とある季節の変わり目の話」や短編「とある素直になれない少女のお話」(←参照)のように、少年少女の恋とエッチを描く作品であり、初めて同士の二人が手探りで恋を確かめ合い、結合を果たす様が微笑ましく、勢いだけで押し切らない温かみのある展開が魅力的に映ります。性的なことを何も知らない妹をだまくらかしてお風呂でアナルエッチに突入する短編「とあるぬるぬるしたお話」や、酔っぱらった妹となし崩し的にエッチしてしまう短編「とあるクリスマスのお話」といった作品もありますが、全作品を通じて陰湿さはほとんどなく、全登場人物が性の快楽を幸福に味わって平和かつコミカルにお話を終わらせるシナリオで読後の余韻も大変良好。
なお、短編「とある少女の厄日のお話」はLO本誌で作家持ち回りで描かれた“女の子がおしっこをするだけの漫画”であり、授業中必死におしっこを我慢する苦闘を描くという変わり種のエロ漫画になっております(←参照 男女問わず身に覚えがあることでしょう)。彼女の運命や如何に!?個人的なお気に入りは、負けず嫌いなお嬢様がセックスについて学ぼうと執事の青年にご命令な短編「とあるお嬢様のお話」。
【スベスベお肌の寸胴ロリータ少女達】
LOレーベルですので当たり前ですがロリータ少女オンリーな構成であり、小○校高学年〜中○生クラスの思春期入りたてガールズ達が登場。
貧乳ロリさんがほとんどですが、膨らみかけの柔らかおっぱいをお持ちな短編「とあるお嬢様のお話」のお嬢様や、短編「とある女の子の悩みのお話」の巨乳小学生さん(←参照)など、乳アリなヒロインがそれなりにいるのは個人的には嬉しいです。幼いお肌のスベスベ感が魅力ですが、ロリプニ系のキャラデザにはなっておらず、女性としての体が出来上がる前の思春期初期といった感じの寸胴バディですので、明瞭なセックスアピールや可愛らしさを期待するのは避けるべきかなぁという印象。勿論、むしろそっちの方が萌えるという貴兄はマストバイ。
少々パースが狂ったりやデッサンが怪しくなることもあるものの、端正な描線と丁寧なトーンワークで描かれる澄んだ二次元絵柄は素朴な可愛らしさを持つヒロイン造形と意外にマッチしており高評価。
ただし、絵として質に大きな差異は無いものの、作品間でタッチに結構バラつきが認められるのは初単行本故の難点と言えば難点です。
また、表紙絵よりは裏表紙の絵の方が近作の絵柄には近い印象ですね。
【大人しい序盤から激しい終盤へ移行するエロシーン】
性行為の描かれる分量こそ多めですが、徐々に徐々に行為が進展する様をじっくりと紡いでいくタイプなので、濃厚なエロをお求めな方はちょっと向いていない可能性があります。
エロとシナリオを同時並行で進める作劇である面も、話としては面白くなっているのですが、実用的読書に没入するという点ではやや障壁になっているのも否めません。
とは言え、ペッティングから性器結合へと進展し、おっかなびっくりな序盤の絡み合い(←参照 まだゆっくり優しく動きます 短編「とあるお嬢様のお話」より)が終盤では一気に激しくなり、若さにまかせてガツガツ腰を振ってフィニッシュに持って行くラストスパートの爆発力は○。なお、全員処女または童貞ですが、破瓜描写は少なめ・包茎チ○コは多めという特徴があります。
初めて見た男性器に興味津々で目を輝かせたり、初めての快楽に涙滴を目端に浮かべた紅潮したりな表情はエロ演出における魅力の一つですが、やや多彩さの面で弱みはあります。
個人的にはむしろ歓迎ですが、1Pフルでがっつり描くフィニッシュでは外出しやアナル中出しが散見されるため、膣内射精至上主義な貴兄は要注意。
ハードコアなロリエロ漫画でがっつり抜きたい貴兄にはやや不向きかも知れませんが、少女達の幸福な性愛のカタチを優しく描いたハートウォームなロリエロ漫画として十分魅力的です。
LO本誌で読む限り、相変わらず絵柄に不安定感があるのがちょっと不安要素ではありますが、急成長を遂げた他の若手LO作家陣同様これからが楽しみな作家さんですね。







